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みなさんこんにちは平成25年度では12回目の定例記者会見、本日は年度末最後の会見となります。まずは4点ほど、私から挨拶の中で紹介をさせていただきます。まず、1点目は、「世田谷区基本計画の策定」についてです。

 世田谷区の基本計画は、平成26年度から10年間の「子どもが輝く 参加と協働のまち せたがや」を副題としています。6つの重点政策の中で、それぞれ基本構想を中心に政策を展開していきます。「マッチング」という言葉ですが、簡単に言うと、縦割りから横つなぎへということです。縦割りを越え、様々な分野を組み合わせ、区民、事業者、区の連携・協力により、多様化する区民ニーズに応えて最善の施策を組み立てていくことが重要になります。

なぜ「マッチング」かと申し上げますと、よく「縦割り行政」という言葉が使われます。住民の間からも出てくる言葉ですし、役所の中でも使われる場合もあります。世田谷区役所は5000人を超える大きな組織なので、それぞれの所管、分野が責任をもつという良さもあるのですが、これが長く続くと、隣の部署で似たような取り組みをしていてもお互いが知らないということにもなります。

世田谷区だけではありませんが、これから超高齢化社会を迎えます。また、世田谷区に特徴的なのは毎年1000人、5歳以下の子どもの人口が増えるということ、全国にあまり例がありません。こうした課題に取り組んでいくためには、従来の組織のあり方だけでは対応できない。例えば組織と組織、所管と所管がチームを組んで様々な知恵を出して一緒に取り組んでいくことが必要となります。区役所の中でそれぞれマッチングするだけでなく、例えば世田谷区には第一線で現在活躍されている各分野の専門家の方や学者の方、様々専門知識を持つ方たちが大勢います。区民と行政が力を合わせて取り組むことで、さらに課題解決が近づいてくるのではないかと思います。

一昨年ほど前、「子どもの声がうるさい」というご意見が保育園の近隣から出たため、保育園児を園庭に出すのを制限したところ、保護者の方から「何とかならないか」と訴えがありました。こういう問題については、保育園そのものもそうですが、いわゆるコミュニティ機能、地域のありよう、あるいはご意見を出された方が高齢、あるいは一人暮らしといった場合には福祉的なアプローチも必要かもしれない。

そういうことで、様々な角度で活動をしてきた区の専門所管が力を合わせることと同時に民間の現場、有識者とも力を合わせていく。そういった取り組みの中で、空き家を活用した認知症カフェの展開が間もなくスタートしていきます。空き家活用事業なので都市整備の課題なのですが、一方で認知症の疑いのある区民の方は毎年1000人増えていると言われています。10年間で1万人となり、ある意味で想像を絶する事態についてどのように対応していくのか、ということでこの「マッチング」を実現していく。そのために組織改変を行い、それぞれの領域の中で「マッチング担当課長―領域連携課長」というポジションをあえて置きました。区役所全体でもう少し、有機的に動いていけるようにとの工夫の一つとしてご紹介させていただきました。

  次に、池尻にあります「がやがや館」、田園都市線の池尻大橋駅から徒歩、あるいはバス停から徒歩の場所にあり、表通りに面していないのでちょっと場所がわからないという声も多数いただいておりました。そこで、4月1日より三軒茶屋駅から直通のバスを一日一回、運行を開始することにしました。

月曜日と木曜日に「下北沢駅」と「がやがや館」をつないでいるバスもあるので、それに加わったというかたちになります。

 次に保育園の問題です。何度かお話をさせていただいているように、世田谷区の待機児童は厳しい状況をクリアしていくことがなかなか難しい状況となっています。その一つとして、特に来年度は、4月にオープンする予定の保育園が、いわゆる建設資材不足の問題、あるいは働き手も少ないという問題のため、開くことができない状況です。3つの保育園については、プレハブで180人余の子どもたちを受け入れ、園舎が本格的に建ちあがった時に、さらに枠を広げて、それぞれがスタートするというかたちになっています。

この認可保育園についてですが、先般も記者会見で言いましたように、区としては新たに国家公務員住宅跡地をぜひ保育園に使いたいという要望を出しております。この要望がかなえば、現在もうすでにできた所も含めて、2000人規模という、保育園用地としては大きな単位の認可保育園ができます。しかしながら国家公務員住宅跡地というのは、区内にまんべんなく存在しておりません。烏山を中心とした北部、玉川を中心とした南部にはそうございません。そこで、世田谷区では土地建物のオーナーの皆様に、「保育園に土地を貸してください」という取り組みを始めています。

これまで、社会福祉法人や株式会社にしても用地が世田谷区の場合、例えば神奈川県川崎市、相模原市に比べると用地代が高い。認可保育園は、土地の賃料が年間平均約1500万円、20年払うと3億円ということになります。区は4400万円程度の立ち上がり事業、いわば資金補助をしてきましたが、20年にわたり支えていくとすると、おおよそこの3分の2、つまり2億円相当の補助を土地の賃料に対して区で行っていきます。したがって土地のオーナーの方に対して、お持ちの駐車場や土地をぜひ提供してください、という呼びかけを、認可保育園がなかなかつくれない地域を中心に続けております。また、事業者に直接貸すということに少し抵抗がある、という声もありますので区が直接お借りして、転貸するという方式も現在つくりました。50件ほど問い合わせがあり、区の方でも不動産取引について熟練した方を、特に民間の土地提供という分野でお話しを整理していただく方に窓口になってもらいながら、待機児解消に向けた取り組みを進めております。

 次に、平成26年度一般会計予算ほか関係予算が昨日の世田谷区議会本会議で最終的に可決成立をしました。同時に本予算に合わせて26年度第一次補正というものをかけました。本予算と同時に補正、というかたちです。ここはまさに先ほどの保育園の話と連動しますが、建築コストの上昇が見られる。この間、建築業界に詳しい方にも話を伺ってきましたが、デフレ時代が長く続いていて、公共の工事というと多少収益が厳しくても行ってきたという状況があるそうです。しかしながら昨年後半から状況が変わってきたそうです。世田谷区においてはまだ経験をしておりませんが、入札の不調が起きています。工事が遅れるという経験をしたわけです。しかしながら、具体的には区立多聞小学校と区立太子堂小学校の改築の予算について、多聞小学校についてはプラス1億3900万円、太子堂小学校についてはプラス9600万円、元々の建築費に比べて、多聞小学校は25億円台から27億円台へと、太子堂小学校の方も24億円台から25億円台へ、いわばコストの加算をいたしました。今回の補正予算というのは、工事が27年度までの2年間で行いますので、26年度の支払額ということで3500万円分を昨日の予算議会で可決をしたものであります。これから建築の資材高騰や労働者不足、あるいは単価の上昇ということもまだ正確な予測がつかないところですが、区民サービスへの影響を最小限とするように工期に余裕を見ていく、また予算面で臨機応変に対応するということでやっていきたいと思います。

 これで挨拶を終わりまして、次に発表項目の方に移らせていただきたいと思います。

 まず、第3回になりました地域風景資産の選定が終わりました。世田谷の様々な心に残る、また記憶に常に鮮やかな場面を、区民に応募をしていただく呼びかけをしてきたものです。平成24年7月から1年半をかけて20件を選定することになりました。平成14年度は36件、平成19年度は30件ということで合わせて86件の地域風景資産の登録がなされました。この地域風景資産を区民の皆さんに出していただき、区のおしらせでも1面にこの写真を掲げておりますが、やはり世田谷のあちこちにこんな場所がある、こんな緑の多いくつろげる場所があるということを知っていただくことが目標です。地域風景資産の選定が3回目を迎えて世田谷の地域にだんだん溶け込んできたというふうに思います。

 次に二子玉川の公園についてです。すでに昨年、半分が一部オープンしました。今回第2期オープンということですが、第2期といっても大体、大半の公園はこれでオープンします。グランドオープンに近く、一部を残しているので第2期ということになります。連日親子連れの方にたくさん来ていただいていて、「帰真園」という回遊式の日本庭園も大変高い評価をいただいておりますけれども、2期分の1.9ヘクタールが、4月4日にオープンをいたします。特徴としましては、2年前の平成24年9月に植林をしているところなんですが、宮脇先生という、植林について非常に知見の深い、80代の世界を駆け巡ってあちこちで植林をしてきた方のご指導を受けながら「世田谷いのちの森」をつくろうという呼びかけで募集したところ、親子連れで区民750人に来ていただきました。2年経って、少し木も成長してきて、10年も経つと相当伸びてきて、15年目くらいから森らしくなると聞いております。この1400本の木を、750人が植えた「いのちの森」ゾーンがひとつの特徴でありまして、そのほかにも子どもたちの広場などがたくさんできますので、ご紹介いただけたらと思います。

 発表は、今お話しさせていただいた2点なんですが、最後にご案内です。

 ご案内の最初は「せたがやの家は子育て世帯を応援します!」についてです。「せたがやの家」は、区の外郭団体である「一般財団法人世田谷トラストまちづくり」が民間の住宅を1棟まるごと借り受けているもので、ファミリー世帯や高齢者などに一般の民間家賃より安くお貸ししている住宅が区内にございます。特定優良賃貸住宅という制度なのですが、たとえば農地をお持ちの農家の方が敷地に1棟つくっているなど、緑豊かな場所にあります。反面、駅から遠いというところも実際上あります。20年間、世田谷区の方で借り受けるというスキームになっています。現在のところ世田谷区も空き家解消に努めていますが、この「せたがやの家」にも空いている部屋がございます。そこで、空いている部屋に関して18歳未満のお子さんがいる家庭について、一定の目安として3人世帯で手取り年額約462万円以下の所得制限がございます。現在、世田谷区内に住んでいる子育て家庭について、4万円値引きするということになっております。広さ、家賃によって違いますが、例えば3DK60平方メートルで12万円が8万円までに、3LDKで9万円台までになります。ただ、期間が最長5年です。物件によってはもう少し短いものもあり、20年という期限できれてしまいます。期間限定ということが使いにくい、と判断される方もいらっしゃるかもしれませんが、限られた期間であってもぜひ使っていこうという方がたぶんみえるだろうということで、4月1日の区のおしらせで呼びかけ、こちらの記者会見でもご案内をさせていただきます。

平成26年度予算を「子ども・子育て応援都市せたがや」と位置付けておりますので、これは外郭団体の運営する事業でしたけれども、PR不足の面もありましたのでご案内をさせていただきました。

 次に「GAYAGAYA≧50s」という高齢者向けの雑誌が創刊20周年ということで、庄野真代さんによるミニコンサート、林家木久扇さんの落語という催しがございます。2人とも世田谷にお住まいで、熱心に様々な文化活動などをされています。庄野真代さんは、被災地支援のNPO会議などにも参加をしていただきました。生涯現役ということで50代から70代までの区民ボランティアの皆さんが企画を考え、取材、執筆をしている雑誌です。この20周年記念なので、高齢者の方たちを中心に賑やかに、生涯現役でやっていこうということで、お知らせをしておきたいと思います。

 最後ですが、「知ろう 学ぼう 環境と健康」の開催についてです。これはずばり「PM2.5」について、まだまだ我々は知識を持っていない。そして先月、世田谷区役所のこの上で計測されたPM2.5の数字が、都内で一番高い時間帯がありました。昨年、PM2.5について環境省などを通して第一人者の方にお話しに来ていただけないかと、環境の所管部の方で交渉をいたしました。今回お話しいただく独立行政法人国立環境研究所の大原先生は、中国に何度も行きながら研究をされている、日本でかなりエキスパートの方です。中国の環境事情とPM2.5で、まず何がこの地域で起きているのか、中国大陸、朝鮮半島、日本列島と続いておりますので、特に九州方面では、また関東地方とは違った影響が、よりダイレクトに出ているとも聞いております。こちらの方もPM2.5に関して都内で行政が開く勉強会として、一般参加を求めている点では初めてのことになろうかと思います。ぜひこういう取り組みがあるということもお知らせいただければと思います。

 以上、私の方からの発表は終わります。

「領域連携課長とはマッチング担当課長 (世田谷区長定例記者会見 2014年3月28日)



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