A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

doronco/灰野敬二+三浦真樹/LAPIZ TRIO/ヨシノトランス+川口雅巳@国立 地球屋 2013.5.17(fri)

2013年05月19日 00時19分47秒 | 灰野敬二さんのこと


「 ドラマー、サミーに捧ぐ 」
【 出演 】doronco (bass play)/灰野敬二+三浦真樹/LAPIZ TRIO (LAPIZ vo,g/横山玲b/中村清ds)/らりは/ヨシノトランス+川口雅巳

メンバーの出入りが激しいので正確にはわからないがサミーこと三巻俊郎は1976年に裸のラリーズに参加したらしい。同バンドの数少ないオフィシャルCDのひとつ「'77 LIVE」のドラマーである。記録本によるとドラム以外にベース、ギターも演奏したようだが真偽の程は不明。私が初めて観たのは2006年5月1日新宿裏窓企画ライヴでの灰野敬二+どろんこ+サミーのトリオだった。灰野の独特の呼吸がラリーズのリズム隊が刻む強固なビートと予想以上に上手く溶け合い強烈な「ROCK」(ロックンロールではなく)を発散した。このトリオは年イチでライヴを行った。最後に観たのは2010年3月22日ここ地球屋でのSeven Z(らりは)、川口雅巳、ヨシノトランスも出演した野間幸道(裸のラリーズのサミーの後任ドラマー)追悼ライヴだった。それから3年後今度はサミー本人の追悼ライヴが開催されるとは思いもしなかった。

昭和時代に米軍ハウスがあった三多摩地区は学生やロッカーが多く棲む日本のロックの温床だった。その風土は現在でも残っている。特に地球屋は往時の中央線文化の香り漂うエキゾチックな雰囲気が嬉しい。到着した時にはらりはの演奏が終わったばかりだった。サミー所縁の年配客やバンド仲間を含め満員。リラックスしたムードが心地よい。

ヨシノトランス川口雅巳


3年前は元不失者のドラマー小杉淳を交えたトリオで出演したふたりのアコースティック・デュオ。ヨシノがエスラージ、川口がガット・ギターでサミーが好きだったというドノヴァンとアイアン・バタフライに加えウルティメイト・スピナッチの日本語カヴァーという選曲が日本のサイケ・シーンをリードしてきた彼らならでは。


(写真・動画の撮影・掲載については出演者の許可を得ています。以下同)

●LAPIZ TRIO


元フリクションのラピス率いるトリオ。元阿呆船の横山玲と元不正療法・JUNGLE'Sの中村清という歴戦のメンバーによるラフなロックンロールが地球屋のムードによく合う。ラピスは1978年にフリクションとラリーズが対バンした時に水谷からラリーズ加入を誘われ断ったという逸話があるが仲は良かったらしい。



●灰野敬二+三浦真樹


ラリーズと不失者のメンバーだった三浦は日本地下ロックの重要人物。割礼や静香や阿呆船でも活動、1990年代のラピスとのデュオ音源が最近CDリリースされた。不失者脱退後も灰野とは交流があり何度か共演している。「あっち」「暗号」「おまえ」「ここ」と代表曲を演奏。拡散してゆく三浦のストラトの繊細なトーンが灰野のSGの太い音色と好対照をなす。歌の節々にサミーへの呼びかけを挟み慈愛が漲る演奏。



●los doroncos


ベース・ソロだと思っていたらどろんこ(vo.b)+川口(g)+らりは(g)+長谷川真子(ds)=los doroncosのステージ。「サミーも野間君ももの凄い回数一緒に演奏してきたのにふたりともいなくなっちゃった。どこへ行ったんだろうね。歳を取るってそういうことかな」と滲みるMC。感傷を振り払う様に演奏に没頭する姿が美しかった。



消えた魂は
何処へ
紛れ込む

生き残った者はひたすら演奏を続けるしかないだろうか。

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