湯めぐり四方山話 & 和の音

湯めぐりは 人・風物との出会い

「草枕温泉 てんすい」(小天(おあま)温泉)  熊本県

2014-03-22 | 熊本の温泉
「てんすい」露天風呂からの景色

「草枕温泉てんすい」住所・・熊本県玉名市天水町小天(おあま)511-1

「小天(おあま)温泉」は夏目漱石の小説「草枕」の舞台になった地。
漱石は、若いとき五高(今の熊大)の先生をしていた。

旧小天(おあま)村・湯ノ浦地区には 古くから温泉が湧き、
熊本市街からは、最も近い温泉地だった。
数軒の宿があり「前田家別邸」もその一つ。
漱石や、旧制五高の先生たちは、好んで利用していたという。

今、「てんすい」露天風呂から眼下に広がる農地

この広い農地は、夏目漱石の時代には、一切ないもの。
当時は、ここも有明海だった。
近年になって「埋め立てられた農地」なのだ。

漱石が熊本から小天温泉までの通った頃 小天までは山道しかなく
険しい山道を 長い時間てくてくと歩いて、やっと着いたという。
途中に峠があり、そこから「有明海やはるか島原半島がくっきり」と見えたという。

今回 私が入った「草枕てんすい」は新しい施設なので
その昔、漱石が入った「旧前田邸の風呂」ではない。
しかし、高台から「有明海から島原半島を見渡す展望」は同じである。
その昔、漱石も峠越えのとき きっと見たに違いない景色だ。
(残念ながら今は中国大陸からのPM2,5の影響で 視界が かなり悪い・・・・)




険しい山道を歩きながら 漱石が想ったことが
・・・・「草枕」の書き出し部分・・・・・


 智(ち)に働けば角(かど)が立つ。
 
 情(じょう)に棹(さお)させば流される。
 
 意地を通せば窮屈(きゅうくつ)だ。
 
 兎角(とかく)に人の世は住みにくい。

 
 住みにくさが高(こう)じると、安い所へ引き越したくなる。
 
 どこへ越しても住みにくいと悟(さと)った時、詩が生れて、画(え)が出来る。

 
 人の世を作ったものは神でもなければ鬼(おに)でもない。
 
 やはり向う三軒両隣(さんげん りょうどなり)に ちらちらする唯(ただ)の人である。
 
 唯の人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。
 
 あれば人でなしの国へ行く許(ばか)りだ。
 
 人でなしの国は人の世よりも猶(なお)住みにくかろう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「てんすい」の
★泉質は・・弱アルカリ性単純泉

施設の外観(正面から玄関付近)

露天風呂の全景


帰り道 後ろを振り返ると・・山の上に「てんすい」の施設が小さく見える。

あれが、「てんすい?」
確かに、そうだ・・
あんなに高い場所に建っていたんだ!!



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4 コメント

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こんばんは (温泉GT)
2014-03-29 23:39:03
hitareriさん、こんばんは。

やっと春めいてきたと思っていたら、
今日などは暑いくらいでしたね。

小天温泉には、まだ行ったことがありませんが。
夏目漱石ゆかりの地として、以前、TVで紹介
されているのを見たことがあります。

「前田家別邸」の湯船なども映像で紹介されて
ました。雰囲気のある湯殿でしたが、確か、
もう湯は張られていないとのことだったようで、
残念に思ったのを覚えています。

ところで、「てんすい」露天風呂、いいですねー。
眼前に広がるパノラマを眺めながらの湯浴みは、
さぞかし、気持ちがいいでしょうね。
(PM2.5の影響は残念ですが)

写真から、露天の開放感が伝わってきます。
返信する
Unknown (hitareri)
2014-03-30 22:44:05
「小天温泉・・夏目漱石ゆかりの地として、以前、TVで紹介されているのを見た」の件・・・
我々もこのTV見ました。夫が録画していて小天温泉に行く前と九州から帰宅してから もう一度見ました。
GTさんもこのTV見ておられてのですね・・さすが温泉好きですね・・。
TVでは、小天温泉を上空から撮っている映像がなかなかよかったです。その時、特徴のある建物がありました。後で(「てんすい」に行ってから)あの建物が「草枕てんすい」だったとよくわかりました。
晴れて視界がいい季節なら、もっとよかったですが・・
残念ながら、漱石の時代とは違い、大気汚染で、視界がもう一つなのは・・時代の流れでしょうか・・

前田家別邸の話もよく覚えています。一度、行ってみたいです。見学はできるのかな??
返信する
Unknown (バカボンパパ)
2014-04-12 21:16:01
hitareriさん、ブログに訪問いただきありがとうございました。
温泉博士つながりでよろしくお付き合いくださいませ

「てんすい」露天風呂良いですね~♪
この眺望と広い露天風呂、訪問したくなりますね・・・メモメモです。

温泉博士5月号拝見しましたよ
「町高梨共同浴場」  やっと見つけた湯は地元の憩いの湯  地元の方々に愛されている共同浴場は私も大好きです。
温泉記事参考にさせていただきますね
返信する
こちらこそ よろしく (hitareri)
2014-04-17 22:33:35
バカボンパパさんの温泉ブログ楽しいです。
福島県の温泉情報が満載で、とても参考になります。

大塩温泉共同湯の「川沿いにある季節限定露天風呂」の
情報も詳しくありがとうございました。

また、行ってみたくなりました「大塩温泉」(只見川沿い)
返信する

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