A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【JAM FES 2014】灰野敬二/壊れかけのテープレコーダーズ@新宿NINE SPICES 2014.5.5(mon)

2014年05月07日 01時07分50秒 | 灰野敬二さんのこと


JAM FES 2014

2011年に産声を上げたJAM FES。混沌の渦の中、無事(?)2011年(48時間)2012年(72時間)2013年(100時間)と最後の瞬間まで音が途切れる事なくフィナーレを迎えられました。そして2014年のJAM FESは会場を新宿JAMだけではなく、新宿NINE SPICESにまで規模を広げ100時間に渡り音が連続で鳴り響くイベントへと挑戦していきます。コンセプトはいたってシンプル。100時間連続ライブを掲げ、2会場往来自由のイベントです。参加してくれる全ての出演者とお客様とでゴールデンウィークを謳歌だ。「ゴールデンウィークはJAMで過ごしましょう!」



今年で開業34年を迎える新宿JAMのGWフェスティバル「JAM FES」。今年で4年目とのことだが、今まで知らなかったのが悔やまれる豪華ラインナップ。早川義夫、PANTA(頭脳警察)、灰野敬二、外道、蔦木俊二(突然段ボール)、石川浩司(パスカルズ・ホルモン鉄道 exたま)、ギターウルフといったベテラン大物から結成したばかりの新人まで総勢100組以上のバンド/アーティストが出演。しかも入場料2000円で5日間全会場出入り自由という、音楽愛好家ヒエラルキーの底辺にも優しい慈悲深いフェスである。暗蔵な会場なので夏フェスと違って悪名高いフェス・ファンや地蔵族が紛れ込む心配も無い。例え経済・社会的に恵まれた上位者でも、このラインアップに心が動かない者は似非愛好家というしか無い。当然筆者の心もザワザワ胎動したが、毎夜別件バウアー(Beckenbauer)の為一日のみの参戦と相成った。

壊れかけのテープレコーダーズ

(写真の撮影・掲載については出演者の許可を得ています。以下同)

今月結成7周年を迎える東京インディーシーンの中核、コモリ(Vocal、Guitar)、 ユサ(Organ、Vocal)、shino51(Bass)、44O(Drums)の4人組Half Broken Taperecorders。7月に2年ぶりの4thアルバム『broken world & pray the rock 'n roll』をリリースする彼らのステージを観るのは1年4ヶ月ぶり。何か変化したかと聞かれれば「Non」と答えるかもしれない。変化を深化と言い換えれば、答えは「Oui」である。「壊れた世界へのロックンロールの祈り」いう直訳が合っているかどうかはアルバムを聴くまで判らないが、彼らの演奏を観れば、この言葉がバンド名の読み替えに他ならないと思い当たる。コモリは新作について「紛れもないロックンロールアルバム」とコメントしている。”ロックンロールへの信念”というちょっと照れくさい言葉こそ此の4人の行動原理だと言っていい。バカが付く程のロック好きのコモリの直球一直線のパフォーマンスは「もしこれがラストステージでも悔いは無い」と宣言するかのよう。素晴らしいのはコモリの気持ちが他の3人にも100%共有されていること。4人の思いがひとつになって、このクソッタレな世界に大文字のPRAY(祈り)を轟かせて欲しい。




●灰野敬二


生誕記念公演から二日目。ワンマンライヴは当然ホームだが、フェスやイベントはアウェーに違いない。アウェー環境で聴衆を巻き込み味方につける渋さ知らズとは違い、灰野は一見オーディエンスを突き放すように見える。この日はギター一本で聴覚を破壊する大音量の轟音が延々と鳴り響く壮絶な演奏だった。聴覚が麻痺した頃、灰野の絶唱が加わる。「暗号」「あっち」「ここ」「おまえ」など灰野の代表曲の歌詞が聴き取れる。恐らく大多数が灰野を初めて観ると思われる超満員の観客は、ただじっと耐えながら、容赦ない爆音の奥にあるものを見出そうとしているように見えた。終演後の会話「音楽の拷問って本当にあるんだね」「酒酔いがすっかり抜けた」「凄すぎて受け止めきれませんでした」「肩こりが治った」「全部灰野さんにもってかれた。オレどうしよー」(たぶん次の出演者)。灰野の祈り(PRAY)は若いリスナーにも届いたようである。




ジャムスタジオ
ゴールデン街
ナインスパイス

以前大森靖子が「バンドマンは音楽の話しかしないのでつまらない」と発言したが、THEピンクトカレフのメンバーでもあるコモリについては「音楽好きが度を超していて逆に面白い」と筆者に語ってくれた。大森の言葉通り”男一匹ロック大将”コモリは、別の街で自分のライヴがあっても、終わり次第新宿へ駆けつけて、JAM FESを思う存分楽しんだと言う。これこそ音楽ファンのあるべき姿ではなかろうか。

つまりこういうことだ。
ヒエラルキーなんかくそくらえ!音楽聴くのに金や権力や学歴なんか関係ねぇっ!
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