A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

ブロッツマン+灰野+オルーク@新宿Pit Inn 2010.11.23(火)

2010年11月25日 01時18分17秒 | 灰野敬二さんのこと
ドイツ即興ジャズ界の鉄人ペーター・ブロッツマンの新宿ピットインの2夜目は、灰野敬二&ジム・オルークの二人との変則トリオ。

新宿に早く着いたのでレコ屋巡りをしていたら、Disk Unionプログレッシヴ・ロック館で灰野さんとばったり。灰野さんはコートを脱いで臨戦態勢。トラッド~ヨーロッパ音楽のコーナーを丹念に見ていく。私はレコメン系、特にSlapp Happy関係を探していたのだが、200円offセールで売れてしまったのか、余り無かった。灰野さんから飛び切りヘヴィーなのを教えてあげるよ、と薦められたのがDg.307というチェコスロヴァキアのロック・バンドの2枚組ライヴ盤。全部チェコ語で全く素性が分からないが、灰野さんに言わせると「(同じくチェコのロック・バンドの)プラスティック・ピープルよりいい。キャプテン・ビーフハートをヘヴィーにしたようなサウンド」とのこと。気に入ると思うよ、と言われ購入。じっくり聴いてみよう。

さてピットインは立ち見が出るほど盛況。年齢層は20代~60代と幅広く男性が大半である。ステージは左からヒゲを生やして精悍な顔つきのオルーク氏、灰野さん、ブロッツマン氏の並び。灰野さんを中心にしたトリオ演奏になりそうだ。ほぼ定刻通りに3人がステージに登場、灰野さんのSGの爪弾きで演奏が始まる。オルーク氏もSGだ。決して前面には出ないが他の二人を包み込むようなプレイだ。時にドライバーやハーモニカを使って奇妙な音を響かせる。ブロッツマン氏はテナーでいつも通りの豪快なブロウ。轟音の競演にはならず、静と動を使い分けたメリハリのある即興だった。さすがベテラン同士、阿吽の呼吸である。後半には灰野さんが最近お気に入りのフレットレス・ギターを演奏。45分ほどで第1部終了。

第2部は灰野さんのゴッタン(木製の三味線)でスタート。ブロッツマン氏はアルトで咽び泣く。オルーク氏はスライド・ギターで哀愁のあるフレーズを紡ぎ出す。灰野さんの「黒い花びら」の歌唱。楽器を置き、ギター・アンプに繋いだマイクでヴォイス・パフォーマンス。最後はSGでサイケなフレーズを奏で、全員で昇天するような綺麗なエンディングを迎える。50分くらい。アンコールを求める拍手が続くが、エンディングが見事に決まったのでその世界を壊したくないということでアンコールは無し。

1部2部を通じてどちらかと言うと落ち着いたストーリー性のある即興だった。三位一体となって繰り出す音響に夢見心地になった。

終演後楽屋へ行くと坂田明さんがいらっしゃってブロッツマン氏、灰野さんと談笑中だった。楽器を飛行機に持ち込む時の苦労話で盛り上がっていた。灰野さんは来年2月に坂田さんと共演することが決まったそうだ。
会場で販売していたブロッツマン氏のバンドFull Blastに灰野さんが参加したライヴLP(灰野さんもこの日までそのLPがリリースされたことを知らなかったという)にブロッツマン氏と灰野さんのサインを貰って大満足のミーハーな私であった。

灰野さん
ブロッツマンとの
いい関係

招聘元のマーク・ラパポート氏はまた来年このトリオを再現したいと言っていた。

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