今回は政次(高橋一生)にとって、永年の苦労が報われた最高の時だっただろう。
今川の呪縛から解き放たれ、誰にも遠慮せず、井伊と小野が手を携える時代が来たからだ。
もはや政次は悪役を演じなくてもいいし、日の光のもとで直虎と堂々と碁を打てる。
直虎(柴咲コウ)とは殿様ごっこ(笑)の後に、こんな心の交流。
商人、百姓、盗賊に慕われる直虎を評してこう語る。
「かような領主はこの日の本、他のどこにおられますか?
私には到底、左様な芸当は出来ませぬ。
降りる道などもはや許されません、殿には」
なつ(山口紗弥加)には直虎との想いの違いを語り、
「そなたを手放したくないのだ」
おそらく政次にとって、直虎は〝殿〟であり、〝幼なじみ〟であり、〝手を触れてはならないもの〟だったのだろう。決して男と女の関係にはなれず、時折、〝幼なじみ〟が顔を出す〝殿と家老〟の関係が合っている。
でも、なつさんは。
真の理解者であり、どんなことがあっても信じて支えてくれる心の拠り所。
平穏な時代だったら、このふたり、きっといい夫婦になっていただろう。
そして、今までの苦労の総決算!
政次は小野の家臣たちの前で、こう叫ぶ。
「これより小野は徳川にこの城を明け渡す! 徳川につき、そのもとで井伊家を再興する!」
「にわかに信じられないであろうが、井伊と小野はふたつでひとつであった!」
このことを言うために政次は今まで苦労してきた。
この時の政次の晴れ晴れとした顔と言ったら!!
しかし………。
人間社会というのは残酷だ。
今まで政次がして来たことの表面しか見ずに、疑う者が出てくる。
いや、疑うどころか、敵に通じているとして命を奪おうとする。
〝不信〟というのは負のスパイラルをもたらすんですね。
だから人間社会から、争いごとや悲惨が絶えない。
希望から絶望へ。
政次の心中を察すると、つらくなる。
政次は彼の父親が語った〝小野家の背負った業〟を実感したことだろう。
それは〝運命〟なのか、〝因果応報〟なのか。
視聴者も最高に盛り上がった所で水をぶっかけられた。
次回は高橋一生さん、一世一代の芝居が見られそうだ。
今川の呪縛から解き放たれ、誰にも遠慮せず、井伊と小野が手を携える時代が来たからだ。
もはや政次は悪役を演じなくてもいいし、日の光のもとで直虎と堂々と碁を打てる。
直虎(柴咲コウ)とは殿様ごっこ(笑)の後に、こんな心の交流。
商人、百姓、盗賊に慕われる直虎を評してこう語る。
「かような領主はこの日の本、他のどこにおられますか?
私には到底、左様な芸当は出来ませぬ。
降りる道などもはや許されません、殿には」
なつ(山口紗弥加)には直虎との想いの違いを語り、
「そなたを手放したくないのだ」
おそらく政次にとって、直虎は〝殿〟であり、〝幼なじみ〟であり、〝手を触れてはならないもの〟だったのだろう。決して男と女の関係にはなれず、時折、〝幼なじみ〟が顔を出す〝殿と家老〟の関係が合っている。
でも、なつさんは。
真の理解者であり、どんなことがあっても信じて支えてくれる心の拠り所。
平穏な時代だったら、このふたり、きっといい夫婦になっていただろう。
そして、今までの苦労の総決算!
政次は小野の家臣たちの前で、こう叫ぶ。
「これより小野は徳川にこの城を明け渡す! 徳川につき、そのもとで井伊家を再興する!」
「にわかに信じられないであろうが、井伊と小野はふたつでひとつであった!」
このことを言うために政次は今まで苦労してきた。
この時の政次の晴れ晴れとした顔と言ったら!!
しかし………。
人間社会というのは残酷だ。
今まで政次がして来たことの表面しか見ずに、疑う者が出てくる。
いや、疑うどころか、敵に通じているとして命を奪おうとする。
〝不信〟というのは負のスパイラルをもたらすんですね。
だから人間社会から、争いごとや悲惨が絶えない。
希望から絶望へ。
政次の心中を察すると、つらくなる。
政次は彼の父親が語った〝小野家の背負った業〟を実感したことだろう。
それは〝運命〟なのか、〝因果応報〟なのか。
視聴者も最高に盛り上がった所で水をぶっかけられた。
次回は高橋一生さん、一世一代の芝居が見られそうだ。
>次回は高橋一生さん、一世一代の芝居が見られそうだ。
これまでのところ、やはり本作は小野政次が実質的な主人公であり、次回はその「最終回」。
政次を「主家を簒奪した逆臣」とする通説とは正反対に「究極の忠臣」として描き切ってきた森下さんのコンセプトは見事でした。
政次の真意に気づいていながら気づかないふりをしていた、という小野家家臣団の告白も「盛り上がり」に色を添えていたと思います。
あとほんの少しで「大団円」というところで……という演出も効果的ですね。
「ぶっかけ」役はたしかに材木や仏像の件では確執もあった近藤康用。
いわゆる「史実」に向けての残酷な着地点も見えてきました。
私の予想より1話分早く、あと4ヶ月をどうするのだろうかとの思いはありますが、何はともあれ「高橋一生さん、一世一代の芝居」を堪能することにしましょう。
ところで、何度か言及していますが、やはり私にとっては本作で最も魅力的な女性キャラはなつです。
控えめだが賢く、細やかな思いやりに満ちており、それが政次の繊細さとも見事に共鳴しています。
公式HPでは、演じる山口紗弥加さんへの再度のインタビューが紹介されていました。第25話で政次に後ろから抱きつく場面の演技では当惑して悪戦苦闘だった山口さんですが、今回求婚の「セリフを台本で初めて目にしたときは単純にうれしさからではなく、色んな考えが巡って号泣してしまった」とのこと。
政次の肩に顔を埋めながら、「かような時には殿のことはもう何とも思うてないと言うものですよ。なれど……私がお慕い申し上げているのはさような義兄上様にございますれゆえ」。
最高の(おそらくは大人好みの)ラブシーンでした。
おっしゃるとおり、政次の直虎に対する思いの方は男女の関係を超えたものなのだろうと思います。
実際、柴咲コウさんはおそらく現在の日本有数の美形女優であるにもかかわらず、ちょっと申し訳ないのですが、直虎にはほとんど「女性」を感じられません。
おそらくそれは「殿」姿の扮装のせいかもしれません。
今一時的に「墨染めの衣に頭巾」の通常の尼僧姿に戻っていますが、私にはその方がむしろ落ち着いていて魅力的なのですが。(笑)
史実・通説はどうであれ
小野政次の真の姿は こうであったかもしれないと思えるようになりました。
何故ならば 政次の甥(玄蕃の息子)は井伊直政に仕えているからです。
逆臣、奸臣であったならば考えにくいことです。
直虎と政次 なつと政次 いずれも良い関係ですね。
私も このドラマの中の女性像はなつがいちばん好きです。
直虎も墨染の衣の尼僧姿が似合っていると思います。
(高橋さんと山口さんは高校の同級生だそうですね)
政次の最期、しかと見届けたいです。
直近の録画3話は 一生さんの出番が多いので消去していません。
余談ですが、僧兵の市原隼人さんも好きですよ。
いつもありがとうございます。
今作は、小野政次を上手く再解釈しましたよね。
史実の資料では、「小野但馬は主家を裏切った」としか書かれていないのでしょうが、それを作家の想像力で上手く掘り下げました。
TEPOさんは、なつが好きですよね!
僕はお子ちゃまなせいか、なつの女心の微妙な襞がイマイチよくわからないんです……。
引用されている山口紗弥加さんの「セリフを台本で初めて目にしたときは単純にうれしさからではなく、色んな考えが巡って号泣してしまった」も、どいうことなんだろう? と改めて考えさせられてしまいました。
ただ、直虎に「女性」を感じないのは、僕も同意です(笑)
これは柴崎さんの演技プランなのでしょうが、直虎はどこか、おとわの部分を残している。
「篤姫」も「JIN」の咲さんも、どこか少女性を残していましたが、主人公・ヒロインは中性的な方がいいのかもしれませんね。
>政次の甥(玄蕃の息子)は井伊直政に仕えている
>高橋さんと山口さんは高校の同級生
貴重な情報ありがとうございます!
こういうことを知っていると、作品を見る目が変わりますよね。
特に同級生ネタは現場での様子をいろいろ想像してしまう!
それと、昨今の3話録画、消去なしですか。
確かに一生さんファンには最近のエピソードはたまりませんよね。
次回はもっとすごくなりそう。
僕は最近のドラマはほとんど消去しています。
木村文乃さんのファンなのに、『ボク、運命の人です』も消してしまった。
最近、感性が鈍ったのか、なかなか作品にのめり込めないんですよね。