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路傍の花が、太陽の光を受けて、色鮮やかな輝きを見せる季節となってきた。鼻の周辺を数ヶ月悩ませてきた花粉症のアレルギーも静かに撤退し、どこかさっぱりしている。今日が終わると明日から、国会議事堂という石の館での攻防が始まる。国会と議員会館の間の通りには、ツツジが一斉に咲き始めている。が、よくみるとヒョロヒョロと菜の花が数本づつツツジの脇から伸びてきている。辻元清美さんによると、「不審者扱い」の職務質問を受けながら、「菜の花議連」の人たちがせっせとタネを蒔いたものだという。国会には、二世議員、三世議員が大量にいて、きちんと手入れされたツヅジのように予定調和で自己完結的な世界をつくっている。不規則に、管理者の計画外にニョキニョキとはえている菜の花に思わず口元が緩んだ。菜の花よ、増えろ。

私は、公共事業チェック議員の会(鳩山由紀夫会長)の事務局長をしている。昨年の参議院選挙で民主党が数多く当選したこともあって、3年間休眠中だった議員の会は活発な活動を再開した。私が参加した視察だけでも、グリーピア南紀跡地問題(和歌山県)、柏崎刈羽原子力発電所の地震被災調査(新潟県)※党として調査。その後にヒアリングを議員の会で実施)、圏央道トンネル調査(東京都)、八ツ場ダム調査(群馬県)、六ヶ所村再処理工場耐震調査(青森県)。私は参加出来なかった視察も、諫早干拓事業(長崎県)、内海ダム(香川県小豆島)と続いた

野党でつくる超党派の議員連盟としては、数々の「武勇伝」を残しつつ、公共事業の現場に行って「再評価」する活動を積み上げてきた。私たち何人かの中心メンバーの議員にとっては、「公共事業の光景」とは「不条理のゴリ押し」であり、
「巨大なトマソン」とも呼べる道路、トンネル、空港、港湾、スーパー林道、土地改良など国土交通省や農水省に独占されている国家ブロジェクトの数々であった。

驚くことにも慣れ、あきれる事実も数多く知っている。ところが、今回の「道路特定財源」の問題で初めて「予算を使う側」から公共事業を分析する機会に恵まれた。道路の予算の「さじ加減」は国土交通省地方整備局(年間予算8兆円という)と国道事務所長の権限で伸縮自在であることがわかった。縮むことはほとんどないから、拡張自在と言っておいた方がいいかもしれない。

なにしろ名もなき国道パイパス工事の「両生類棲息調査」「鳥類調査」などで一契約あたり、1千万を平気で超える。さらには「地元住民の合意形成提案」「次世代交通をみこした環境融合型実験プラン」など、3000万円~5000万円の企画提案が目白押しだ。私たち公共事業チェック議員の会は、山を削り、海を埋め立て、川を変形させる公共事業の現場で工事のあり方をみて、その環境への影響や予算の無駄遣い体質に厳しい批判を加えてきた。しかし、道路予算を解剖してみると、実際の工事に入るはるか以前に湯水のような予算が費消されていることがわかった。

公共事業の現場で私たちが指摘してきたのは「つくる必要のないものをなぜつくるのか」という疑問だった。その回答は、公共事業の財務体質・予算の構造にあった。カネが動き、利害が絡み、機会を制して工事を推進する。不要不急の工事も、融通無碍の予算構造から見れば「人の世の必然」となるのである。

連休明けから、道路特定財源の整備特例法の再議決に向けて国会も動き出す。公共事業チェックの会では、成果物として出来上がった公共事業の幾多の光景を想起しながら、カネの流れ・予算の構造、そして会計検査院が一度もしたことのない「決算」の評価を念頭に分析作業を始めていきたい。






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