ブログ「教育の広場」(第2マキペディア)

 2008年10月から「第2マキペディア」として続けることにしました。

「天タマ」第32号(2000年10月 3日発行)

2007年08月02日 | 教科通信「天タマ」
「天タマ」第32号(2000年10月 3日発行)

          市立看護専門学校 哲学の教科通信

   授業のあり方について反省し、話し合ったことがあるか

 ★ まず、テーマの意味がよく分からなかったという意見が多く
寄せられました。でもレポートを読んでいて、テーマが分かってい
ないなと思ったものはありませんでした。最初はたいてい不安に思
うものです。それに、テーマの言葉は大体の事で、それを切っ掛け
にして自分の考えた事をまとめれば、それでよいと考えておいて下
さい。

──小学校に入学してから、数えきれないほど授業を受けてきたが
、授業のあり方について話し合う機会はなかった。それは、授業と
いうものは、教師が進行していくものだという固定観念が私の中で
できあがっていたからだと思う。

 ★ 全体として、学校でこういう事を教師を含めて話し合った(
アンケートを含む)ことはないというのが大勢でした。しかし、本
当の教育ということを考えると、教師の方からこういう問題を提起
するべきだと思います。こういう事を意識的に反省すること自体が
勉強の一部であり、しかも重要な一部分だからです。

──私が小学校4・5年生の時に通っていた静岡の学校では、生徒
対生徒のディスカッションで、先生は生徒の意見をメモするだけだ
った。

 ここでは授業のあり方について考える機会があった。例えば、ク
ラス全員が発表したいが出来ない時はどうすれば自分の意見を相手
に伝えられるか、などである(この時の結論は、予習の時点で資料
を作成したり、板書するなど)。

 また、この事については親とも話すきっかけになった。親にとっ
て自分の子供が一般的な授業方針でないことを、子供から聞いたた
めだろう。そのため、私は母親とだが、学校の授業のあり方につい
て話したことを覚えている。

 ★ 親は子供が学校でどういう生活をし、どういう授業を受けて
いるか、とても知りたがっています。それは、皆さんが親になると
よく分かるでしょう。しかし、それからでは遅すぎます。今、親と
話して下さい。「天タマ」を見せてください。喜んで聞いてくれる
はずです。この方はなぜ匿名希望にしたのかな。この点が少し残念
かな。

──1年の時、ある先生の授業がとても早口で聞き取れなかったり
、黒板に書いてある字が雑で何て書いてあるのか分からない授業が
あり、担任の先生に言ったけれど、改善されたと実感できるものは
1つもなかった。

 ★ 今、日本社会の大問題の1つが教育の荒廃です。その原因は
教師の学力の低下にあると思いますし、その根本は大学教授の学力
低下にあると思います(学力の低下した教授が無気力授業をするか
ら、学力の低下した学生がそのまま免状を取って小・中・高校の学
力低下教師になる)。従って、教育を建て直すには、悪い教師に反
省してもらうか、その人は辞めさせてより良い教師で置き換えるか
するシステムを作る必要があります。これが出来るかどうかが日本
社会の命運を左右するでしょう。

──以前、疾病について生徒が調べ、発表しながら教えるという授
業があった。難しい疾病だったので自分でもよく理解できず困った
。本人の学びは深くなるかもしれないが、教え方が悪いと、教わる
側には迷惑になる。

 ★ 生徒参加型の授業でも皆が学べるように工夫が必要だという
ことだと思います。

──授業は先生と生徒が互いに働きかけて成り立つものである。生
徒が楽しく学ぶのを先生が壊してしまうことがあるが、それはあっ
てはならないことだと思う。

 ★ 賛成。あってはならない事が沢山起きていますが、どうした
らよいでしょうか。このほかに、授業は先生と生徒の相互作用だと
いう意見もいくつかありました。しかし、相互作用といっても先生
と生徒の権限及び責任は半々ではないと思います。では何対何でし
ょうか。これが問題です。

──カンファレンスでは、1年の時の同じ教科でも先生が違ったの
で1組と2組とでは学力の差が生まれたのではないか、という問題
を話し合った。

 ★ これは小学校から大学までどこでもある事だと思います。で
は、先生を割り当てられるという状況の中で、先生による違いをど
う考え、どうしたらよいのでしょうか。

   不満があるなら直接言えばよい、という考え

──私は学校でのことを親によく報告したり、そのことについて話
し合ったりする。その時に私が「学校でこんな先生がいて、本当に
嫌」と言うと、親は必ずといっていい程、「そんなのあんたがそう
不満に思っているのだったら、その先生に直接言えばいいのよ」と
言う。確かにその通りだが、面と向かって不満に思っていることな
んて言えないし、気まずくなるのも嫌だし、できれば避けたい。~
生徒がアンケートを作ってまとめ、それを先生に提出し、見てもら
うという方法が一番いいと私は思う。

 ★ 最後の提案には賛成。でもそれをする勇気と実行力があるか
な? 親は「保護者」だから、本当は、子供の不満を聞いて、ある
程度以上ひどい授業には親が学校に話す義務があると思います。子
供に「直接言え」と言うのは親の責任回避の面もあると思います。
人間関係は「直接言う」のがよいとは限らないと思います。「言い
やすい人にだけ言う」というのは多くの人がしている「不公正な態
度」だと思います。

   授業要綱について

──この哲学の授業要綱を見て、私がいい案だなと感じたのは、ま
ず、「休憩」を入れるということである。また、気分が悪くなった
りした時に断らなくてもよい、ということもうれしい。先生に断ら
なければならないと、がまんして余計に気分が悪くなってしまうこ
とがあるかもしれない。

 ★ 21回生のある人がアンケートの中に、「休憩を入れて欲しい
」と書いていました。それをこのように具体化してみました。授業
の幅が広がったと思います。トイレ等に自由に出ていくのは、生徒
への信頼の問題だと思います。又、自分の授業に自信があれば、生
徒はやたらにさぼりはしないことも確信できます。それに、女子生
徒から「トイレに行きたい」などという事を聞くのは楽しくありま
せん。

──授業要綱の成績のつけ方で「酷い場合は1回でDにする」とい
うのがありますが、それは感情的なものではないのですか。どこま
でが感情的なのか私には分かりません。私は高校生の時に、先生に
「クラスで一番眠そうでやる気のない奴」と言って、当てられた事
があります。でもその時はしっかり授業を受けていて、質問に答え
られました。このように先生と生徒の間にも受け止め方の違いがあ
ります。それと自分の言いたい事は少なからず感情的なものになる
のではないでしょうか。

 ★ 世間でも「感情的になっている」と批評する言葉はよく聞か
れます。これは無根拠なのでしょうか。皆さんは「感情的」と言わ
れる言動の特徴としてどういう特徴を挙げますか。人によって判断
が違うという事は、そういう事自体が存在しないということでしょ
うか。自然科学は客観的だと思われているようですが、数学の問題
でも学者によって意見の違うことはいくらでもあります。判断が違
ったらどうしたらよいでしょうか。世の中ではどう処理されている
でしょうか。「クラスで一番眠そうでやる気のない奴」という言葉
はそもそも先生が生徒に向かって言っていい言葉でしょうか。

   その他

──先生は「だいたい」とか「目安」とか言うけれど、けっこうき
っちりしていると思った。時間にも正確だし、要綱も細かく書かれ
ていると思う。何かおどされているというか、圧迫されているとい
うか、そんな感じがするので、もう少しゆとりを持って(リラック
スできるように)やりたいです。

 ★ このほかに「これからの授業のことが分かったが、とても窮
屈な印象も受けた」という意見もありました。なぜこういう印象が
生まれたか、考えてみました。

 根本的には、皆さんが、暗黙の了解を前提にして馴れ合いで事を
進める日本的なやり方に慣れていて、細かな規律を定式化して契約
で事を進めるグローバルスタンダードに慣れていないことだと思い
ます。

 しかし、副次的な原因としては、あれだけの事を90分に押し込も
うとしたために、要綱の説明を急ぐことになり、それが不十分にな
ったことです。1時間目はカンファレンスをしないで、もっと詳し
く説明するという手もあったかもしれません。あるいは休憩を短い
ものにする案もあったかな。

──先生にはこだわりのようなものがあって、少し驚いた。テレビ
の画面が汚れているからといって、ハンカチでふいてくれたりして
、生徒の事をとても思いやってくれる優しい先生なのかなと思った


──この前、手術を見学した。人間の体の中はとてもきれいだった
。とても鮮やかでキラキラしていた。熟れたイチジクのようだった


   レポートのまとめ方

 病院実習のレポートのため少ししか寝ていなかったという人がか
なりいました。レポートを書くときの要領をお話します。

 まず第1に、そのテーマに関係したことを何でも気づくままに「
箇条書き」にすること(何日もかけてもいい)。

 第2に、その箇条書きを眺めて「自分はこのレポートで何を言い
たいのか」と反省し、「自分の気持ちを自分にはっきりさせる」こ
と。

 第3に、その箇条書きを見て、この言いたい事に関係していない
ことは消して、残りのものを書く順に(1) から番号をふる。そして
、書き始める。

   冷暖房について

 2組(22日)でも1組(25日)でも、講師が冷房を切らせたのに
対して疑問がいくつか出ました。特に22日の3限は少し暑かったと
思います。しかし、私の感覚ではこれくらいの時でも窓を開けてク
ーラーなしでやるのが「当たり前」なのです。皆さんとの感覚の違
いの大きさに気づきました。

 これから寒くなります。暖房をどうしたらよいかが一つの問題で
す。少し控えめにして膝掛けを使うというのが私の提案です。暑く
しすぎると、上から温風のくる教室は勉強にはよくないと思います
し、廊下に暖房がありませんから、温度差で風邪を引きやすいと思
います。皆さんはどう思いますか。

   連絡します

1、レポートには必ず自分の「番号も」書いてください。

2、今日のレポートの際、1度で結構ですから、名前にかなを振っ
て下さい。