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昨日(10月21日)の議院運営委員会では、日銀副総裁の他に会計検査院検査員候補の山浦久司さんの所信を受けての意見聴取があった。会計学の専門家で唯一の民間出身の検査官として会計検査院はきちんと機能を果たすことが出来るのかどうか。
「税金の無駄遣い」の見張り番は内閣から独立した権能を持つ会計検査院が負うのだが、その実務・調査能力に対しては必ずしも高い評価が与えられてこなかった。
私が取り上げた「裁判員制度広報のズサンな経理」(最高裁判所)の問題では、会計検査院自らが「調査すべき」との見解を固めて、昨年12月に是正勧告を最高裁判所に対して行った。また、今年の阪神道路事務所の視察で明らかになったのは、特別会計の枠の中で道路特定財源がいったい何に使われているのかの内容のチェックはまるで出来ていないという現実だった。昨日は、この点を山浦氏に質した。



○保坂委員社民党の保坂展人です。

私からは、二点ございます。一点目は、私、昨年春、最高裁判所の裁判員制度広報のあり方について、予算委員会、法務委員会等で随分追及いたしました。この過程で、当時の金子予算委員長に、検査院に国会法に基づく検査をしてほしいと議決をしてほしいという要望もしていましたけれども、議決はされませんでした。

ところが、十二月になって検査院が、この問題について不適切な契約が三十七件、総額二十五億二千四百万円に上ったと。つまり、会計法違反のさかのぼり契約であるとか無契約状態で事業が進行していた、是正をするように求めたということです。

質問はここからなんですが、そういうふうにやってくれたのはよかったと思いますけれども、検査院が動くに当たって国会の議事録等を参考にすることがあるのか。
国会議員の調査で始めた最高裁経理のあり方について、調査を始めますよと告知してくれてもよかったのかなと思うんですが、もし告知をしていただければ、こんな資料がありますよといって、検査院はそんなに入手できないような資料をお渡しして参考にしていただくこともできたんですが、そういうものをいただくとかえって迷惑だというようなことがあるのか。

また、十二月にそういった是正勧告、最高裁に対して検査院がしたのは初めてだと思いますが、そういうことになりましたという報告くらいはあってもいいんじゃないかというようなことをお尋ねしたいと思います。

二点目は道路なんですが、阪神国道事務所という一国道事務所について、私は何回かヒアリングをして、現地にも行って、入りました。

そこから、例えば、わずかな土地、山合いの土地に二億円近くかけて、結局、女性の声を聞きながらドングリを植えるという結論になったという問題であるとか、あるいは、過去、阪神国道事務所でつくっていた映画、これを五、六本、ダビング、デジタル化するのに数百万円とか、こちらの我々映像関係の仕事から見れば途方もない金額なんですが。阪神国道事務所五十年誌というのをつくろうとしていたけれども、国会の議論で、つくるのをやめて、わずかコクヨの厚いファイル一冊、八百三十万円。それから、オオタカとダルマガエルの調査、一億八千万円という中身は、オオタカの巣を撤去してにせの巣をつくるという、これで本当に自然保護なのかなと思えるものだったり、カエルにチップを入れて放したりとかというようなものでした。

これは何だというものがたくさん出てきたんですが、その道路事務所に行って、検査院、やはりやってもらった方がいいねと言ったら、昨年来ましたということだったんですね。そこで見せてもらったんですが、二十数分冊、あらゆる領収書が時系列で、タクシー代から給料からコピー代から輸送費、すべてこれが時系列に並んでいる、二メートル近いものがありました。これを見ても全く何もわからないだろうと。

要するに、国道事務所として事業別にどんな契約をしているのかという一覧表くらいは見て精査するという仕組みにならないのかということ、二点でございます。


○山浦参考人 まず一つ、国会の審議内容を検査に反映しないのかという御指摘でございます。これにつきましては、我々は非常に厳密に、かつ真摯に受けとめて反映しているつもりでございます。やはり、これまでも国会で審議された内容を我々の検査結果に反映していることが多々あります。それからまた、最近では国会からの検査要請、これについても、我々は受け取りまして、そしてそれを検査に反映しておりますし、今も実際に進行中でございます。

そういった意味で、国会はむしろ我々にとっては情報源でもありますし、それから、検査に入るときの一つのきっかけを与えていただくものと思っておりまして、非常に感謝しております。

その上で、検査に入ることを告示するのか、あるいはそれについて何かの通知を、例えば国会で審議されるに当たって御発言なされた先生方に相談したり、そういったことをするのかと申しますと、それはなかなかできない。というのは、やはり検査というのはある意味では、隠密裏と言うと変ですけれども、それなりの秘密性を要します。

事前にこれが漏れますと、不当な圧力等もかかってきたりすることがありますので、これらについては我々は非常に慎重に検査を進めていくというのが実態でございます。

続きまして、特別会計等、昨年から問題になっております道路会計、これらについてでありますけれども、昨年かことしですか、国会で御指摘あった委託費で、その結果としての、例えば調査研究物とかそういったもの、実は、これまで検査院としては、予算の範囲で執行されたものについて中身を評価するというのがなかなかしにくかったのでございます。

これは、国会の審議を得まして、そして、やはり検査院として、委託事業について、その成果物が委託費に相当するものかどうかということは常識的な範囲であればわかるだろう、それらについては検査院としても遠慮なく切り込んでいくべきだ、こういうことを検査官会議で指示しておりまして、それはことしの検査報告等でも出てくるのではないかと思います。

そういった意味でも、決して国会の審議をないがしろにしているとかいうのは全くありませんで、逆でありまして、我々としては感謝しているところであります

(10月21日衆議院議院運営委員会=仮記録・責任→保坂展人事務所)




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