A Challenge To Fate

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小鳥が奏でるノイズ・ミュージック~仏芸術家『セレスト・ブルシエ=ムジュノ』の謎音響世界

2015年07月04日 01時36分07秒 | 動画の歓び


Céleste Boursier-Mougenot "From Here To Ear"
フランス人アーティスト、セレスト・ブルシエ=ムジュノによる「ここから耳へ」と題された作品。鳥小屋と化したギャラリーで、70羽の小鳥とアンプに繋いだギターが予測不能なアンビエント・ノイズを奏でる。



セレスト・ブルシエ=ムジュノは大規模な音響環境を使って音楽を驚異的かつ予測不能な方法で制作する。「ここから耳へ」と題された包括音響インスタレーションは、ギャラリーを鳥小屋に変え、70羽のモフモフのキンカチョウの群れが、ギブソン・レス・ポールとサンダーバード・ベースの中に棲む。小鳥がその環境の中で食べ、巣ごもり、アンプリファイされた楽器に止まることにより、アンビエントとメロディーが常に変化するサウンドスケープを産み出す。常識破りの展示は、伝統的なアーティスト・コラボへの挑戦であり、我々の音楽の知覚、創造、相互作用の再認識を活性化する。



「パリのバードマン」の異名を持つセレスト・ブルシエ=ムジュノは1961年フランス・ニース生まれ。幼い頃から音楽が好きで、演奏家を夢見ていた。ある日テリー・ライリーの『In C』を聴いた。その曲は演奏家がそれぞれのパートを演奏するのだが、瞬間瞬間で選ぶ音が異なる。音楽学校(エコール・デ・ムジーク)に入り、パーカッション,ヴィオラ,ベース.ギターなど様々な楽器の演奏法を学んだ。しかし失読症*のため楽器演奏が困難になり、音楽を作る為に別の方法を発明する必要があった。そして様々な常識はずれの方法を産み出した。現在では国内外の著名なギャラリーや美術館で個展を開けるほど知名度を得た。30年前は気狂いと呼ばれた。『ここから耳へ(フロム・ヒアー・トゥ・イアー From Hear To Ear)』というタイトルは言葉遊びに過ぎないが、人間には不可能なデバイスであり計画である。人間を超えた、しかし技術に頼らない方法を生むことに興味がある。この作品について彼自身は「空飛ぶ指」を持つ、と表現する。

*失読症(ディスレクシア):視覚または発声器官に異常がないのに、文字を理解することができない、または読むことのできない病的状態。

人間には
創造できない
歌がある


『プール変奏曲』:プールに浮かんだ陶器の皿がぶつかり合って予測不可能な調べが産まれる


『外乱~ペルテュバシオン』:2014年5月開催された回顧展の展示
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