十七音のアンソロジー★。・.:・゜'☆,。.:・゜'★

虚と実のあはひに遊ぶ  Since 2008 by Midori♡ H

子規忌

2020-09-20 | Weblog
9月19日は、正岡子規の108回目の忌日。結社の定例例会の会場には、子規の遺影が置かれ、鶏頭や芒が飾られていたが、毎年ながら、このお心遣いも楽しみの一つになっている。48名の参加者を得て、様々な角度から、素晴らしい「子規忌」が詠まれた。(Midori)

   鶏頭のいろ極まつてゐる遠忌    *中正選

「阿蘇」9月号 ☆花柘榴

2020-09-12 | Weblog
花石榴疫病の神の嘴太し     岩岡中正

「疫病の神」の存在にまず驚いたが、「嘴太し」とはまるで鸚鵡のようである。何とも不気味な姿に、「花石榴」の濁音が微妙にひびき合う。昨今コロナウイルスの感染が拡大する中、熊本ゆかりの妖怪「アマビエ」が話題だ。アマビエは、江戸末期に熊本に現れたとされる妖怪。「もし疫病が流行したら、私の絵を描いて皆に見せよ」と言い残したという。その姿は、地面に着くほどの長髪で、体は人魚のように鱗で覆われ、くちばしがあり、足は3本あるのだとか・・・。一日も早いコロナの収束を願いたいもの。(Midori)

カンナ

2020-09-04 | Weblog
兼題は、「カンナ」。カタカタの季語ではあるが、昔から常に身近にあった花である。赤や黄の逞しい花をどう詠むか、兼題でなければなかなか詠まない花。カンナのいろんな側面に気づかされた句会であった。(Midori)

    感染爆発カンナは赤くあかく燃え      *中正選 in NHK.c

「阿蘇」9月号 *揚羽

2020-09-01 | Weblog
異界より王の如くに黒揚羽
騎馬像の弓手の放つ黒揚羽
妹山の裾のむらさき花樗
桑の実のいろに暮れゆく峡の空

*「阿蘇」9月号、岩岡中正選

コロナ感染拡大の第一波に外出自粛を余儀なくされていた頃の句である。幸い、近くに人通りの少ない丘陵があるので、毎日のように登っていたが、その時に見かけた黒揚羽がとても印象的で、やっと一句にしたものである。後日調べてみると、揚羽蝶は、日向と日影を行ったり来たりする習性があるのだとか・・・。2句目の「黒揚羽」の句は、西南の役の激戦地、田原坂の騎馬像である。(Midori)