十七音のアンソロジー★。・.:・゜'☆,。.:・゜'★

虚と実のあはひに遊ぶ  Since 2008 by Midori♡ H

「阿蘇」10月号

2021-10-06 | Weblog
夜濯の小さきは月に掛けにけり
神在す山はむらさき不如帰
青嶺また青嶺在来線の旅
湖風に捩花のねぢ弛びをり

【選評】 「夜濯」とは、いい季語。一日の終りの安らぎがあって、大きな洗濯は明朝としても、さしあたり小さいものは夜濯で済ましておこう。この句の良さは、その安堵感と己へのいたわりが、夜濯のものを「月に掛け」た、ふとした心の跳躍になったところにある。そこに「生活の詩」がある。俳句は「日常の詩」だと、あらためて思わせる一句。(中正)

過分な選評に恐縮至極であるが、自分でも思っても見なかったことに、気づかされる主宰の言葉である。「生活の詩」、「日常の詩」は、俳句の最も得意とするところであった。(Midori)