ギャラリーと図書室の一隅で

読んで、観て、聴いて、書く。游文舎企画委員の日々の雑感や読書ノート。

チェンバロコンサートin游文舎

2015年10月07日 | 游文舎企画


10月24日午後4時より、チェンバロ演奏家・八百板正己さんのコンサートが開催されます。游文舎では三回目となる今年は、フルート奏者・武藤千明さんを招いて、華やかに、とのこと。
八百板さんといえばもちろん県内きっての演奏家であると共に、深い知識に裏打ちされたトークにも定評があります。演奏の合間、限られた時間の中で、曲のポイントだけでなく、その時代をも彷彿とさせるお話が、チェンバロを聴く楽しみを何倍にも膨らませてくれますし、初めて聴く方にもその魅力が生き生きと伝わってくるのです。
当日は、新潟市在住の信田俊郎さんの個展「光の場所」の初日でもあります。もともと貴族社会のサロンで楽しまれていたチェンバロ演奏ですから、小さな会場で次々と演奏活動を行っている八百板さんの演奏を、柏崎で聴く機会は今のところ游文舎だけです。大きな美術館とは異なり、作家の息づかいまでもが伝わってきて、作品をほとんど独り占めしながら観るようなギャラリーに通じるところがあるかも知れません。
昨年のこの時期には、猪爪彦一さんの個展会場での演奏でした。その後半部では、展示中の猪爪さんの銅版画作品にインスピレーションを得た即興の選曲によるバッハ演奏という、まさに八百板さんならではのプログラム。日常から非日常へとふっとワープしていく猪爪さんの作品との協奏です。さらにヘンデルの組曲は圧巻でした。心身共にとてつもないエネルギーを注ぎ込みながら、半ば陶然と、異空間を現出するような演奏に、会場一体となり、息を凝らして聴き入ったのでした。
聴き慣れた方でも、絵画のある空間で聴く演奏には、また違った味わいがありそうです。工芸品とも言えるチェンバロを目の前に、すばらしい演奏とお話、そして絵画との贅沢な時空間をぜひお楽しみ下さい。
事前のご予約をお願いいたします。(当日は500円増しとなります)
ご予約は
游文舎 Tel 0257-32-1238
八百板さん Tel 090-7254-5057