沖縄での一人暮らし

延べ8年間、沖縄で一人暮らしをしました。歴史・自然・文化を伝えます。

病棟と外来 ドクターとナース

2020-10-01 | 健康
病院には、外来と病棟の2つの世界がある。

これまでに4回、手術で入院してわかったが、病棟は、外来とは別世界だと思う。

(賑やかさと静けさ)
病人や怪我人が集まるのが病院だが、それでも外来は賑やかだ。人も多く、服装も色とりどりで、行動も多様だ。

病棟は違う。動き回る人や会話はほとんどなく、指定ベッドで寝巻き姿で居住する。聞こえるのはナースコール。コロナで面会禁止となり、重い静けさが漂う。

病院の休日、検査室に向かう廊下や待合は無人で明かりだけ。病院は別の顔になる。

(ドクターとナース)
外来は、予約制で、受付順に番号で呼ばれる。ドクターに受診し、必要な検査や措置・処方を受け、自分の状態を知り、今後の生活方針を定めていく。ドクターが中心の世界だ。

病棟は、食事や検査を含め患者の行動は、ドクター指示のもと、担当ナースが管理する。患者は名前で呼び、血圧、体温、食事・排便排尿のチェック、薬の処方を日夜定期的に行う。異常が有ればベッドのナースコールが命綱だ。

(手術後のドクター)
手術後のドクターは、多忙だ。
病棟の朝食は8時だが、8時30分にはドクターが毎日回診に来る。術後の状態を診て必要な措置を行い、患者に安心感を与えて、9時から始まる自身の外来に備える。

朝早く病院に来たのに「予約時刻が来ても診察が始まらない、医者は遅刻している」と待合室で不満を言う人がいるが、入院経験がなく、病棟のドクターの仕事が想像できないのだろう。

手術後には、執刀医、麻酔科、歯科口腔外科だけでなく、血液検査や術後状況を診て、消化器内科、整形外科、脳神経内科など様々なドクターが来た。21時近くになってドクターが回診に来た時には、驚き恐縮した。
治療費は出来高制ではなくDPCで病名で定額なのに、総力を上げて対応してくれる。

(手術後のナース)
手術後は、麻酔、酸素チューブ、ドレーン、カテーテル、点滴、酸素量測定、心電図、フットポンプなどがカラダに繋がっており、寝返りさえできない。これが3日も続くと、痛みも引かずに患者は相当滅入って来る。

ナースは献身的だ。術後に患者が入るICUや HCUは緊張感MAXだ。患者が一般病棟に移った後は、日夜二交代制で患者の健康状態を定期的に測定し、何か有れば駆けつける。
深夜眠れずに電動ベッドの角度を変えた際、懐中電灯を持ったナースが駆けつけて様子を見に来たのには驚いた。

患者の状態を観察し記録して、患者が落ち込んでる時には、さりげない会話の中で、退院後の生活の目標を見つけるように励ましてくる。QOLを考えている。

入院資料に記載があるのに「説明を受けていない」とナースに苦情を言った同室の患者が、検査入院中のナースの働きに接して、次第に協力的態度に変化して、御礼を言って退院して行ったのが印象深い。

ドクターもナースも患者も、QOLを目指して、病気や怪我、患者の弱い心と闘っているのだと思う。