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東京都青少年条例、「非実在青少年」の言い替えの修正とは?
教育・こども
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2010年06月13日
3月の東京都議会第1回定例会で継続審議となった都青少年条例の改正案の審議が6月1日開会の第2回定例会ではじまっている。6月11日には、総務委員会で条例改正反対を訴えた5本の請願・陳情の審査があり、青少年・治安対策本部の参事に対して改正案について質疑を行ったそうだ。審議を傍聴した方によると、民主党、共産党、生活者ネットの委員は反対の立場を明確にし、自民党、公明党の委員は条文上の字句に多少の問題があったとしつつも、成立を訴えたとのことだ。自公はこの日、都議会の議案課に修正案を提出し、14日の委員会では都が提出した改正案とともにこの修正案の審議が行われ、その日のうちに採決に付されるようだ。
修正案は14日まで公開されないとのことだが、関係者によると、東京都の改正案に対して、自公は次のような修正が施そうとしているという。
改正案・(図書類等の販売等及び興行の自主規制)第7条2「年齢又は服装、所持品、学年、背景、その他の人の年齢を想起される事項の表示又は音声による描写から十八歳未満として表現されていると認識されるもの(以下「非実在青少年」という。)を相手方とする又は非実在青少年による性交又は性交類似行為に係る非実在青少年の姿態を視覚により認識できる方法でみだらに性的対象として肯定的に描写することにより、青少年の性に関する判断能力の形成を阻害し、青少年の健全な育成を阻害する恐れがあるもの」
自公の修正案では、規制対象を「漫画、アニメーションその他の創作された画像(実写によるものを除く。)」と明記し、「非実在青少年」を「描写された青少年」に、「性的対象」を「性欲の対象」、「肯定的に描写」を「不当に賛美し又は誇張するように描写」に置き換えるそうだ。
改正案・(不健全な図書類等の指定)第8条2「販売され、若しくは頒布され、又は閲覧若しくは観覧に供されている図書類又は映画等で、その内容が、第七条第二号に該当するもののうち、強姦等著しく社会規範に反する行為を肯定的に描写したもので、青少年の性に関する健全な判断能力の形成を著しく阻害するものとして、東京都規則で定める基準に該当し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認められるもの」
修正案では、やはり「肯定的に描写」を「不当に賛美し又は誇張するように描写」に変更するという。
改正案(児童ポルノの根絶及び青少年性的視覚描写物のまん延抑止に向けた都の責務)第18条の6の2「2 都は、青少年性的視覚描写物(第七条各号に該当する図書類又は映画等のうち当該図書類又は映画等において青少年が性的対象として扱われているもの及び第十八条の六の五第一項の図書類又は映画等をいう。以下同じ。)をまん延させることにより青少年をみだりに性的対象として扱う風潮を助長すべきでないことについて事業者及び都民の理解を深めるための気運の醸成に努めるとともに、事業者及び都民と連携し、青少年性的視覚描写物を青少年が容易に閲覧又は観覧することのないように、そのまん延を抑止するための環境の整備に努める責務を有する。」
修正案では、(児童ポルノの根絶及び青少年性的視覚描写物のまん延抑止に向けた都の責務)を(児童ポルノの根絶及び青少年をみだりに性欲の対象として扱う図書類又は映画等の青少年による閲覧等の抑止に向けた都の責務)に変更し、本文は「都は、青少年をみだりに性欲の対象として扱う風潮を助長すべきでないことについて事業者及び都民の理解を深めるための気運の醸成に努めるとともに(後略)」といった条文に変えるとのことだ。児童ポルノにかかわる条項については、附則で「施行後三年を目処に」「検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる」ともしているという。都の改正案よりも踏み出した内容だ。自公が提出した児童ポルノ禁止法の改正案にも3年後を目処に創作物規制を目論む条文があったが、うり二つの内容ともいえる。
一部の字句をいじって、マイルドな内容に見せかけようと腐心しているかのようではある。しかし、改正案の問題点は何ら変わるところはない。
民主党は廃案を求めているので、14日の総務委員会では生活者ネット、共産党とともに、改正案、修正案を否決するはずだ。16日の本会議では、総務委員ではない自治市民'93の福士敬子都議も反対に回ることになる。だが、まだまだ安心はできない。弁護士の山口貴士さんや明治大学准教授の藤本由香里さん呼びかけの
「東京都青少年の健全な育成に関する条例改正案に反対する請願署名」
も継続するという。
なお、5月25日、日本出版労働組合連合会(出版労連)が
「東京都青少年条例の改悪に反対5/25集会 『表現の自由』への規制を許すな! ―東京都青少年条例の改悪に反対」
という集まりを持った。この間、青少年条例や児童ポルノ禁止法の強化に反対して行動をともにしてきた藤本さんや田島泰彦さん(上智大学教授)がパネラーだった。条例強化に反対している民主党や共産党の都議も参加して、決意表明したそうだ。
あいにく都合が悪く参加できなかったが、私もメッセージを送ったので、下記に貼り付けておく。日ごろから付き合いのある生活者ネットの西崎光子都議と自治市民の福士敬子都議もメッセージを寄せていたそうだ。東京都議会の動向も注目していきたい。
保坂展人(前衆議院議員、社民党NPO・市民活動委員会委員長)
私は国会議員時代、子どもの人権擁護のために、児童買春・児童ポルノ禁止法の制定や児童虐待防止法の制定に取り組んできました。児童ポルノ禁止法は、最貧国の子どもが売買され、苛酷な性的搾取を強要されているだけでなく、逃げることの出来ない監視の中で経済的にも搾取されているという事実があり、また子どもを性的凌辱の対象としたポルノが出回ることで、長期にわたって子どもの人権が蹂躙されることを放置してはならないというのが、1999年当時の立法目的でした。
ところが、ここにきて、児童ポルノ禁止法に、妄想や空想、想像を表現した創作物を規制対象とする動きが浮上してきました。これは、憲法21条の「検閲は、これをしてはならない」に抵触する問題です。東京都青少年条例も、「非実在青少年」を描いた創作物まで販売規制の範囲を拡大し、また児童ポルノ禁止法強化の先取り的な条文まで加えようとしています。
現行の東京都条例でさえ、「芸術」や「文化」の素養も「表現の自由」への配慮もない乾いた訓示規定が目につきますが、今回の条例改正は、さらに、一種の「精神運動」を呼びかける内容になっていることにも大きな危惧を覚えます。
「青少年」であることで、非行防止と保護の対象とし、自分では決められないので国家(行政)が生き方を決めてやる、「善悪の判断」が出来ないので、かわりに法律(条例)で決めてやる、という「おせっかい」は、黙っていると無限に膨張していきます。反対のしにくいところで検閲国家に向かおうとしている兆しではないでしょうか。
みなさんとともに、東京都青少年条例のような、「表現規制」をものともしない法や条例の暴走を止めていきたいと考えています。
〔以上、メッセージ〕
そして、今晩は関西地区で初めてこの問題を語る会が開かれる。
「保坂のぶとと語る青少年健全育成条例と表現規制の今」
18時30分より 大阪中央公会堂大会議室
詳しくは→
コンテンツ文化研究会
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