hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

有川浩『県庁おもてなし課』を読む

2012年10月30日 | 読書2

有川浩著『県庁おもてなし課』2011年3月角川書店発行、を読んだ。

「とある県庁に突如生まれた新部署“おもてなし課”。
観光立県を目指すべく、若手職員の掛水史貴は、振興企画の一環として、地元出身の人気作家・吉門喬介に観光特使就任を打診するが…。
「バカか、あんたらは」吉門にいきなり浴びせかけられる言葉に、掛水は凍りつく――
いったい何がダメなんだ!? 」・・・
「“お役所仕事”と“民間感覚”の狭間で揺れ動く、掛水とおもてなし課の地方活性化にかける苦しくも輝かしい日々が始まった。」


などとある「本書の公式サイト」をご覧ください。
なお、本書の印税は、すべて東北地方太平洋沖地震の被災地に寄付するそうです。


巻末に「物語が地方を元気にする・・・」と題する座談会記録が載っている。高知県庁おもてなし課の2名の職員、有川浩などとの対談だ。小説に出てくる観光特使への対応などのもたつきは事実そのものだったらしい。2年間で改善され、小説通りになった斬新なパンフレットの写真もある。



私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

著者は「大人向けライトノベル作家」と自称しているそうだが、まさにそのとおりだと思う。この本は、先の展開が予想通りで、安心して軽く楽しくスイスイと読める本だ(1/3だけバカにした言い方)。

前半に多く出てくる「お役所仕事」を「民間感覚」から叱りつける部分は、遅いだの、悪平等だのどこにでもころがっている話ばかりで、しつこい。
二組の恋愛も、古めかしくて微笑ましいが、じれったい。また、会話と会話の間に、いちいちその心を解説するあいの手が入り、普通に読み取れることを、ダメ押しされている感じがする。



本書は、高知新聞などの地方紙に掲載されたものを改稿した。



有川浩(ありかわ・ひろ)の略歴と既読本リスト






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