絵馬 2019-01-30 | Weblog 「絵馬」は、新年に詠まれることの多い句材であるが、「絵馬」の由来は、馬が神さまの乗り物として考えられていたことによる。また、神仏習合思想により、仏さまも騎乗して示現するという説が広まり、神社だけでなく寺院も絵馬を納めるようになったとされる。さて、日本古来からの風習である「絵馬」を、新年ではなく、早春で詠んでみた。(Midori) 早春の風の触れゆく恋の絵馬 *岩岡中正特選 (1/17 in NHK)
雁 2019-01-25 | Weblog 群青の風にしなへる雁の棹 吉井たくみ 「雁の棹」は、雁が列を成して渡る形容で、歳時記では、「雁」の傍題の一つであるが、掲句で優れている点は、「棹」に対して「しなへる」と詠んだところである。非常に巧みな一句である。「阿蘇」1月号より抄出。(Midori)
水仙 2019-01-23 | Weblog 今日の南関句会の兼題は、「水仙」。海辺に自生する花とされるが、寒中にも拘らず咲く水仙は、とても清楚。亡き母が庭先に植えていた八重咲の水仙が、今年もまた蕾を付けている。(Midori) 水仙や髪なびかせて女学生 静子 水仙や母在りし日の古き井戸 千恵美 水仙の一輪ごとの光かな みどり *指導者選
箒草 2019-01-21 | Weblog 母の忌の一夜に紅き箒草 荒牧成子 「一夜に紅き」という詩情は、「母の忌」であり、「箒草」であれば尚更である。言葉の斡旋が素晴らしく、結社の例会で、私も一番に頂いた句。「阿蘇」1月号巻頭次席。(Midori)
寒紅 2019-01-17 | Weblog 今日の教室の兼題は、「寒紅」。寒紅というと、若い女性というより、社会的にも自立したキャリアウーマン、あるいは臈たけたご婦人というイメージ。しかし、そう言った句は、どうしてもパターン化しやすいので、難しいところ。(Midori) 寒紅を引けばきのふと違ふ空 *講師特選
月☾ 2019-01-13 | Weblog 音一つ月のポストに投函す 二木恵子 生活詠でありながら、どこか幻想的。視覚より聴覚が一際冴える月の夜、「音一つ」と捉えられて詩情豊か。「阿蘇」1月号より抄出。(Midori)
錆鮎 2019-01-11 | Weblog 鮎錆びる頃の川とはよく光る 山下接穂 「鮎錆びる頃の川」と、「よく光る」との関係性は何もなく、決して原因結果の句にはなっていないのだが、「そうかもしれない」と思わせる説得力が詩となっている。錆鮎への限りない生命讃歌の一句である。「阿蘇」1月号より抄出。(Midori)
新米 2019-01-09 | Weblog 新米の光を神に奉る 今中榮泉 「ひと粒に山河のひかり」と、私も新米の光を詠んだが、掲句は、「新米」ではなく、「光」を「神に奉る」というのだから、参った。「光を」という断定は、まさしく神への感謝と豊穣の喜びである。「阿蘇」1月号の巻頭句。(Midori)
初句会 2019-01-07 | Weblog 寒の入となった6日は、熊本市水前寺成趣園での探勝会。紅梅白梅もすでにほころび春を思わせるような良い天気。東海道五十三次を模した築山は、一面の枯芝で、古今伝授の間、能楽堂などの文化財もあり、句材は実に豊富!参加者51名。「お互いの俳句を読み合って、大きな俳壇をつくる」という主宰の言葉に勇気づけられた。(Midori) うたかたを吐ける四温の鯉の口 *岩岡中正特選
初春 2019-01-03 | Weblog 第95回箱根駅伝は、東海大学が初優勝を飾り、青山学院の五連覇はならなかったものの、青学もまた記録更新!年々更新される記録は、たゆまぬ練習の賜物。さて今年も類想類型を脱却すべく、新たな俳句の世界にチャレンジです。(Midori) 一天にひびく号砲年明くる