故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

椅子を用意して待ってるよ

2024-03-23 03:08:50 | よもやま話

絵のタイトルは、「旅人さん気を付けてね」です。
花が足元を照らす提灯に見えました。


受けた恩 返す当てなし 皆にする 

今日のタイトルは、「椅子を用意して待ってるよ」です。
私は、一度だけそんなことを言われたことがあります。
大きな会社に転職したときのことです。
二度と帰ることはないと確信していました。
大きな会社に転職10年後、二年連続赤字でリストラが始まりました。
転職組は、リストラ候補の一番でした。

藁にもすがる気持ちで、前の会社に履歴書を送ったら再雇用されました。
本社の肝いりで、エンジニアリング部を創設する。
部長の椅子に座りました。
赤字の解消に奔走していたら、赤字部門の営業に回されました。
大きな会社で学んだことを実践し、開き直ってエンジニアリングの仕事を取り続けました。

今、故郷に帰っています。
再婚を機に、私は自分の家族からリストラされました。
お母さんは二人要らない。
子供たちの反応でした。
終の棲家を探すことになり、10年かけてU-ターンした次第です。
恩を返す相手は、もういません。

隠岐の島の市長が、「都会に行ってこい」と若者をどんどん送り出しました。
U-ターン組がどれほどいたことでしょう。
私は末っ子。
故郷に二度と戻ることはないと、島を出ていきました。
そんな私が、親父たちの世代がギブアップした耕作放棄地の草刈りをしています。
U-ターンし、親が残した土地で農業をする同世代の方たちと話すことがあります。
彼らの息子たちは、親(自分達)を手伝うことはないそうです。
自分たちが親にしたことを、今されているのです。
子供に強いことが言えないのは、偉くなれと送り出してくれた自分の親たちと同じです。

草刈りをしながら、「椅子を用意して待ってるよ」と心の中で唱えます。
お金を出して送り出してくれた親父の気持ちが、いかほどであったのか。
結婚した子供たちの祝い金を出すのさえ、家計を圧迫して考えものです。
良くやってくれたと親に感謝です。

2024年3月23日
コメント
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