ばば様(草笛光子)は昌幸(草刈正雄)に言う。
「強い者に従う。
真田はこうやって生き延びてきた。
下手に出て牙を隠して爪を隠して、この先、秀吉の勢いに陰りが見えたら寝首を掻く。
卑怯者で何が悪い」
どんなに卑怯でもカッコ悪くても生きる。
おそらく、これがこの作品のテーマなのだろう。
世の中を悲観して命を絶ったり、名誉や主義主張のために死ぬなんて、バカバカしい。
これが三谷幸喜さんの姿勢だ。
屈辱を味わい、「わしはどこで間違った?」と苦悩する昌幸の心が立ち直っていく後半の過程も見事だった。
まず、信幸(大泉洋)が現状を肯定する。
「父上は大名となり領地を守ったのです」
つらい時の<現状肯定の言葉>ほど、癒やされるものはない。
次に信繁(堺雅人)が松(木村佳乃)の生存を伝える。
すると、昌幸は、
「生きておっただけでも儲けもんじゃ。
つらい事があればその分、良いこともある。
世の中、ようできとるわい」
生きているだけで儲けもの。
領地を守れただけで儲けもの。
大名になれただけで儲けもの。
家族がいるだけで儲けもの。
国衆の真田家としては、十分に合格点ですよ。
それらに比べたら、嫌いなやつに頭を下げるくらいは何でもない。
心の中は自由で、牙を隠して生きていてもいいのだから。
これが、したたかに生きるということだ。
…………………………………………………………
とはいえ、ここで昌幸は第一線から退場するんでしょうね。
これからは信繁と信幸の物語になっていく。
戦国の混乱期が終わり、秩序の時代になっていったように、主役は昌幸から信繁たちに移行する。
まだまだ戦場で暴れたい信幸が「自分たちは遅れて生まれてきた」と嘆いたのは、そのためだろう。
豊臣→徳川→真田、という序列がうまれたのも、世の中が安定してきた現れ。
これからは石田三成(山本耕史)のような官僚が幅をきかせる、静かな権力闘争に時代になっていく。
武力で解決していく方法は後退し、政治と法と権威が物を言う時代になっていく。
…………………………………………………………
最後は姉上。
松はこんな人物だった。
・昌幸におんぶされると必ずしょんべんを漏らす(笑)
・カニで鼻を挟む(笑)
・高い木に登って、男の品定めをする(笑)
・干からびたカエルを渡す(笑)
随所に入るさりげないツッコミが面白い!
楽しい一家団欒でした!
「強い者に従う。
真田はこうやって生き延びてきた。
下手に出て牙を隠して爪を隠して、この先、秀吉の勢いに陰りが見えたら寝首を掻く。
卑怯者で何が悪い」
どんなに卑怯でもカッコ悪くても生きる。
おそらく、これがこの作品のテーマなのだろう。
世の中を悲観して命を絶ったり、名誉や主義主張のために死ぬなんて、バカバカしい。
これが三谷幸喜さんの姿勢だ。
屈辱を味わい、「わしはどこで間違った?」と苦悩する昌幸の心が立ち直っていく後半の過程も見事だった。
まず、信幸(大泉洋)が現状を肯定する。
「父上は大名となり領地を守ったのです」
つらい時の<現状肯定の言葉>ほど、癒やされるものはない。
次に信繁(堺雅人)が松(木村佳乃)の生存を伝える。
すると、昌幸は、
「生きておっただけでも儲けもんじゃ。
つらい事があればその分、良いこともある。
世の中、ようできとるわい」
生きているだけで儲けもの。
領地を守れただけで儲けもの。
大名になれただけで儲けもの。
家族がいるだけで儲けもの。
国衆の真田家としては、十分に合格点ですよ。
それらに比べたら、嫌いなやつに頭を下げるくらいは何でもない。
心の中は自由で、牙を隠して生きていてもいいのだから。
これが、したたかに生きるということだ。
…………………………………………………………
とはいえ、ここで昌幸は第一線から退場するんでしょうね。
これからは信繁と信幸の物語になっていく。
戦国の混乱期が終わり、秩序の時代になっていったように、主役は昌幸から信繁たちに移行する。
まだまだ戦場で暴れたい信幸が「自分たちは遅れて生まれてきた」と嘆いたのは、そのためだろう。
豊臣→徳川→真田、という序列がうまれたのも、世の中が安定してきた現れ。
これからは石田三成(山本耕史)のような官僚が幅をきかせる、静かな権力闘争に時代になっていく。
武力で解決していく方法は後退し、政治と法と権威が物を言う時代になっていく。
…………………………………………………………
最後は姉上。
松はこんな人物だった。
・昌幸におんぶされると必ずしょんべんを漏らす(笑)
・カニで鼻を挟む(笑)
・高い木に登って、男の品定めをする(笑)
・干からびたカエルを渡す(笑)
随所に入るさりげないツッコミが面白い!
楽しい一家団欒でした!
大事そうにしてる匂い袋映したりするからそっちのなかと思わせておいて…そこで意表つきますか
秀吉のことだからすぐに上洛したとしても真田を家康懐柔のための山車にしていただろうし…はやく上洛すべきだったか粘るべきだったかは正解はないでしょう
…家康の下とはいえ大名として領地安堵で自治権獲得したんだから万々歳ではあるですけどね
家康は高笑いだけど…あの因縁ある昌幸が下につくって…これほど怖いこともないような(笑)
散々大名でもない父親を連呼してたのに…いざ上洛したのに扱いがぞんざいだと憤る兄上…たしかに昌幸パパがあいつは腹芸(芝居)が出来ないと評価したのはわかりますね
あと矢沢の大叔父上、もはや駄々っ子ですね(笑)
先週上田城が田舎に見えたというのはやはりこのこと-昌幸は卓越した戦術家であっても政治家ではなかったということ-でしょうね。
でも、これからも戦が完全に無いわけではなく、まだ昌幸の活躍の場はあるでしょう。
まず第二次上田合戦、また九度山で昌幸は信繁に大坂の陣の策を授けたとも言われています。
もっとも小田原攻めの際には、真田軍は石田三成が武将としての無能をさらけ出した例の「のぼうの城」忍城攻めに参加させられるようです。
三成の下にあって、真田家の人々は散々にもどかしさを味あわされることでしょう。
ところで昌幸の「背中が小さく」なってゆくのと反比例して頼もしくなってきたのがきり。
松の引き取り、信繁の使命への激励、かつての「ウザきり」とは別人のようです。
松の記憶回復まで彼女の手柄でした。
>松はこんな人物だった。
この場面で私が一番可笑しかったのは、別人格「藤」としての「姉上っていうのは随分変わった人だったみたいね」という台詞でした。
なお記憶を失っても、自分が阿国の次に踊りが上手くて人気があるとか、「姉上ってのやめてくれない。せめて妹に」とか言っているところも笑わせてくれました。
いつもありがとうございます。
確かに、匂い袋、映されていましたね。
それを記憶を呼び起こす道具にしないなんて、視聴者は予定調和を完全に崩されました(笑)
かかとのかさかさに対して、「そっちかよ!」とツッコミを入れたくなる。
松の記憶が戻るのが性急で唐突だったので、ここは笑いでゴマかしたかったのかもしれませんね。
腹芸。
今回は、昌幸の腹芸が見事でしたね。
何か言われても、腹の底から声を出して、「はっ」としか言わない。
それでいて裏では、理不尽さに嘆き、怒っている。
おっしゃりとおり、信幸との違いが大きく出ましたね。
あと叔父上も(笑)
昌幸は魅力的な大人です。
橋下徹、舛添要一などはぺらぺらと言葉が出てきますが、弁解がましくてカッコ悪い。
いつもありがとうございます。
忍城攻めに関わるんですか。
映画『のぼうの城』を見ているので楽しみです。
第2次上田合戦は、第1次の描写が面白かったので、これまた期待です。
今度はスケールが大きくなりそうですね。
大坂の陣に関しては、今回、昌幸は大坂城を見て、「大きな城ほど攻めやすい。弱点となる場所は必ずあるから調べておけ」と言っていましたね。
おそらく、大坂城の弱点→真田丸建造になるのでしょうが、見事な伏線です。
きりに関しては、僕としては最近の変化が嬉しいです。
僕は、梅よりは、きり派でして。
松のシーンは、ツッコミが満載でしたね。
「姉上っていうのは随分変わった人だったみたいね」というのもさりげないツッコミ。
ボケとツッコミは漫才だけのものでなく、ドラマでも会話を弾んだものにしますよね。