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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

平清盛 第27回「宿命の対決」~「朝敵を討て! 藤原信頼と源義朝を追討せよ!」

2012年07月09日 | 大河ドラマ・時代劇
 中納言・信頼(塚地武雅)に面従腹背の清盛(松山ケンイチ)。
 帝を奪還しなければ<朝敵>になってしまいますからね、機会が来るまでガマンする。
 清盛は随分したたかに大人になりました。
 以前のような直情径行はなくなり、しっかり待てるようになった。

 一方、清盛は寝返った藤原経宗(有薗芳記)と惟方(野間口徹)を怒鳴りつけた。
 彼らに対しては下手に出るよりは強く出た方が有効だと考えたのであろう。
 相手によって対応を使い分けている。飴と鞭で相手を意のままにしている。
 何というしたたか!
 結果、二条帝(冨浦智嗣)を奪還し、帝に「朝敵を討て! 藤原信頼と源義朝を追討せよ」と言わしめる。
 これで清盛は大義を得た。

 そして源氏との決戦。
 いったん兵を退かせて、加茂川で待ち受けるという作戦を取った。
 降り注ぐ三千の兵の弓矢。
 前半の面従腹背からここまで、すべて清盛の描いたシナリオどおり。
 清盛は見事な策士になった。
 まるで信西(阿部サダヲ)が乗り移った感じ。
 きっと清盛は信西と共にいて<策士の才>を学んだのでしょうね。
 「勝ち続けるためにどんなこともする」と心に決めた。

 しかし、義朝(玉木宏)に対する時は、昔の清盛に戻った。
 平氏と源氏、どちらが強いかを決めるためだけに純粋に闘う。
 まるで若い時、ふたりで<馬くらべ>をしたのと同じ感じ。
 義朝を斬れなかったのも昔の清盛。
 「勝ち続けるためにどんなこともする」と誓ったのに、ここで<甘さ>を見せた。
 敗軍の将として義朝はいずれ捕えられ殺されることはわかっていたが、清盛は自分の手では殺せなかった。
 ここには非情に徹しきれない、やさしい昔の清盛がいる。

 というわけで、見事な平治の乱でした。
 清盛が藤原経宗と惟方を怒鳴りつけて意のままにしたということは、朝廷で清盛の発言力が一番になったことの象徴。
 そして貴族たちは、今回のことで<武力>の恐ろしさを知り、味方につけなければならないことを認識したはず。
 やって来る清盛の時代。
 立ちはだかるのは後白河上皇(松田翔太)か?



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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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惜別の儀式 (TEPO)
2012-07-09 22:10:51
>しかし、義朝(玉木宏)に対する時は、昔の清盛に戻った。

清盛vs忠正に続く大将同士の一騎打ち場面。
しかし対忠正戦の時以上に現実離れしている-互いに一人の供も連れることなく二人だけ、勝負が決してもおっしゃる通り自分では殺さない-ため、かえって違和感なく観賞することができました。
鴨川に見立てた河原の美しい景色、松山さんと玉木さんとの見事な殺陣はまさに錦絵を見るようでした。
この一騎打ちは戦闘というよりは、むしろ積年の親友同士としての「惜別の儀式」だったように思います。

あるいはむしろ
>清盛は見事な策士になった。
>降り注ぐ三千の兵の弓矢。
ここまでが現実。

続く一騎打ちの場面は清盛と義朝との「心象」の中での出来事だったようにも感じられました。
とにかく、中途半端なリアリティを完全に排除したからこその美しい場面だったと思います。
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心象の中での出来事 (コウジ)
2012-07-10 08:33:35
TEPOさん

いつもありがとうございます。

>「心象」の中での出来事、「惜別の儀式」、錦絵……
いずれも的確ですね。
特に<「心象」の中での出来事>というとらえ方には参りました。
まさに、「もしかしたらそうかもしれない」と思わせる描写でしたね。
録画したものをもう一度見直してみます。

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