『JIN』を制作したこの番組のスタッフは、丘の上から街を見るシーンが好きだなぁ。
今回もそれがあった。
関東大震災。
篤蔵(佐藤健)が九条公爵邸から出て来ると、街から幾筋もの黒煙があがっている。
シーンが変わって、宮城から出て来ると、黒煙がさらに激しくなり、宮城前広場にはたくさんの避難民が。
そして夜。
夜空はあがる炎で真っ赤になっている。
大震災のシーンって、阪神淡路大震災、東日本大震災を見てきた僕たちにとって、トラウマのような既視感があるんですよね。
僕は阪神淡路も東日本も、直接、現地で体験したわけではないけれど、心がザワザワする。
これがドラマのワンシーンだとわかっていても言葉を失う。
でも、篤蔵は強いですね。
妻・俊子(黒木華)や子供たちのことが気になりながらも、避難民のために尽くすことを決断して、〝炊き出し〟をおこなう。
悲惨な現実に呆然としているのではなく、立ち向かおうとする。
これがドラマの主人公だ。
宮前(木場勝己)さんもカッコ良かった。
炊き出しをおこなおうとする篤蔵に、いつものように規則に反すると、文句を言うのかと思っていたら、
「畏れ多くも陛下の台所だと名乗るなら、助けを求める人には手を差しのべるべきである。厨司長、ご指示を!」
宮前さんも〝真心〟のある、〝自分の頭で考える人〟だったんですね。
避難民のために皇居の平河門を開けた宮内庁の判断も見事だった。
僕は特に皇室を崇拝しているわけではないけれど、こういうシーンを見ていると、日本人のDNAの中には、やはり〝皇室〟というものが刻まれている気がします。
それにしてもみんなキャラ立ちしてるなぁ。
登場人物たちがそれぞれにイキイキと動きまわっている。
この作品の登場人物には、皆、〝真心〟がある。
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