hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

山崎ナオコーラ『男友達を作ろう』を読む

2011年08月28日 | 読書2
山崎ナオコーラ著『男友達を作ろう』2011年6月筑摩書房発行、を読んだ。

山崎ナオコーラさんと14人の男性との対談集。しかし、対談相手はそれほど世に知られている人ではなくで、普通のお店の店主なども含まれる。そして、その対談内容も、話に詰まった山崎さんのとまどい、相手の様子などスケッチ風。

裏表紙にはこうある。
男の人と友情を築きたいというのは、けして恋愛からの逃避ではないと思う。せっかくこの大きな世界の、長い時間の中で、人と出会えるのに、恋愛のことしか考えないなんて、つまらなさ過ぎる。――本書より


対談者は以下で、私には縁のない翔んだアーティストや、市井の人で、私が知っていたのは中原昌也さんのみ。
会田誠さん(現代美術家)
高瀬正克さん(「支那そばや」店主)
のりたけさん(イラストレーター)
岡田利規さん(演劇ユニット「チェルフィッチュ」主宰)
石川直樹さん(写真家)
スズキタカユキさん(ファッションデザイナー)
長嶋康郎さん(古道具屋「ニコニコ堂」店主)
後藤淳平さん・福徳秀介さん(お笑いコンビ「ジャルジャル」)
石島裕之さん(編集者)
小川てつオさん(アーティスト)
前田司郎さん(劇団「五反田団」主宰)
遠藤寛之さん(大学生)
中原昌也さん(音楽家)
後藤正文さん(「ASIAN KUNG-FU GENERATION」)


本書は「webちくま」での連載「男友達を作ろう」2008年12月~2011年3月に加筆訂正を加えたものだ。

ナオコーラという名前に似ず山崎さんは真面目一途だ。プロローグにこう書く。
小説について考えることをライフワークにしたい、と考えているのだが今はまだ、山の裾野にいる。・・・エッセイに関しては、プロの仕事ができないような気がする。あくまで、「小説家の書くエッセイ」になるということだ。




私の評価としては、★★(二つ星:読めば)(最大は五つ星)

対談集の楽しみの一つは、相手がどんな人か知りたいし、意外な発見があるということだ。対談の相手が、私の全く知らない人で、30歳の山崎さんと同世代に人が多いということもあるのだろう、話の内容に興味が持てない。
話に詰まったとき、「好きな色は何ですか?」など乙女チックな質問をぶつけられても、大人の男性は困るのだ。本名直子でコーラが好きだからナオコーラとか、デビュー作の名が『人のセックスを笑うな』と翔んでいるくせに、自信なげで、ドキドキしながら子供のような質問をぶつける山崎さんの実像には興味あるのだが。



山崎ナオコーラ
1978年9月15日福岡県北九州市生まれ、埼玉県育ち、東京都在住。本名山崎直子。
國學院大學文学部日本文学科卒業後、会社員。
2004年「人のセックスを笑うな」で文藝賞を受賞、芥川賞候補。
2006年『浮世でランチ』で野間文芸新人賞候補
2008年「『カツラ美容室別室』」で芥川賞候補、『論理と感性は相反しない』で野間文芸新人賞候補
2009年「手」で芥川賞候補、『男と点と線』で野間文芸新人賞候補
2010年『この世は二人組ではできあがらない』で三島由紀夫賞候補
いずれも候補で「無冠の帝王」とも呼ばれる。






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする