柿若葉 2020-05-28 | Weblog 解除宣言が出され、およそ5か月ぶりに近くの美容室に出かけた。小さな美容室だが、いつものスタッフが皆さん揃っていた。いろんな業界で縮小や廃業のニュースが飛び交う中、皆さんで頑張って支えて来られたのだと思うと、言葉にはしなくても、エールを送りたい思いだった。(Midori) 窓越しに見ゆる未来や柿若葉
「阿蘇」5月号 ☆犬ふぐり 2020-05-22 | Weblog あめつちに溶けやすき色犬ふぐり 木村佐恵子 犬ふぐり地下水脈の音を聴く 〃 「犬ふぐり」のイメージを脱するのは難しいが、掲句の二句は、切り取り方に変化があって新鮮。「水色」や「空色」と言わずに、「あめつちに溶けやすき色」と、自然の色合いを想像させる楽しさがあるし、二句目においては、大地に音を、「地下水脈の音」とまで飛躍して見事である。(Midori)
「阿蘇」5月号 ☆燕 2020-05-17 | Weblog 病床の夫の目線をつばくらめ 宗像和子 「つばくらめ」を詠みながらも、作者の視線のさきにあるのは「病床の夫」。夫の目線をいつも追いながら、心を一つにしている作者である。「目線を」の「を」に、「目線に」とは違う細やかな愛情が感じられた。(Midori)
「阿蘇」5月号 ☆二月尽 2020-05-13 | Weblog チョコレート売場二月の異空間 東 陽子 ウイルスに右往左往の二月尽 〃 一句目、言わずと知れたバレンタインデーチョコレートの特設売場。華やぎを感じつつも、「異空間」であることは否めない。決して珍しい情景ではないが、斬新な一句として眼を引いた。 二句目、二月から始まったコロナ感染である。5月になって、時鳥の第一声が聞かれる中、緊急事態宣言の解除が切に待たれる。(Midori)
「阿蘇」5月号☆草餅 2020-05-08 | Weblog 未来まだ果てなき頃の草の餅 永村典子 「未来」ではじまって、「草の餅」への展開に意外性があって見事!眼前の「草の餅」でありながら、「果てなき頃の」という郷愁の思いが切なく迫ってくる一句。類を見ない新鮮な作品に共感を覚えた。(Midori)
「阿蘇」5月号 ☆冴返る 2020-05-03 | Weblog 木の瘤に忿怒の相や冴返る 踏青や一身発条となりゆける せせらぎのやうな大空花なづな 田鶴一羽農夫のやうに佇める *「阿蘇」5月号、岩岡中正選 立春の頃の句である。「忿怒の相」と見たのは全くの偶然であるが、このたびの災いは、文明によって自然界のバランスが崩れたからという仮説も出されている。改めてライフスタイルの見直しを迫る大きな転換期を迎えているのだと真摯に向き合いたいもの。(Midori)