この1週間で総選挙公示を前に政界地図が大きく変化した。
もう15年も前になるか厚生年金の積み立てに疑わしいところ
があると政府を追求し、社会保険庁の改革のきっかけに繋げた
長妻氏が立憲民主党の代表代理に就任した。今回の一連の動き
に騒ぐでも落胆するでもなく冷静さを感じさせる雰囲気が好き
だ。安倍政権打倒のためと言っているが議席を失いたくない本
音が垣間見える分裂していった仲間と距離を置いて筋を通した
彼らに拍手を送りたい。枝野代表を含め前議員14名は必ず国
会に戻ってきて欲しい。
あまり推理小説は読まないのだが書評に誘われて読み始めたの
がこの本。
太田愛という女流作家の作品。まだ上巻しか手にしてないが、
引き込まれるように読み進めた。
ちっぽけな興信所の所長と平成生まれの所員それに少し拘りの
強い不始末で休職中の現役警察官の3人が謎に挑む。
太平洋戦争を遂行し敗北した大本営。その大本営情報部で言論
統制の指揮をとった冷徹な情報官、戦後は一転して医師となっ
て産婦人科医院を開業、多くの出産に立ち会い慕われた医師。
渋谷のスクランブル交差点。信号の色が変わり人から車の流れ
に切替わる。車が突入してくる直前の僅かな時間、静の空間が
生まれる。その空間の真ん中に片手を伸ばし青空の一点を指し
た状態で立つ高齢の紳士の姿を多くの人が目にした。次の瞬間
紳士はその姿勢を保ちながら膝から崩れ落ちる。伸ばした指の
先は何を指していたのか? 3人の謎解きが始まる。
上巻を読了したので著者の人となりをネットで調べてみる。著
者名で検索すれば直ちに表示される。(↓) そこに現れた本人
の容姿を見て思わず唸った。落ちついた雰囲気のとても素敵な
美人。
洋装だが和服がとても似合いそうだ。こんなたおやかな女性が
著者とはとても思えないかなり男っぽい内容の本だ。好きな作
家である故船戸与一氏や警察ものが得意な佐々木譲氏を思い出
させる。舞台は現代なのだが背景は昭和初期が頻繁に顔を出す。
どの時代も好きな歴史好きなのだが、特にこの時代には特別に
引かれる。幼かったがその時代の空気を共に吸ったのだという
意識があるせいか。
下巻がどんな展開を見せるのか予約本の番が早く来ないか待ち
どおしい。