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鳩山総理の周辺は、普天間基地問題でアメリカの言うままの閣議決定をして「福島大臣罷免」で求心力を回復させることを狙っていた。ところが、社民党の連立政権離脱で求心力は回復どころか、分解するダッチロール状態となった。明日は、鳩山総理の最後の一日となる可能性も出てきた。民主党の参議院候補からは耐えがたいと辞任を求める声が公然とあがっている。

 細川連立政権は国民の期待が高かったが、短命に終わった。鳩山政権も政権交代後の8カ月を経て、正念場に立たされている。自民党が、1年おきに総理の顔を代えてきたことが強い批判を呼んだ。だから鳩山総理も、長期的なビジョンをもって安定的な政権運営を心がけたはずだ。しかし、政治の場で重要なのは「言葉」、しかも総理の「言葉」というのは最高度に重い。繰り返すまでもないが、沖縄の普天間基地問題では、総理の発言は二転三転した。そのあげく、参議院選挙直前に「社民斬り」「福島罷免」で起死回生をはかるという賭けに出た。

 そこで強行したのは、鳩山総理自身が強く批判してきた「自民党時代の日米合意案」だというのだから、首尾一貫しないことこの上ない。本来なら、この「鳩山決断」を称賛する声が起きてもいいはずだが、右からも左からも批判の声の方が大きい。鳩山総理が自ら「5月末」と呪縛して突破をはかったのは、沖縄県民の声を完全に無視して、アメリカとのみ合意するという「自民党以下」の手法でつくられて日米合意だった。政治の場で、「その時」は二度とやってこない。判断を誤ったのなら辞任をする以外に選択肢はない。

 歴代内閣の「政権末期」を国会で見てきた者の立場から言うと、今日の鳩山総理には、その条件がすべて整ったと言っていい。総理の言動により、国民の信頼を失ったこと。政権を支えてきた勢力が離反し、また非協力の姿勢を強めること。周辺の反対や攻撃をはね返すことの出来る確固たる信念や戦略がないこと。あとは時間の問題で、明日には「総理辞任」の流れが大きな奔流になる可能性がある。

 国会の外から永田町の状況を見ると、どうしても第三者的な書き方になる。私は「政権交代、建て直し」のスローガンでこの間は街頭演説をしてきた。しかし、今日の午後ぐらいからこの言葉が明日、明後日とどういう意味を持つのかに自信が持てなくなった。そのぐらい街の空気も急変している。昨年夏、「政権交代の扉」が開いたことは大切にしたい。民主党、国民新党と共に作業した政策や、途上のものもある。本来は、普天間基地問題はそう難しい問題ではない。アメリカとの交渉をする胆力があるかどうかの問題で、鳩山内閣にはその力はなかったので、100%追随するしかなかったのだろう。

 社民党の力がもう少し強かったらと悔しくもある。私たちが真剣に議論や調査をしていることを、せせら笑う外務・防衛の官僚たちは、最初から「100%辺野古で決着」と信じているのだから、協議がうまくいくわけがない。明日は、鳩山総理の決断を見守りつつ、沖縄・辺野古の基地建設を止めて、在沖米軍基地の縮小のためにプランを練りたいと思う。


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