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かんぽの宿の真相究明は「共闘」した鳩山大臣だったが、地デジのイメージキャラクターだった草なぎ剛さんの騒動に吐いたセリフは「人間として深みに欠ける」と感じて、一文を綴ろうかと思ってネットを開いてみたらすでに「撤回」していた。「事実であれば、めちゃくちゃな怒りを感じている。なんでそんな者をイメージキャラクターに選んだのか。恥ずかしいし、最低の人間だ。絶対許さない」と鳩山総務大臣が力んだ映像がニュース番組で流れてきた時に強い違和感を感じた。そもそも、地デジ強要自体がいかがわしい政策なのである。総務省の天下りがバンバン関連団体に「再就職」している事実を週刊ポストが伝えていたが、国民の相当数が試聴しているアナログテレビからは2011年7月で「映像・音声」ともに消失するただの箱になるという話だ。環境リサイクルにうるさいはずの鳩山大臣が、大量のアナログテレビの廃棄物を生むこの強制切り換えの政策の責任者として「草なぎ逮捕」に焦ったのはわかるが、「人間」を抹殺するようなものの言い方は「人権擁護」をかって所掌していた元法務大臣としての資質の欠如を改めて思い出される発言だった。

ファンからの猛反撃に鳩山総務相が発言撤回

スポーツニッポン

 公然わいせつの疑いで逮捕された草なぎ剛(34)に対して、23日に「最低の人間」などと非難した鳩山邦夫総務相が24日、「言い過ぎた」と発言を撤回した。

 地上デジタル放送推進のCMキャラクターに起用した草なぎの不祥事に「最低の人間としか思えない」「めちゃくちゃな怒りを感じる」「絶対許さない」と厳しく語ったが、1日でトーンダウン。1夜明けた24日の閣議後の記者会見で「“最低の人間”と言ったのは、言い過ぎだった。率直に反省する。人間は人間を評価できない」などと語った。

 鳩山氏の「最低の人間」などの発言はニュースで繰り返し放送されており、事務所に「言い過ぎだ」「草なぎの何を知っているのか」など抗議電話やファクスが殺到。中には「ブタ」「デブ」など鳩山氏の容姿を中傷するものもあったという。

 国民的アイドルの熱狂的支持者からの“猛反撃”に、鳩山氏も白旗。「地デジ推進の役割としての期待が大きかっただけに失望も巨大だった。彼も反省して出直してほしい」などと弁明した。ただ草なぎのCM降板については「やむを得ない。選び直す」と述べた。

草なぎ剛(くさなぎ・つよし)

(引用終了)

総務省の長である鳩山大臣は、地デジ放送転換のイメージキャラクターとして草なぎさんに期待をしていた。その期待が大きかったから、失望も大きくて少々言いすぎたというが、「覆水盆に返らず」である。テレビカメラの前で、まるで江戸時代の代官様のように「人間として最低」「絶対に許さん」と繰り返したのだ。草なぎさんのニュースを見て、居酒屋や立ち話で酔っぱらって放言しているオジサンとは訳が違うのだ。公職にある行政のトップが、芸能人とはいえ特定個人を指さして、「人間として最低」「絶対に許さん」と烙印を押したことは、「政治家として最低」「絶対に許されない」のではないか。ましてや、元法務大臣として死刑執行を連続して行い、死刑囚の生殺与奪を手中にしてきた政治家の発言だ。

たしかに彼は駆けつけた警察官に公然わいせつの疑いで逮捕された。しかし、犯罪が成立したかどうかを見極める前の「容疑者」であることを忘れてはならない。元法務大臣が、社会的なバッシングを受けている最中の「民間人」を断罪し、この社会から永久追放してしまうが如き勢いで「最低人間」という烙印を押すのは、明らかに過剰制裁であり、お門違いだと思う。法の支配の下にある社会とは、法に触れた犯罪を行った人の罪をとがめるだけではなくて、「再起」に導く矯正システムを持っているはずだ。そして、小石を蹴ったからと言って重罪に問われるような過剰制裁を禁止する「罪」に応じて「罰」をかす構造を持っている。

鳩山大臣が反省をするなら、自らの過剰な物言いによって傷つけられた被害者に対して、何が出来るのかを冷静に考えてほしい。裁判員制度の実施が迫る中、過激なバッシングの中心に政治家が躍り出ることの危険性を示した出来事ではなかっただろうか。

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