ギャラリーと図書室の一隅で

読んで、観て、聴いて、書く。游文舎企画委員の日々の雑感や読書ノート。

「夏の庭2023」はじまります

2023年07月30日 | 游文舎企画

関根哲男さんの大地から生えたようなズボン。人工芝と自然の芝との対比が面白い。


木や竹を使い力強さとしなやかさを表わす松本泰典さんの作品。


田中幸男さんの正二十面体。自然の中に、絵画作家らしい鮮やかな色彩が印象的。


松並木に掛けられた一本のロープ。ジグザグしながらもある地点から見ると一本の線に見えるという視覚に訴える前山忠さんの作品。


内藤晴久さんも風景を切り取った中に、水が集まる場所を作り空気や風や陽射しにどう反応するかを見せてくれます。


鉄を使い、溶接技術を生かして人体をつくり続ける杉崎那朗さん。三体で神話的世界が生まれました。


やはり鉄を使いながら、シンプルな単位を生かした霜鳥健二さんのシャープな抽象作品。


今年は和紙も使い、自然にしなやかに抗うたかはし藤水さんの作品。

游文舎企画展野外篇「夏の庭2023」7月30日から

2023年07月28日 | 游文舎企画


猛暑お見舞い申し上げます。
今年も野外展「夏の庭」の季節となりました。作品が並び始めました。今日は看板も立ちました。日中は「危険なほどの暑さ」ですが、今年は閉場時間を日没までとしています、少しでも過ごしやすい時間を選び、ぜひお出かけ下さい。

参加者 池原浩子(上越市)  井上智子(上越市) 猪爪彦一(新潟市) 霜鳥健二(燕市) 杉崎那朗(新潟市) 関根哲男(柏崎市) たかはし藤水(柏崎市) 田中幸男(見附市) 田端優子(上野原市) 茅原登喜子(新潟市) 内藤晴久(青梅市) 藤井芳則(新潟市) 星野健司(新潟市) 前山忠(上越市) 松本泰典(長岡市) 遊観遊音(長岡市) (50音順)


いつも片手を挙げて立っている自由の女神も、こんな芝生の上ではちょっと一休み。藤井さんの作品


流木を集めた井上さんの作品は、無数の記憶と時間をまとって。


川縁の「境界」に立つ白い旗。風になびいています。池原さんの作品。


重量感たっぷりの鉄の作品は星野健司さんの作品。どこか寓話的。


横たわる木の精?猪爪さんの作品。

30日午後三時よりアーティストトークです。また11日(金・祝)には遊観遊音さんによる即興演奏です。いずれも入場無料。
   

井上弘久独演「椿の海の記」7月22日、23日――石牟礼道子のための新たな声の文学

2023年07月12日 | お知らせ


「川の神さまがひゅんひゅん鳴いて、村々の小さな谷という谷を伝って川に下んなはるという「夜さり」の雰囲気はひどく神秘的だった。わたしは年寄りたちの話に息をひそめ、幼い畏怖をあらわして小鳴り聞いていた。」
「「川の神さまは、どげんひと?」「うん」「こまんかひと?ふとかひと?」「うーん、こもうもならす、ふとうもならす」「河童な?」「しーっ」「山童な?」老婆たちは口に指を立てて首を振る。「神さんな、見ちゃあならんと」」
「「山に成るものは、山のあのひとたちのもんじゃけん、もらいにいたても、慾々とこさぎ取ってしもうてはならん。カラス女の、兎女の、狐女のちゅうひとたちのもんじゃるけん、ひかえて、もろうて來」 おもかさまがささやくように、いつもそういう。まだ人界に交わらぬ世界の方に、より多くわたしは棲んでいた。」
(以上『椿の海の記』第一章「岬」より)

7月22日、23日、俳優井上弘久氏の独演(カリンバ弾き語り)『椿の海の記』が上演されます。『椿の海の記』は、水俣病患者の心の声を丹念に描いた『苦海浄土』で知られる石牟礼道子が、4歳の自分・みっちんを主人公にした自伝的小説です。盲目で神経殿(しんけいどん)=精神を病んだおもかさま(祖母)に寄り添うみっちん。神や動植物、人間を一続きに見るみっちんの視点から語られる不知火の海、家族、水俣の人々。自身の原点を描いた名作です。

井上氏は1952年東京生まれ、1979年より劇団転形劇場に所属、国内外で舞台を踏んだ後、1990年より劇団U・フィールドを主宰、構成・演出も務め、同劇団解散後、2013年より文学作品を一人で舞台化する「朗読演劇」をしています。
『椿の海の記』は2018年より上演開始、3年をかけて全11章の連続公演を果たし、現在全国行脚公演中、新潟県では初めての上演となります。
7月22日(土) 午後3時開場、3時30分開演
7月23日(日) 午後1時開場、1時30分開演
観覧料2000円
駐車場あり

定員各回30名 お早めにご予約ください。(チケットはありません。ご予約の上、当日受付にて観覧料をお支払い下さい)
お問合せ、お申込み  0257-32-1238

たかはし藤水インスタレーション「雫」

2023年07月03日 | 游文舎企画
2日からたかはしさんによるインスタレーション展がはじまりました。



ホールコンクリート部分には枝を集めた天蓋のようなものとそこからしたたり落ちた水が、流れる様を感じさせる一直線に並べられたビニールの袋。



そのままギャラリーへ、そして中央やや奥に敷き詰められたビニール袋と天上の塊。流れ着いた水が集まり、光り輝く床面はまるで生成の光に満ちた海面のようです。植物とビニール袋という、自然と人工の素材が、自然の光の中で一体となったようでもあります。
自然の光のシャワーをご一緒に体感して下さい。