A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

灰野敬二+ジョヴァンニ・ディ・ドメニコ+石橋英子+ジョー・タリア@六本木SuperDeluxe 2017.6.12(mon)

2017年06月18日 01時07分46秒 | 灰野敬二さんのこと


Wait Until Dark

料金 予約3000円 / 当日3500円 (ドリンク別)
出演:
■ 灰野敬二
■ Giovanni Di Domenico
■ 石橋英子
■ Joe Talia

坂田明(sax)ジム・オルーク(b) 、山本達久(ds)とのカルテット梵人譚として2週間に亘る日本ツアーを行うイタリア・ローマ出身のジョバンニ・ディ・ドメニコ(pf)がツアー前にスーパーデラックスで千葉生まれの灰野、同じ千葉県の茂原生まれの石橋、オーストラリアのメルボルン在住のタリアとスペシャル・セッションを開催した。この四人の音楽家が一同に会しての演奏会が何故『暗くなるまで待って(Wait Until Dark)』と名付けられたのかは分からないが、祝日の無い不毛な6月半ばの月曜日の不条理な夜に刺激を求めて六本木の地下倶楽部に集う音楽愛好家たちには相応しいタイトルかもしれない。



灰野は珍しくアコースティック・ベースを演奏。当然コード進行をなぞるのではなく、叩き付けるスラップ奏法によりパーカッション的な打低音を形成するが、石橋とドメニコがキーボードなので、低音域が補強されてバランスのいい音響が産み出される。石橋はアコースティック・ピアノ、ドメニコはエレピにエフェクターをかけて、マイク・ラトリッジ/カンタベリー風のギミック感のあるサウンドを聴かせる。タリアのドラムは比較的正統派だが、ツボを心得たプレイで演奏の流れを促す。灰野がギターに移ると、石橋もフルートやシンセを操り、演奏の色を塗り替える。時々聴かせる灰野の歌は、哀秘謡ではなく時代の経過を無化するような慈しみの言葉の奔流だった。



休憩の後の第二部はベースではなくギターでスタート。より歌うことを目指したような印象を受けたが、それは意図ではなく結果だったのかもしれない。流れに身を任せるのではなく流れに棹刺す心意気は、西洋よりも東洋思想に近づこうとするドメニコの思想なのであろうか。解体することなく懐胎し、全出演者・運営・観客・冷やかしすべてを満たす準備をするからには失われざる者たちの方法論を応用することから始めるべきだろう。その気持ちが外国人勢に共有されているのがヤケに嬉しい月曜日の夜であった。

不失者の
ワンマンライヴ
6月20日(火)

コメント (1)
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