「人を傷つけて生きている人をぶっ潰すって決めたんだもん」
これが氷柱(堀北真希)が検事になろうとしている理由。
そして「人を傷つけて生きている人をぶっ潰す」という理由は、黒崎(山下智久)がクロサギをやっている理由でもある。
黒崎と氷柱の行動の動機は根底では同じなのだ。
ただ、方法・やり方が違っているだけ。
かたやクロサギ。
かたや検事。
ふたりはやり方が違うことでぶつかり合うが、互いを否定しきれないのは根底の理由が同じだからである。
ふたりは離れた場所にいても、互いに言われたことを考えている。
氷柱は黒崎に言われたことを思い出す。
「俺は検事っていうのを知ってるよ。あいつらも負ける試合は絶対にしない。被害者より自分がかわいい。そういう連中だ」
黒崎も氷柱の言葉を思い出す。
「あなたはそれで幸せなの?」
ふたりの心が引かれ合っていることを示す名シーンだ。
ふたりが根底に抱えている「人を傷つけて生きているやつは許せない」という気持ちがふたりを磁石のように引きつけるのだ。
実家から戻ってきて氷柱は唐突に自分の父の話を黒崎に言う。
黒崎は氷柱がそんなことを言う理由がわからない。
氷柱も「わからないけど、言いたかっただけ」と言う。
氷柱は恐らく黒崎のことが好きなのであろう。
だから深いところでつながりたくて、こんなことを言った。
自分を理解してもらいたくて、こんなことを言った。
ただ、氷柱、本人はそんな自分の気持ちに気づいていない。
それが「わからないけど、言いたかっただけ」というせりふになった。
次回は氷柱の父を黒崎が喰う話。
父を罰したいと思っている氷柱が、同じく父を罰しようとしている黒崎にどんな反応をするか楽しみだ。
★研究ポイント
ドラマの作り方:登場人物どうしが共通の目的を持って共感し合う。
※例えば、スポーツドラマ・刑事ドラマではこうしたドラマは作りやすい。
目的は勝利や事件解決であればいいのだから。
「アテンションプリーズ」もそう。
訓練生が卒業に向かって共感し互いに努力する。
しかし、今のドラマはそんな単純なものでは成り立たないようだ。
「クロサギ」では目的は同じだが、方法が違うことでぶつかり合う。
恐らく今後、この図式は白石(加藤浩次)、神志名(哀川翔)も絡んでさらに描かれていくだろう。
というのは白石にも神志名にも根底に悪を憎む何かがあるようだからだ。
白石は黒崎に言う。
「私はね、腐った組織っていうのが大嫌いなんです。組織が大きくなればなるほど個人の存在は小さくなっていきます。そしてやがて、組織は個人を踏み潰す。いとも簡単に、虫けらのようにね。腐った組織を持つ大企業。それを私は許せないんですよ!」
神志名は黒崎を執拗に追う理由を桃山(田山涼成)に聞かれて言う。
神志名「あいつはね、子供なんですよ。自分が不幸なら、人の人生を弄んでもいいと思ってる。ガキの八つ当たりですよ」
桃山「人生ですか?」
神志名「詐欺行為は人生を変えます」
桃山「それは、ご自分のことをおっしゃってる?」
★キャラクター研究:白石
桂木の紹介料1億のシロサギ。
この見せ方が見事。
1.自分のペース
「せんべい」「クラブ接待」「倒れる観葉植物」
すべて白石のペース。黒崎のペースに乗ってこない。
2.表の顔と裏の顔
人当たりのいい表の顔と詐欺師の裏の顔とのギャップが大きい。
3.能力の違い
白石は黒崎を利用して50億を儲けた。
黒崎が手に入れたのは10億。
★名シーン
1
株価のパソコン画面を見ている黒崎と白石。
株が上昇する時には優雅なクラシック。
白石は音楽に合わせて指でリズムをとる。
間に白石が株を売る時間2時を示す時計が挿入される。
そして株価の下落。
白石の指は止まり、音楽も別のものになる。
2
実家で迎えた朝。
氷柱は仕事に出かける母を見送る。
母は9時に帰るという。働きづめの母を心配する氷柱。
そして母の父に送る現金書留を発見。
母に「もうそんなことはやめてほしい」と言うが、母は笑っている。
自転車に乗って父のこと、子供の時のことを回想する氷柱。
そして黒崎に言われたことを思い出す。
次のシーンでは夜の母との夕食シーン。
回想を受けて、自分が検事になりたい理由、法律が無力であることを母に語る。
※説明の回想シーンを見事に処理。
★追記
今回の詐欺はこう。
白石と黒崎はスカイバイオの株に買収されるという噂を流して株価を上昇させる。
ここで取得した株を売却。売却益を得る。
そして上昇したところに買収はなかったという情報を流し、株価を下落させる。
下落した株を売却益で買い占める。
しかし、白石は株を買い占めることはせずに得た利益を自分のものにしてしまう。(白石の詐欺)
一方、黒崎も株を買ったことにして、売却によって得られるであろう利益の何パーセントかを事前にもらう。(黒崎の詐欺? 横領か?)
しかし、これでは白石を懲らしめたことにならないから、白石が売却する前に株を下落させ、損をさせる。
だが、白石はしたたか。
もう一段階、儲ける手を打っていた。
スカイバイオの買収先の会社・浜下バイオテックの新株予約券を偽造。
大企業に偽造予約券を売りつけた。
これが氷柱(堀北真希)が検事になろうとしている理由。
そして「人を傷つけて生きている人をぶっ潰す」という理由は、黒崎(山下智久)がクロサギをやっている理由でもある。
黒崎と氷柱の行動の動機は根底では同じなのだ。
ただ、方法・やり方が違っているだけ。
かたやクロサギ。
かたや検事。
ふたりはやり方が違うことでぶつかり合うが、互いを否定しきれないのは根底の理由が同じだからである。
ふたりは離れた場所にいても、互いに言われたことを考えている。
氷柱は黒崎に言われたことを思い出す。
「俺は検事っていうのを知ってるよ。あいつらも負ける試合は絶対にしない。被害者より自分がかわいい。そういう連中だ」
黒崎も氷柱の言葉を思い出す。
「あなたはそれで幸せなの?」
ふたりの心が引かれ合っていることを示す名シーンだ。
ふたりが根底に抱えている「人を傷つけて生きているやつは許せない」という気持ちがふたりを磁石のように引きつけるのだ。
実家から戻ってきて氷柱は唐突に自分の父の話を黒崎に言う。
黒崎は氷柱がそんなことを言う理由がわからない。
氷柱も「わからないけど、言いたかっただけ」と言う。
氷柱は恐らく黒崎のことが好きなのであろう。
だから深いところでつながりたくて、こんなことを言った。
自分を理解してもらいたくて、こんなことを言った。
ただ、氷柱、本人はそんな自分の気持ちに気づいていない。
それが「わからないけど、言いたかっただけ」というせりふになった。
次回は氷柱の父を黒崎が喰う話。
父を罰したいと思っている氷柱が、同じく父を罰しようとしている黒崎にどんな反応をするか楽しみだ。
★研究ポイント
ドラマの作り方:登場人物どうしが共通の目的を持って共感し合う。
※例えば、スポーツドラマ・刑事ドラマではこうしたドラマは作りやすい。
目的は勝利や事件解決であればいいのだから。
「アテンションプリーズ」もそう。
訓練生が卒業に向かって共感し互いに努力する。
しかし、今のドラマはそんな単純なものでは成り立たないようだ。
「クロサギ」では目的は同じだが、方法が違うことでぶつかり合う。
恐らく今後、この図式は白石(加藤浩次)、神志名(哀川翔)も絡んでさらに描かれていくだろう。
というのは白石にも神志名にも根底に悪を憎む何かがあるようだからだ。
白石は黒崎に言う。
「私はね、腐った組織っていうのが大嫌いなんです。組織が大きくなればなるほど個人の存在は小さくなっていきます。そしてやがて、組織は個人を踏み潰す。いとも簡単に、虫けらのようにね。腐った組織を持つ大企業。それを私は許せないんですよ!」
神志名は黒崎を執拗に追う理由を桃山(田山涼成)に聞かれて言う。
神志名「あいつはね、子供なんですよ。自分が不幸なら、人の人生を弄んでもいいと思ってる。ガキの八つ当たりですよ」
桃山「人生ですか?」
神志名「詐欺行為は人生を変えます」
桃山「それは、ご自分のことをおっしゃってる?」
★キャラクター研究:白石
桂木の紹介料1億のシロサギ。
この見せ方が見事。
1.自分のペース
「せんべい」「クラブ接待」「倒れる観葉植物」
すべて白石のペース。黒崎のペースに乗ってこない。
2.表の顔と裏の顔
人当たりのいい表の顔と詐欺師の裏の顔とのギャップが大きい。
3.能力の違い
白石は黒崎を利用して50億を儲けた。
黒崎が手に入れたのは10億。
★名シーン
1
株価のパソコン画面を見ている黒崎と白石。
株が上昇する時には優雅なクラシック。
白石は音楽に合わせて指でリズムをとる。
間に白石が株を売る時間2時を示す時計が挿入される。
そして株価の下落。
白石の指は止まり、音楽も別のものになる。
2
実家で迎えた朝。
氷柱は仕事に出かける母を見送る。
母は9時に帰るという。働きづめの母を心配する氷柱。
そして母の父に送る現金書留を発見。
母に「もうそんなことはやめてほしい」と言うが、母は笑っている。
自転車に乗って父のこと、子供の時のことを回想する氷柱。
そして黒崎に言われたことを思い出す。
次のシーンでは夜の母との夕食シーン。
回想を受けて、自分が検事になりたい理由、法律が無力であることを母に語る。
※説明の回想シーンを見事に処理。
★追記
今回の詐欺はこう。
白石と黒崎はスカイバイオの株に買収されるという噂を流して株価を上昇させる。
ここで取得した株を売却。売却益を得る。
そして上昇したところに買収はなかったという情報を流し、株価を下落させる。
下落した株を売却益で買い占める。
しかし、白石は株を買い占めることはせずに得た利益を自分のものにしてしまう。(白石の詐欺)
一方、黒崎も株を買ったことにして、売却によって得られるであろう利益の何パーセントかを事前にもらう。(黒崎の詐欺? 横領か?)
しかし、これでは白石を懲らしめたことにならないから、白石が売却する前に株を下落させ、損をさせる。
だが、白石はしたたか。
もう一段階、儲ける手を打っていた。
スカイバイオの買収先の会社・浜下バイオテックの新株予約券を偽造。
大企業に偽造予約券を売りつけた。
読ませていただいていろいろとなるほど~と思いました。
今回は前回に比べ氷桂と黒崎の絡みのシーンや会話を減らしてきましたね。でもその分、相手が言ったことを自分の中で回想する(あるいは反芻する)、そのことによって自分の中での相手の存在をより大きくしていく。 という感じでしたよね。
これから氷桂、神志名、白石それぞれと、そして桂木とどう対峙し、どう変化していくのか、すごく見物ですよね。
では、またよろしくお願いします~!
いつもありがとうございます。
役者が出そろって、ラストに向かって盛り上がっていく予感。
楽しみですね。
してみたいです
フレーフレー氷柱フレーフレー黒崎フレフレ氷柱フレフレ黒崎ワーーーーオーーーーー
コメント有難うございます。
黒崎が氷柱に心を開いたのは、氷柱がひたむきに黒崎のことを考えたからだと思います。
ゆかりの様に下手するとウザくなってしまうのですが。
これを分けるものって何なんでしょうか?
氷柱の指摘が黒崎の心の奥底にあったものだから?
さらに考えてみたいテーマです。