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 昨日は衆議院予算委員会で怒りを爆発させた。大分キヤノンでの請負労働者・派遣労働者の1100人の削減が明らかになる一方で、期間工を募集していたという問題を中心に取り上げた。言うまでもなくキヤノンの会長は御手洗冨士夫氏は日本経団連会長であり、財界トップをつとめている。財界総理とも呼ばれ、日本の企業を代表し、自ら率先して範をたれるべき立場である。しかも、キヤノンは2兆9千億円という莫大な剰余金を持ち、借金はわずか200億円台で事実上の無借金経営。きわめて健全な経営状態にあり、世界的な不況突入で生産調整を余儀なくされている製造業各社の手本となるような雇用対応をする社会的責務があるはずだ。しかも、12月1日に麻生総理は、経団連会長としての御手洗氏に「雇用の確保」を要請しておきながら、「率先して雇用削減・生首飛ばし」という回答を得たことになる。

 大分労働局は10月段階で、大分キヤノンで1000人規模の人員削減をするという情報を得ていて、直接雇用に転換するように指導してきたという。ところが、デジカメの組み立て作業にも熟練した請負労働者・派遣労働者を切り捨てる一方で、ハローワークなどで新規に「期間工」を募集していることを告知せず、また優先的に採用しようともしなかった。
「おまえらは首だ。12月10日で寮も出ていけ」と宣告されながら、一方では「期間工から正社員をめざしましせんか」と求人募集をかける。「人員削減だけでなくて直接雇用もしていますよ」というアリバイづくりの底意地の悪いやり方で、こんなやり方が「お手本」になったらトンデモないことになる。

 12月6日の東京新聞の「派遣切り・生首飛ばし……時代遅れの経営者たち」という記事の中で、キヤノン本社広報担当者は「生産調整で請負契約を絞っている。何人の削減かは請負会社の話で私たちが口をはさむべきではない。それでも、直接雇用の門戸を開けておくという判断で限定的に期間従業員の募集をしている」とコメントしている。キヤノンは、
2年前に「偽装請負」が発覚して社会的批判を集中して浴びた。それ以後は、「偽装」と断罪されないように「請負契約」を下請け会社と結ぶスタイルを徹底させた。だから、「首切りはしていない。生産調整をしただけだ。人員削減をしたのは下請け会社の判断で預かり知らないことだ」という論理で「雇用確保」という企業の社会的責務を完全に放棄している。

 私の事務所では地元及び国会でキヤノンのコピー機を利用している。2年前の偽装請負の問題の時に「不買運動」の呼びかけもあったが、いつも丁寧に応対してくれる営業マンや
機械の点検をしてくれる人たちの顔を思い浮かべて、かれらとの人間関係を優先して使用し続けている。また、キヤノンは故障が少なくて、優秀な機械だと評価してきたからでもある。昔から「企業は人」ではなかったのか。派遣であり、請負であっても、黙々と勤勉に働き続けてきた人々の汗の結晶が商品となって収益を確保してきたのではないか。

 12月10日という解雇予定日まであと数日、キヤノンが日本を代表する企業として、今回の事態を重く受け止め、方針転換をすることを期待している。この年の瀬に、生首を切り、住居を追い払うという仕打ちは「下請け会社のやることを当社は関知しない」という言い分を誰が信じるのか。雇用と住居の確保を優先するために有効な手立てを考えるのが、企業の責任だろう。こうした社会的倫理的な責任を回避し、人員削減による目先の利益を追い求めて失う「社会的信頼」「ブランドイメージ」の低下・劣化は長期的には大きな不利益をもたらすもので、失地回復は難しくなる。それでも、労働者を虫ケラ扱いして非人道的な「生首飛ばし」を率先してやるのなら、御手洗氏は日本経団連会長を即刻辞任するべきだろう。








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