ブログ「教育の広場」(第2マキペディア)

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教育の広場、第270号、マニフェスト素案(6、ロハス教師)

2007年03月24日 | 政治関係
教育の広場、第270号、マニフェスト素案(6、ロハス教師)

 第4回で教育日本1を論じましたが、積極的な提案は書きません
でした。私が考えている案は「ロハス教師」と「教員学校」と「校
長の 360度評価」です。

 まず、ロハス教師から説明します。

 ロハスという言葉はかなり知られていると思いますが、03月17日
付けの朝日新聞でも改めて報道されていました。Lifestyle of
Health and Sustainability(健康的で持続可能な生活スタイル)
の頭文字を取って生まれた造語です。

 私がロハス教師で考えているのは次の点です。

 (1) 週に3日勤務。残業なし。
 (2) 年俸 300万円で出発し、業績1冊以上で 360万円、
    3冊以上で 420万円。(これ以上の昇給はなし)
 (3) 10年に6ヵ月間の休暇

 校長を含めて全員を徐々にこの種の教員にしてゆくべきだと思い
ます(現職教師はそのままにして、新任教師からこの制度にする。
現職でもこれに移りたい人は受け入れる)。こうして25人学級にな
るまで教師を増やす。因みに、国際的には少人数学級とは25人以下
のことを言います。「40人学級の方がいいのだ」などとほざいてい
る土屋教育長は論外です。

 現在の教師の最大の問題は、元教員の教育長や校長を含めて、
「勉強が出来ない」ということです(出来る教師は例外的にいるだ
け)。

 その理由の第1は、大学教育がお粗末なことです。第2の理由は、
教師になってから時間がないことです。第3の理由は、消化試合を
していれば自然に給与が増えていき、校長になれば1千万円を越え
る年俸が得られるという制度です。

 従って、その対策はそれらに対処することです。

 ロハス教師は時間がありますし、勉強しなければ給与は上がりま
せん。本を出して売れればもうかりますし、講演依頼も増えるでし
ょう(但し、月に1回までとする)。

 給与が少なすぎると言うかもしれませんが、これで十分です。在
宅時間が長いと支出が少なくて済みます。これがロハスの根本なの
です。前述の朝日の記事にも「時間に追われる生活を変えること」
とありました。

 結婚している場合は共働きを前提していますから、収入の心配は
ないと思います。

 第2の教員学校は、お粗末な大学教育を補うものです。

 杉並区の師範塾は、小学校教師を目指す人のためのもので、1年
間土日のみ開校、授業料年9万6000円(教師になったら返還される)、
というものですが、教える事も狭い意味での授業のやり方、学級運
営などだけです。ただそれを座学ではなく実習中心でやるというだ
けです(要するに、塾の新人研修です)。

 私の考えている教員学校は現職と新人教師のための学校です。従
って給与はそのままで、全在籍者の5%を常にそこで学んでもらう
ためのものです(今でも浜松市の現職教師の内9人が大学で学んで
います)。新任教師はまずここに入ります。

 学ぶことは、何よりもまず研究する態度や方法です。議論中心の
授業とか、外国語のダイレクト・メソッドなども又、勉強します。
先生と生徒の関係について、なぜそうなのかと具体的な事例で原理
的に学ぶことも必要です。

 更に大切な事は、市や県や国の全ての部門のカウンター・ホーム
ページを作って、それを監視・批判することです。これをこの学校
の伝統として代々受け継いで行けば、公正で民主的な社会を作るこ
とに寄与するでしょう。

 これらの研究や勉強だけでなく、部活(徐々に地域に移していく)
とか、他所で述べました「誠実な食品」運動の実務とか、芝居の街
運動の実務とかも含みます。簡単な大工技術を身につけて、耐震性
向上の改築ボランティアなども出来るといいでしょう。

 こんなに沢山の事が出来るのか、と思うかもしれませんが、この
学校の授業は週に3日くらい、1日1コマの予定です。それに、皆
がこれら全てをするのではなく、皆がやるべき事と分担する仕事と
を組み合わせれば好いのです。

 この教員学校には先生は必要ありません。基本的には自分たちで
切磋琢磨します。必要な場合は、その時だけ外部講師を頼んで教え
てもらえば好いのです。

 いずれは、授業料無料だけど進級と卒業の難しい浜松市立大学
(文部科学省の認可は要らない。空いている施設が沢山ありますか
ら、それを利用する)に発展させて、静岡兼業大学や静岡セクハラ
大学を粉砕したいものです。

 最後に校長の 360度評価です。今の校長は教員生活の「上がり」
(スゴロクの上がりのこと)として、年功序列で生まれます。だか
ら皆、消化試合をするので
す。

 ロハス校長は立候補者の中から教育委員会が選べばいいと思いま
す。給与も週3日勤務も平(ひら)と同じです。ただ、授業をしな
いで管理業務をするだけです。

 校長は教頭と教員を選ぶ権限を持ちます。つまり、教頭はその学
校の中から選び、教員は教員学校在籍中の教師と(相手の同意を得
て)交代させる権限を持つようにします。

 校長は毎学期末に 360度評価され、不適任と判明したら、ただち
に平になり、他の人と交代します。

 1974年に田中角栄が人材確保法を導入して、「一般公務員より
5%高い給与を払って、優秀な人材を集める」としました。しかし、
本当の狙いは札束で日教組を堕落させることでした。

 結果から見れば、表面上の目的は達せられませんでしたが、真の
狙いは見事に達せられました。

 要するに、このロハス教師制度は田中角栄とは反対の路線です。

 今の日本は、超長時間労働の正社員とワーキングプアの非正規労
働者とに分かれています。ロハス教師制度はこの分裂を克服する道
を示すでしょう。

 これが成功するか否かは教育委員会の力量次第でしょう。


   追記

 先日、浜松市教委は03月末で退任する土屋教育長(65歳)の後任
として高木氏(現曳馬小校長、57歳)をあてる人事を発表しました。

 しかし、教育長は教育委員の互選で決めるはずです。高木氏は
03月23日現在、教育委員になっていないはずです(教委のホームペ
ージの「教育委員」の項に名前がない)。

 この人事決定は違法ではないかと、今教委に問い合わせています。

 それはともかく、57歳で教育長になって、校長のままなら定年の
60歳で終わりなのにそれ以降も収入を確保し、7年3カ月教育長を
勤めて毎年1330万円の年俸を懐に入れ、すぐに年金生活に入れる土
屋さんの後に、57歳の校長が就くとは、見事な人事ですね。

 ではどうしてこうなったのでしょうか。

 土屋教育長は、ホームページに「辞任にあたって」と題する文章
を発表しています。その中に次の1句があります。

 ──旧浜松市では、私が初めて義務教育から教育長になったわけ
ですが、北脇市長に辞任を申し出た時、「次の教育長も義務教育関
係から推薦してください」と言われました。最高に嬉しく思いまし
た。(引用終わり)

 これは、北脇市長の丸投げ人事、順送り人事の証拠となるものだ
と思います。北脇さんを倒さなければ、浜松の教育に未来はありま
せん。


1 コメント

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Wikipedia (sage)
2007-03-27 18:49:29
Wikipediaに「牧野紀之」の項目を立てました。著書・訳書の部分に加筆願います。

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