天下が欲しい。
関白の位が欲しい。
茶々(宮沢りえ)が欲しい。
そのためには手段を選ばない。妹も母親も売る。
その結果、秀吉(岸谷五朗)は<罪>を背負うことになるが、それさえも乗り越えて、秀吉はこれらのものを求めずにはいられない。
強すぎる欲望。激しい業。
この作品で、秀吉はそんな人物として描かれている。
そして、作家はそんな<激しい業>の持ち主である秀吉にある意味、敬意を表している。
日本の歴史上、こんな人間はいないから。
普通の人間の道徳観などを吹き飛ばしてしまう様な<強い欲望>。
普通の人間のものさしでは計ってはいけない<欲望の塊>。
この秀吉を非難することはたやすい。
だが、非難する人間は、そうすることで自らの<小市民性>を思い知るのだ。
秀吉と比べて、自分は何と平凡に、欲望を抑えて、小さな幸せにしがみついて生きているのかと。
今回、僕はこの作品を肯定的に描いているのですが、作家が秀吉を通して描きたかったこととは、こういうことではないかと思います。
だから茶々も心を動かされた。
家康(北大路欣也)も頭を下げた。
この自分の欲望に忠実すぎる人間にはかなわないと思ったから。
では、この<欲望の塊>が行き着く所はどこか?
若くて勢いがある時はまだいい。
乱暴にたてる茶も「見事で美味しい」ものになる。
だが、若さや勢いがなくなれば、無惨な<欲望の塊>の老人でしかない。
今後、秀吉はそんなふうに描かれていくのであろう。
もののあはれ、諸行無常……、秀吉の死と大坂城落城でそんなことが描かれるに違いない。
あるいは、それを描いてくれれば、深い作品になると思うのですが……。
関白の位が欲しい。
茶々(宮沢りえ)が欲しい。
そのためには手段を選ばない。妹も母親も売る。
その結果、秀吉(岸谷五朗)は<罪>を背負うことになるが、それさえも乗り越えて、秀吉はこれらのものを求めずにはいられない。
強すぎる欲望。激しい業。
この作品で、秀吉はそんな人物として描かれている。
そして、作家はそんな<激しい業>の持ち主である秀吉にある意味、敬意を表している。
日本の歴史上、こんな人間はいないから。
普通の人間の道徳観などを吹き飛ばしてしまう様な<強い欲望>。
普通の人間のものさしでは計ってはいけない<欲望の塊>。
この秀吉を非難することはたやすい。
だが、非難する人間は、そうすることで自らの<小市民性>を思い知るのだ。
秀吉と比べて、自分は何と平凡に、欲望を抑えて、小さな幸せにしがみついて生きているのかと。
今回、僕はこの作品を肯定的に描いているのですが、作家が秀吉を通して描きたかったこととは、こういうことではないかと思います。
だから茶々も心を動かされた。
家康(北大路欣也)も頭を下げた。
この自分の欲望に忠実すぎる人間にはかなわないと思ったから。
では、この<欲望の塊>が行き着く所はどこか?
若くて勢いがある時はまだいい。
乱暴にたてる茶も「見事で美味しい」ものになる。
だが、若さや勢いがなくなれば、無惨な<欲望の塊>の老人でしかない。
今後、秀吉はそんなふうに描かれていくのであろう。
もののあはれ、諸行無常……、秀吉の死と大坂城落城でそんなことが描かれるに違いない。
あるいは、それを描いてくれれば、深い作品になると思うのですが……。
ここしばらくの御発言から見て少し驚きました。
しかしたしかに「なるほど!」です。おっしゃるような見方ができるかもしれません。部分的にはニーチェ的な英雄観に近いとも言えそうです。
今後秀吉がそれだけの深みを帯びて描かれるなら、対峙する江についても期待できるかもしれませんね。
秀吉は折に触れて「目標としての信長」を意識していましたね。
江との間に肯定的な絆が生まれるとすれば、ここかもしれません。
いつもありがとうございます。
>ここしばらくの御発言から見て少し驚きました。
そうなんですよ。
まあ、ドラマとしては相変わらず薄いと思うのですが、秀吉という人物に限ってみた場合、その<欲望のパワー>は常人をはるかに越えていますよね。
そのパワーには敬意を表すべきではないかと。
秀吉を<スケベ親父>と批判するのは簡単ですが、それは平凡な人間のやっかみではないかと。
おそらく茶々もこんなことを感じたのではないでしょうか。
>「目標としての信長」
これはドラマになりそうですよね。
秀吉は死に際して、「ずっと信長を乗り越えようとがんばってきたが、やはり乗り越えることは出来なかった」とつぶやくに違いありません。
秀吉が信長を乗り越えられなかったもの、信長にあって秀吉になかったもの。
それは、<万民の幸せを実現すること>であり<大きな構想力>であったかもしれませんね。
秀吉の場合、<個人的な欲望>が行動の動機であるとこの作品では描かれていますから。
それに信長が嫌った貴族や足利将軍におもねりましたし。
江が<天下布武>の印を託されたこと。
それが秀吉が江を怖れる理由かもしれません。