日刊イオ

月刊イオがおくる日刊編集後記

こんな時だからこそ、「日本の良識」を信じたい

2011-04-04 09:45:28 | (里)のブログ
先週から東京では桜の花が咲き始めて、いっきに春めいてきました。
日曜は気温が冬並みに低くて寒かったですが、
また気温が上がれば一気に満開となるでしょう^^


話は変わって、この前の出張での話の続きをさせていただきます。
所用があって岐阜朝鮮初中級学校へたずねた時のことです。
その日は日曜日なのにもかかわらず、ハッキョにはたくさんの人が集まっていました。
岐阜県の青商会のメンバーを中心に、学校の遊具などのペンキ塗りをしていました。
女性たちも来ていて、お昼に豚汁をふるまってくれました。


そこで、以前(おととしの7月くらい)福島に出張に行った時会ったことのある男性を見つけました。
私はとっさに思い出して声をかけました。
福島から岐阜に転勤してきたという彼。
私はてっきり福島県出身だと思い込んでいたのですが、彼は宮城県の海沿いの町の出身で、
今回の東日本大震災で実家が大きな被害を受けたそうです。
不幸中の幸いで、家族は無事だったそうですが、
両親が営む店舗は浸水してしまい、営業不可の状態となってしまったといいます。
震災後、実家に戻って被害を確認したそうですが、思わず言葉が出なくなったそうです。
「まぁ、なんとか大丈夫ですよ」と言いながらも、心配そうな表情を浮かべていました。
前の福島の同僚たちのことも、すごく気がかりだといいます。
私はただ、「ご家族が無事でよかったです」と言葉をかけることしかできませんでした。


直接被災したわけでなくとも、家族や親戚、友人などが被災地にいるという人はたくさんいると思います。
私は今回の大震災を経験して、恥ずかしながら初めて災害に対する危機感というか、恐怖を抱くようになりました。
そしてこんな時に、家族が離れ離れだったらどんなに不安だったかと考えます。
出張中も、テレビの画面に「緊急地震速報」のテロップが流れるたびに、家に電話をかけていました。


このたびの地震による死者・行方不明者数は、発生時から現在までで恐ろしいほどに膨れ上がっています。
そして家族や友人、知人など、その数の何倍、何十倍、何百倍の人々が、悲しみや無念の思いで押しつぶされそうになっているのかと思うと、
本当に苦しすぎます。


テレビを見ればわかる通り、被災地へエールを送るCMがたくさん流れています。
私の家の近所のスーパーの入り口には、「がんばろうニッポン!」と大きく貼紙が貼ってありました。
何万という死者・行方不明者がいて、まだまだ過酷な環境で避難生活を続けている方が何十万といらっしゃる中、
日本中のたくさんの人たちが引き続き被災地に関心を持ち続け、何か一つでもできることをやっていかなければならないんだと、本当に思います。


ですが、3月31日、宮城県が新年度の東北朝鮮初中級学校への補助金を交付しないことを決めたという驚くべきニュースを耳にしました。


こんな状況の中で、こんな決定しか出せないのかと、正直本当に悲しかったです。
東北初中の関係者たちが、日本の友人たちのために炊き出しを行ったその姿を、県の当局者たちは知らないのでしょうか。
現在、日本政府は昨年11月に朝鮮半島で起こった「砲撃事件」を理由に「高校無償化」をいまだ朝鮮学校に適用しないでいますが、
県は別にそんな国の姿勢にならう必要はなく、独自の判断で朝鮮学校に対する施策を講じればいいのではないでしょうか。


テレビで芸能人らが、「日本の力を、信じてる」と繰り返していますが、
それよりもまず、「日本の良識を、信じたい」と言いたいです。(里)

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
 (たけちゃん)
2011-04-05 20:12:52
すみませんです。
関係ないのにね?
あっちの事をこっちに持ち込むな!と言いたい。
同じ人間なんだし、すみませんです。
愛知県の朝鮮学校は、キムチとかを作って収入を獲てると聞きました。

また、そのキムチが激ウマで、リピーターさんが多いそうです。

俺の兄貴の親友にも在日の方がいて、よくキムチを作って持って来て下さいました。

そんなに辛くないんですよね?
甘味のある辛さが…関係ない話になりましてすみません。

つかこうへいさんの気持ちが伝わって欲しいです。
いつか公平ですよね?

長文失礼しました。
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