十七音のアンソロジー★。・.:・゜'☆,。.:・゜'★

虚と実のあはひに遊ぶ  Since 2008 by Midori♡ H

林檎

2017-11-15 | Weblog
手のひらに回す宇宙や林檎剥く
拾はるることのうれしき木の実かな
創世のひかりを曳いて銀杏散る
草叢に戦火の匂ひ星月夜


*「滝」11月号、成田一子選

【選評】 林檎を剥きながら回すことで、「宇宙」を回している、という大胆な発想に驚かされた。今、宇宙の中心はこの手のひらにある。俳人は林檎という小さな物体を介して宇宙とつながることが出来る。そんな素晴らしさを感じる句。 同時作、「創世のひかりを・・」、こちらは目の前の銀杏から時空を超えて創世へとつながった。「林檎」「銀杏」―、それらのものを介して俳句では時間も空間も軽々と超えることが出来る。作者の句からは俳句をやる人のよろこびと誇りが感じられた。(一子)

 時空間を超えて心を遊ばせることはとても楽しい。楽しいだけでなく、こうして主宰に評価して頂けるとは、無上の喜びです。☆(Midori)