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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

平清盛 第33回「清盛、五十の宴」~かような愉快な日々、終わってほしくない

2012年08月27日 | 大河ドラマ・時代劇
 清盛(松山ケンイチ)、まさにこの世の春である。
 やることなすこと、すべてが当たる。
 末弟・忠度(ムロツヨシ)もそう。
 清盛が勘で指名すると、忠度はその外観からは想像できない見事な歌を披露した。
 人生の絶頂期というのはこういうものなんでしょうね。

 舞についても、摂政・藤原基房(細川茂樹)、右大臣・兼実(相島一之)を圧倒するパフォーマンスを、重盛(窪田正孝)宗盛(石黒英雄)が行う。

 厳島神社では、従来の上へ上への<縦>の発想ではなく、斬新な<横>の発想を披露。
 時代は、藤原基房、兼実の旧来の発想をしのぐ新しい時代を迎えていたのだ。
 古い世代は退場しなければならない。

 実力・発想ともに時代のトップに立った平氏。
 極めつけは、沈んだ太陽。
「かような愉快な日々、終わってほしくない」と清盛が語れば、太陽はふたたび昇り、
「面白や、面白や」

 見事な栄耀栄華の描写ですね。
 藤原基房、兼実という旧勢力との対立軸があるから、なお平家の栄華が引き立つ。
 対決ということで、シーンに緊張感もあった。
 そして伊豆の頼朝(岡田将生)。
 ラストに頼朝の描写があったから、今回の平家の栄華が一時のものであることが想起される。

 そう言えば、兎丸の子・小兎丸は清盛に抱かれて泣いていましたね。
 決して笑うことなく、大泣きをしていた。
 おそらく赤ん坊は清盛を恐怖したのだろう。
 清盛の白河院の血、<邪悪>を感じたのかもしれない。

 おごれるものは久しからず。
 これから滅びに向かっていく平家。
 今回ここで重盛・宗盛・時忠(森田剛)ら、一族を描いたことは、後の物語を描く上で必須のこと。
 最近の大河ドラマは、こんな簡単な伏線すら張られていなかった。

 個人的には、忠度が平家一門を評して「面白き持ち味の方々」と言ったのにハマりました。
 これから「面白き持ち味の方々」の悲劇が始まる。 



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絶頂 (TEPO)
2012-08-27 11:53:07
漫画・アニメの世界では「最強無敵キャラ」の一類型として「ひたすらツキまくる」というタイプがあります。「無責任艦長タイラー」「ラッキーマン」などがそれで、ラッキーを強調するために常識的な意味での実力をそぎ落とし多少「おバカキャラ」として設定されます。

>やることなすこと、すべてが当たる。

「いや知らん」「訳などないわ」「ただ忠度に賭けただけじゃ」
この清盛の台詞にはタイラーの雰囲気を感じました。

私は今回の忠度のエピソード全体がこのために仕組まれていたようにも思いました。
清盛たちにその存在すら忘れられていた初対面の末弟。熊男然としたその風貌。碌に身の上話をする間もなく彼が踊りはじめた最中の摂関家兄弟の訪問。
つまり彼の歌の才能については一切の事前情報なし。「種も仕掛けもありません」という訳です。

しかしラッキーを本質とする夢物語的な漫画ではなく、史実も踏まえた生身の人物がこの域に達したとなるともはや「人間離れ」してきます。
続く「夕日呼び戻し」の奇跡と相俟って、「人間離れした絶頂」の描写は忍び寄る没落の予感を孕んでいます。

映像的にも、呼び戻した陽光の中を踊る清盛の姿にはこの世離れした雰囲気がありました。
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忠度 (コウジ)
2012-08-27 19:29:09
TEPOさん

いつもありがとうございます。
TEPOさんがアニメにも造詣が深いと知って、驚きました。

>「種も仕掛けもありません」という訳です。

まさにそのとおりですね。
僕などは、<実は忠度は西行の弟子で、清盛はそのことを知っていた>などと勝手に邪推していたのですが、<種も仕掛けもありません>という種明かしは見事ですね。
僕の邪推などをはるかにしのぐ種明かしでした。

<夕日呼び戻し>のエピソードも違和感なく見られました。
現実と幻想世界の境界のような描写。
おっしゃりとおり<この世離れした雰囲気>でしたよね。
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