官兵衛(岡田准一)の九州での戦いと関ヶ原前夜。
見応えがありました。
まず、官兵衛が九州で兵を挙げた時のそれぞれのリアクションが面白い。
このことを「如水も徳川に味方した」と捉えた井伊直政(東幹久)に対し、家康(寺尾聰)はその裏を読み取って、
「如水め、油断ならぬ男だ。この機に乗じて何をしでかすか!」
名将は名将を知る。
後藤又兵衛(塚本高史)も「大殿は天下を狙っておられるのでは……」と状況判断。
これに対し、長政(松坂桃李)は「それ以上、申すな」と官兵衛の真意を見抜いた様子。
黒田は徳川殿に賭けた。黒田の当主はわしじゃ、と父親のしていることに否定的な見解も漏らした。
長政は、何とか父親越えをしたいと思っているんでしょうね。
父親のように自主独立の第三の道を歩まず、家康に臣従してついていくという自らの姿勢に劣等感を持っていたのかもしれない。
又兵衛と長政の関係も少しぎくしゃく。
又兵衛はどちらかというと、官兵衛寄りですからね。
輿に乗った官兵衛が指揮をする姿も絵になる。
この姿を見た敵兵は「黒田だー」「黒田が来たぞー」と逃げ惑う。
敵にとっては官兵衛が戦場にいるだけで、脅威なんでしょうね。
家康とともに官兵衛は激しい戦国時代の唯一の生き残り。
軍事面で豊臣政権をつくった男。
恐怖の存在にならないわけがない。
食客・吉弘統幸(的場浩司)や他の黒田家家臣(たとえば小早川秀秋の所にいた隻眼の男)を描けなかったのは残念。
これを描いていたら、もっと盛り上がっただろうに。
死ぬ間際の吉弘統幸が「味噌汁は美味しかった」と史実で言ったかどうかはわかりませんが、味噌汁を飲むシーンが描かれていれば説得力があったのに、これでは陳腐なせりふになってしまう。
さて、今回の最後はオープニングについて。
やっと気づきましたが、あれはすべて<水>のイメージで、官兵衛の生涯を描いていたんでしょうね。
前半の走る馬は、秀吉とともに天下取りをしていた頃の官兵衛。
水でありながら、しっかりと馬の形をしている。
水がしっかりと形をなしている。
中盤では、馬の形ではなく、官兵衛は水の中に沈んでいる。
これは不遇時代の官兵衛か?
そして後半で流れる水。
まさに如水。
そしてラストは水の流れの中から浮き出る光。
これは安寧や豊かさといった実りをもたらした官兵衛の生涯を総括しているのであろう。
水は怒濤の力で軍馬にもなるし、大地に流れて実りももたらす。
官兵衛はまさに如水、水だったんですね。
見応えがありました。
まず、官兵衛が九州で兵を挙げた時のそれぞれのリアクションが面白い。
このことを「如水も徳川に味方した」と捉えた井伊直政(東幹久)に対し、家康(寺尾聰)はその裏を読み取って、
「如水め、油断ならぬ男だ。この機に乗じて何をしでかすか!」
名将は名将を知る。
後藤又兵衛(塚本高史)も「大殿は天下を狙っておられるのでは……」と状況判断。
これに対し、長政(松坂桃李)は「それ以上、申すな」と官兵衛の真意を見抜いた様子。
黒田は徳川殿に賭けた。黒田の当主はわしじゃ、と父親のしていることに否定的な見解も漏らした。
長政は、何とか父親越えをしたいと思っているんでしょうね。
父親のように自主独立の第三の道を歩まず、家康に臣従してついていくという自らの姿勢に劣等感を持っていたのかもしれない。
又兵衛と長政の関係も少しぎくしゃく。
又兵衛はどちらかというと、官兵衛寄りですからね。
輿に乗った官兵衛が指揮をする姿も絵になる。
この姿を見た敵兵は「黒田だー」「黒田が来たぞー」と逃げ惑う。
敵にとっては官兵衛が戦場にいるだけで、脅威なんでしょうね。
家康とともに官兵衛は激しい戦国時代の唯一の生き残り。
軍事面で豊臣政権をつくった男。
恐怖の存在にならないわけがない。
食客・吉弘統幸(的場浩司)や他の黒田家家臣(たとえば小早川秀秋の所にいた隻眼の男)を描けなかったのは残念。
これを描いていたら、もっと盛り上がっただろうに。
死ぬ間際の吉弘統幸が「味噌汁は美味しかった」と史実で言ったかどうかはわかりませんが、味噌汁を飲むシーンが描かれていれば説得力があったのに、これでは陳腐なせりふになってしまう。
さて、今回の最後はオープニングについて。
やっと気づきましたが、あれはすべて<水>のイメージで、官兵衛の生涯を描いていたんでしょうね。
前半の走る馬は、秀吉とともに天下取りをしていた頃の官兵衛。
水でありながら、しっかりと馬の形をしている。
水がしっかりと形をなしている。
中盤では、馬の形ではなく、官兵衛は水の中に沈んでいる。
これは不遇時代の官兵衛か?
そして後半で流れる水。
まさに如水。
そしてラストは水の流れの中から浮き出る光。
これは安寧や豊かさといった実りをもたらした官兵衛の生涯を総括しているのであろう。
水は怒濤の力で軍馬にもなるし、大地に流れて実りももたらす。
官兵衛はまさに如水、水だったんですね。
>食客・吉弘統幸(的場浩司)や他の黒田家家臣(たとえば小早川秀秋の所にいた隻眼の男)を描けなかったのは残念。
>これを描いていたら、もっと盛り上がっただろうに。
本作は伏線を張るのが上手でしたが、この場面にまで伏線を張る時間的余裕がなかったのでしょうね。
他ブログでもバランスの悪さを指摘する意見が多いようです。
織豊期の武将を主人公にすると、どうしても「信長外伝」「太閤記外伝」になってしまいがちです。
黒田官兵衛を描く以上、秀吉との物語は不可欠でしょうが、前半で信長パートの比重が大きすぎたことは否めないと思います。
作家としては荒木村重(や明智光秀)の立場を描き込みたかったのでしょうが、やはり家臣団との絆など「黒田家」の方についてもっと時間を割いて丁寧に書き込むべきだったでしょうね。
先週「黒田家の絆」が話題となったので、少し時間があるときに過去の録画の中から、「善助とお道」「幽閉された官兵衛救出作戦」など、黒田家家臣団に関わる場面のみを選んで見直してみましたが、この「私設総集編」はなかなか良かったと思いました。
>輿に乗った官兵衛が指揮をする姿も絵になる。
官兵衛「最後の大暴れ」の雰囲気はとても気分がいいですね。
官兵衛は「生涯不敗」の武将だった、というのですから、物語全体をこの調子にしてもっと痛快なドラマにした方が楽しかったと思います。
狂気の秀吉晩年の「おもり」と三成の策謀も、官兵衛なりに「不敵な笑み」を浮かべてやりすごす、とか。
>さて、今回の最後はオープニングについて。
>やっと気づきましたが、あれはすべて<水>のイメージで、官兵衛の生涯を描いていたんでしょうね。
公式HPでそうしたことを読んだ記憶があります。
おっしゃる通り「如水」にちなんでいるようです。
官兵衛の人生全体、やはり「如水」ということで総括されるのでしょうね。
いつもありがとうございます。
「私設総集編」、いいですね。
今度、僕もやってみます。いくさのシーンばかりを集めたもので。
前回に引き続いての、TEPOさんの痛快ドラマ論。
これも見てみたいですね。
テレビ東京の12時間時代劇とかで、やってもらえないものでしょうか。
テレビ東京が「自分たちはNHKとは違った視点で官兵衛を描いてみました、と言えば、結構、話題になると思うのですが。
オープニングの水は、すでにHPで語られてたんですね。
僕は横着な視聴者なので、HPをチェックしていなくて。
HPをチェックしていれば、より深く作品を愉しめそうですね。