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 1昨年から大きな話題を呼んだワーキングプアのシリーズの『ワーキングプアⅢ 解決への道』が昨年放送された。記録していたビデオを昨日、じっくり見ることが出来た。1年半前に「雑誌拾い」をしていた路上青年は、東京都三鷹市の街路清掃の仕事に就いて、日給7千円×10日の収入を得るようになっていたが、まだ路上生活は続けている。画面には出てこない多くのことがあったに違いない。ひときわ寒い冬となっている今年、今も路上にいるのだろうか。番組では、イギリスの雇用政策やアメリカのワーキング・プアの実態、そして、英国の非正規雇用などを多角的に描いていた。再放送が予定されているようなので、見逃した方は是非チェックしてほしい。(1月6日午前10時BS2で)

 さて、この2年間、私は個人加盟の労働組合や、「反貧困」を掲げるグループの集会などで必ず「雇用保険改革」について言及してきた。「雇用のセーフティーネット」であるはずの雇用保険が機能せずに、失業=無収入状態になってしまうのが半ば「常識」化しているが、たった3ヶ月て雇用保険の受給額がゼロになる国は「社会保障」を整備しているヨーロッパ各国では、ありえないことだ。失業保険の受給期間はもっと長く、その受給期間が切れてしまうと税財源から生活手当が支給される。番組で紹介されていた5万社以上となるイギリスの「職業訓練」企業も、雇用保険制度と連結してつくられているものだろう。

 98年の金融危機・雇用危機以後、国会は何度も「雇用対策緊急予算」を組んで補正予算などで手当てをしてきた。ところが、単純素朴に驚いてしまうのは、これらの緊急予算は雇用保険支払いの積立金には充当されなかった。40を超える各種の企業向け労働者向けの「支援金」「補助金」会計が組まれ、これらがほとんど消化されずに年度が過ぎてしまうと、廃止・統合が続いて「労働保険特別会計」に滑り落ちる仕組みとなっていた。この「労働保険特別会計」から、悪名高い「スパウザ小田原」や「私の仕事館」が建設されていたのは有名な話だ。

 炭鉱離職者の都市生活支援のために建設された雇用促進住宅には、一兆円以上が費やされたが、3年前に『官の錬金術』(WAVE出版)を制作するために調べたら、ハローワークの所長や自治体の村長などが住んでいた。「空き屋が多いから」とのことだが、ハローワークに行ってみると、「失業中の人は手続き出来ません。会社単位で入居してもらっていますから」とのことだった。



 雇用保険を原資として形成された労働保険特別会計は「霞が関の埋蔵金」のひとつに数えられている。本来は、ワーキング・プアを中心とした雇用対策に生かされるべき予算であり、労働組合運動が総力をあげて取り組んでいい課題であると思う。私が言い出しっぺになって、「雇用保険取り戻し本部」でもつくって運動のテーマとして、国会でしっかり要求していこうと思っている。今年の信念の抱負のひとつだ。




 


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