日本の黒い霧。

　戦争に負けるっていうことは、こういうことになるのか。
敗戦後、他国に占領されるとは、どういうことなのか。
無力感と、虚しさに包まれてしまう、すごい本。
さすが、松本清張！！！
下山事件。下山国鉄総裁謀殺論。
日本の警察は、その時、どう対処せざるを得なかったか！！！！
もく星号、遭難事件。白鳥事件。帝銀事件。松川事件。
戦後、数々、起きた、不可解な事件。

下巻、巻末には、松本清張さん自身、書いている。
「なぜ、日本の霧を書いたか」

アースダイバー。

　漆作家、東日出夫さんから、紹介された本です。
東さんの、ブログの内容は、素晴らしく、群を抜いた内容ですし、東さんから
吉本隆明さんの本なども、紹介、解説いただいていました。

アースダイバー。
日本の、縄文時代には、まだ、列島の隆起が、未熟でした。
東京、関東の大半は、海中にありました。
そこで、その半島と、海の境に、幽界と人界を隔てる、神を祭り、
結界とし、隆起した後も、幽界に、墓地などを設けたなど、
現在からすると、想像を絶する　地域の成り立ちが整理されています。
渋谷も、新宿も、四谷も、、、、。
東京を、今一度、ゆっくりと歩きたくなる。
まさに、アースダイバーへのお誘い、ガイドブックです。

倉田明佳、井田幸昌。

　期待の新人作家さん。
倉田明佳さんは、東京芸術大学デザイン科を出たばかり、来年春には、ロスアンゼルスでの個展開催も決まり、
大きく羽ばたこうとしています。
井田幸昌さんは、すでにブレイク真っ只中、レオナルドデカプリオ主催のオークションで、弾みがつき、
イギリス中心に、欧米での評価がうなぎのぼり。
どのような成長を見せてくれるか、楽しみなお二人です。

関ヶ原の戦いって、、、、、、実際は？？

　天下分け目の大合戦。関ヶ原の戦い。
参戦していた主役たちは、何を考え、どう戦ったのか。
それぞれの武将のとった行動を、多面的に、立体的に、作者を違えて、探求してみようという興味深い試みです。
惜しくも亡くなった　葉室麟さんは、敗軍の将　石田三成を描き、
伊東潤さんは、徳川家康を描きます。
裏切り者と言われる、小早川も描かれて、
歴史における、真実とは何か、、、、、、、、。
後世の方々の、もっともらしい解釈が、歴史となって伝わっていくのか。
考えながら、楽しむのも　一興でしょう！！！！

あさの川。

　金沢に、お寿司の名店はキラ星のごとく、たくさんありますが、
ここ、あさの川さんんも素晴らしいです。
東茶屋の入り口、浅野川沿にあります。
一時休店していた、小松弥助、森田さんの教えを引き継ぎ、
守破離の、見事なおもてなしです。
3回目の訪問となりました。
スズキを梅肉で、お召し上がりくださいと、
この、九谷小鉢の味わい、最高でした。

人間晩年図鑑、１９９０ーーー１９９９年。

　最も尊敬する、作家、批評家、評論家のひとり、関川夏央さん。
１９９０年から、１０年間、一年に５人つづ、鬼籍に入った方々を描き、心に染み渡る。
１９９０年の、池波正太郎、グレダ　ガルボ、栃錦、から、芦田伸介、スタンリーキュブリック、江藤淳、、、まで。
お一人お一人への尊敬の念だけでなく、ご本人の、周囲を彩った関係深い方々、そのうえ当時の社会情勢に至るまで、
鋭く、詳細に切り込み、読み応え十二分。
一人一人に、熱く涙しながらも、
突きつけてくるものは、
そして、私たちは、いかなる、晩年を迎えるのだろうか？？？
という、厳しくも、痛い、問いかけでした。