信繁(堺雅人)は叫ぶ。
「夢物語はいい加減にして下さい、父上!
徳川と豊臣、どちらも味方しないのはどちらも敵にまわすこと!
徳川か豊臣、どちらかについて生き残るしかありません!」
信繁が父・昌幸(草刈正雄)を越えた瞬間だ。
時勢を読む力において、信繁は昌幸より勝っていた。
信幸(大泉洋)はさらに上の策を語った。
「源次郎、お前と父上は豊臣につけ。俺は徳川に残る。
それが最善の道だ! いずれが勝っても真田は残る」
信幸もまた父親を乗り越えた。
しかも、以下のようなとても大きな構想で。
「われらは決して敵味方に分かれるのではない。
豊臣が勝った時はお前はあらゆる手を使って俺を助けよ。
そしてもし、徳川が勝ったならば、俺はどんな手を使ってもお前と父上を助けてみせる!
これはわれら親子3人がいつの日かまた膝を突き合わせて語り合う日のための策じゃ!
たとえ徳川と豊臣に分かれても、常に真田はひとつでございます!」
このふたりの構想を聞いた後、昌幸はひとりで酒を飲んでいたが、立派に育った息子たちに満足した笑みを浮かべていた。
同時に、自分の時代は終わったのだという苦みも。
複雑な心情ですね。
嬉しくもあり哀しくもあり。
草刈正雄さん、味わいのある芝居!
……………………………………………………
女性たちも真田家のために動き出した。
稲(吉田羊)はこれまで真田の内情を伝える徳川のスパイだったが、こう語った。
「わたしは真田伊豆守の妻でございます。
徳川に動きを知らせるような真似は決していたしませぬ!」
きり(長澤まさみ)と春(松岡茉優)は張り合っている(笑)
「皆さん、わたしについてきて下さい! 心配ございません!」
「母上様は必ずこの春が上田までお連れいたします」
そして、きりがなおも、しゃしゃり出てくると、
「きりさんは細川さんにお仕えしているのではないのですか?」
「こっちの方が大事です。向こうの方はしらばっくれちゃいます。←いい加減(笑)
わたしは真田のおなごですから!」
戦乱の荒波の中、<真田丸>という船を沈没させないように、みんなが頑張っている。
いい家族ですね。
活気のある家族ですね。
息子と父はそれぞれの立場で知恵を絞り、意見を戦わせ、女性たちは自分の役割を果たそうとしている。
こんな真田家と比べると、豊臣家はさびしい。
家族同様に育ててきた者たちは策に乗せられ、次々と離反していく。
秀吉のつくってきた家族とは何だったのか?
……………………………………………………
生き残る。
生きる。
これは第二のテーマで、きりは死を求める細川ガラシャ(橋本マナミ)が理解不能で、何とか救おうとした。
大谷吉継(片岡愛之助)も死を覚悟している三成(山本耕史)にこう諭した。
「共に死ぬなど、まっぴらご免。
兵を挙げるからには必ず勝つという気概がなくてどうする?
わしがお前を勝たせてみせる」
真田丸という<家族>と<生き残ること>。
これが、この作品のテーマなんですね。
……………………………………………………
関連動画として、こんなのがありました。
「真田太平記」犬伏の別れ(YouTube)
真田幸村/草刈正雄←幸村をやっていたのかーー!
真田信幸/渡瀬恒彦
真田昌幸/丹波哲郎
「夢物語はいい加減にして下さい、父上!
徳川と豊臣、どちらも味方しないのはどちらも敵にまわすこと!
徳川か豊臣、どちらかについて生き残るしかありません!」
信繁が父・昌幸(草刈正雄)を越えた瞬間だ。
時勢を読む力において、信繁は昌幸より勝っていた。
信幸(大泉洋)はさらに上の策を語った。
「源次郎、お前と父上は豊臣につけ。俺は徳川に残る。
それが最善の道だ! いずれが勝っても真田は残る」
信幸もまた父親を乗り越えた。
しかも、以下のようなとても大きな構想で。
「われらは決して敵味方に分かれるのではない。
豊臣が勝った時はお前はあらゆる手を使って俺を助けよ。
そしてもし、徳川が勝ったならば、俺はどんな手を使ってもお前と父上を助けてみせる!
これはわれら親子3人がいつの日かまた膝を突き合わせて語り合う日のための策じゃ!
たとえ徳川と豊臣に分かれても、常に真田はひとつでございます!」
このふたりの構想を聞いた後、昌幸はひとりで酒を飲んでいたが、立派に育った息子たちに満足した笑みを浮かべていた。
同時に、自分の時代は終わったのだという苦みも。
複雑な心情ですね。
嬉しくもあり哀しくもあり。
草刈正雄さん、味わいのある芝居!
……………………………………………………
女性たちも真田家のために動き出した。
稲(吉田羊)はこれまで真田の内情を伝える徳川のスパイだったが、こう語った。
「わたしは真田伊豆守の妻でございます。
徳川に動きを知らせるような真似は決していたしませぬ!」
きり(長澤まさみ)と春(松岡茉優)は張り合っている(笑)
「皆さん、わたしについてきて下さい! 心配ございません!」
「母上様は必ずこの春が上田までお連れいたします」
そして、きりがなおも、しゃしゃり出てくると、
「きりさんは細川さんにお仕えしているのではないのですか?」
「こっちの方が大事です。向こうの方はしらばっくれちゃいます。←いい加減(笑)
わたしは真田のおなごですから!」
戦乱の荒波の中、<真田丸>という船を沈没させないように、みんなが頑張っている。
いい家族ですね。
活気のある家族ですね。
息子と父はそれぞれの立場で知恵を絞り、意見を戦わせ、女性たちは自分の役割を果たそうとしている。
こんな真田家と比べると、豊臣家はさびしい。
家族同様に育ててきた者たちは策に乗せられ、次々と離反していく。
秀吉のつくってきた家族とは何だったのか?
……………………………………………………
生き残る。
生きる。
これは第二のテーマで、きりは死を求める細川ガラシャ(橋本マナミ)が理解不能で、何とか救おうとした。
大谷吉継(片岡愛之助)も死を覚悟している三成(山本耕史)にこう諭した。
「共に死ぬなど、まっぴらご免。
兵を挙げるからには必ず勝つという気概がなくてどうする?
わしがお前を勝たせてみせる」
真田丸という<家族>と<生き残ること>。
これが、この作品のテーマなんですね。
……………………………………………………
関連動画として、こんなのがありました。
「真田太平記」犬伏の別れ(YouTube)
真田幸村/草刈正雄←幸村をやっていたのかーー!
真田信幸/渡瀬恒彦
真田昌幸/丹波哲郎
再び全員で笑いあうために勝った側についた方が全力で救うと誓いあう。全員が生き延びるために別れる…という解釈いですねぇ…
信幸は命をかけて助命嘆願をし、九度山に送られた父と弟の世話をするわけですね
そして「勝った」といった吉継…実際兵力や布陣からしても西軍がかっていてもおかしくなかったが…
江雪斎が自分はスパイだと明かしたことで小早川がきな臭くなってきた
それにしても…周りが見えなくなりがちな三成にくらべて吉継は上手いですね。前回はあそこから三成がどう盛り返したのだろうとおもったがやはり吉継
「負けるかもしれんが義のため」じゃだめなんですよね、やるからには勝つと鼓舞して、あつまった大名にも見返りを与えないと
いつもありがとうございます。
<家>ではなく、<全員が生きのびて酒を酌み交わすこと>。
これを犬伏の別れの主な動機とした所は、三谷幸喜さんの反骨を感じますね。
<家>や<国家>のために戦うんじゃないんだという思想を感じます。
九度山への流れもこれでスムーズになりましたね。
>「負けるかもしれんが義のため」じゃだめなんですよね、やるからには勝つと鼓舞して、あつまった大名にも見返りを与えないと
吉継は<現実主義者>ですよね。
<義>や<豊臣への恩義>といった理想を追い、美しく死ぬことに美学さえ感じている三成にしっかり釘を刺している。
これも三谷さんの反骨ですよね。
おそらく、国のため美しく死ぬことが美徳とされた太平洋戦争時代への思いがあるのだと思います。
今回について家内が「良かった」と言っていましたが今録画を見て納得しました。
思えば本作は「よく出来た作品」だとは思いましたが、「胸が熱くなる」思いは今回が初めてだったように思います。
私好みの「心の通い合い」満載でしたから、私にとっては次回以降展開するであろう関ヶ原・第二次上田合戦以上の盛り上がり場だったと思います。
何と言っても、父子三人の場面が良かったと思います。
場面の解説についてはコウジさんがコメントされているところに全く同感です。
「真田が生き残るための知恵」とはよく言われますが、息子たち、特にその最終的全貌が信幸から出たところがよかったと思います。
>われら親子3人がいつの日かまた膝を突き合わせて語り合う日のための策じゃ!
「涙の別れ」を予想した人もおられたかもしれませんが、3人が膝を突き合わせて語り合う表情のすがすがしさが非常に印象的でした。
「心が一つ」ということが実によく表現されていたと思います。
また石田三成と大谷吉継との「男の友情」。
「儂はあの男が来るのを待っていたのかもしれんな」
「現実主義者」吉継が自らの死期も近いことを思い、三成と運命を共にすることを決めた瞬間。
また、ご指摘のとおり稲が「真田家の女」としての立場を明らかにした場面。
父忠勝の手紙を持ってくるところは前も信幸に対してありましたが、今回は昌幸はじめ真田家の人々全員。
>きりと春は張り合っている(笑)
前回の三成による暴露以来、春は優等生の仮面を脱ぎ捨ててきりと共にコミカルキャラに脱皮したのでしょうか。
いつもありがとうございます。
三人のシーン、よかったですよね。
ダメ押しとばかりに、三人で韓信の<背水の陣>の話も持ってきましたし。
「父上は日本の韓信」
息子としては、その前段階で昌幸を貶めてしまったので気を遣ったんでしょうね。
昌幸もそんなことをわかっていて、話に乗り、楽しく酔っている。
>「儂はあの男が来るのを待っていたのかもしれんな」
吉継はこのまま病で朽ち果てていくのは嫌で、<最後の大仕事>をしたかったんでしょうね。
でも、吉継は<死に場所>を求めていたのではない。
あくまで勝って、最後の大仕事として後世に名を残したかった。
関ヶ原で、吉継がどんな言葉を残すのか楽しみです。
そして、この吉継の生き様は信繁に引き継がれるんでしょうね。
家康のもとに突入するのは、死に場所を得るためではなく、いくさに勝つため。
決して<特攻隊>ではなかった。
そんなシーンが思い浮かびます。