昨日アポロ型小惑星の7482(1994pc1)が地球に最接近しました
地球との距離198万kmで月までの距離の5倍強という事は宇宙的にはニアミス
という事になるでしょう
小惑星の軌道は傾斜角33度で南半球から北半球へ向かって移動していきます
夕方に南の空から西の空を通過して行き最接近時は高度が高く非常に観測や撮影
しやすい位置にありました、観測と言っても10等級以下ですので眼視ではそれなり
の大きさの望遠鏡が必要で何も目印のない夜の空から非常に遅く移動する点像を
見るけるのは困難です、という事で写真を撮ってみて後から撮影画像をモニターに
目を近づけてほんの少し移動する天体を探す作業となります
外の気温は0度の中寒さをこらえてステラナビゲータで抽出した予報位置の赤経赤緯
に望遠鏡を向けて530mmで撮影しました
北極星が見ない我が家では望遠鏡を設置してもスマホの方位磁石で北方角を闇雲に
向けているだけなので正確とは無いですが数十秒程度の露出時間はいけるとの判断
での撮影です画面中心付近にはできませんでしたが何とか隅っこに捉えられました
ほかのフレームは残念ながら全部は外れていて捉えられていません、でも小惑星では
なく地球を回る人口衛星がいくつも写り込んでいました
望遠鏡 タカハシ FSQ106 D:106㎜ fl:530㎜ F5
カメラ NikonD810A
赤道儀 GN170
2022/1/19 18h43m01s 20秒×11 ISO800
画面隅っこに写っていました
ステライメージ9で比較明合成 画面右上隅を1000mm相当トリミング
2022/1/19 18h53m07s 20秒×8 ISO800
連続撮影です
ステライメージ9で比較明合成 画面右上隅をトリミング
このカットはお目当ての小惑星が写らず人工衛星が写っていました
合成した27フレームの中の1フレームのわずか数秒数十秒で画面を通り過ぎています
随分と人工衛星って多いものです
2022/1/19 19h26m55s 20秒×27 ISO800
ステライメージ9で比較明合成
2022/1/19 18h56m29s 20秒×62 ISO800
一際明るい人工衛星
ステライメージ9で比較明合成
2022/1/19 19h39m24s 20秒×22 ISO800
これも人工衛星
ステライメージ9で比較明合成
どうも地球の周りは人工衛星だらけです
これはスターリンク衛星では無いですが本物のスターリンク衛星に出会うと
めっちゃ光の線だらけになるでしょう
1月17日の月です
満月の一日前になります
この夜は雲が通り過ぎるものの雲のないところはスッキリとした透明度でほぼ満月
の月が奇麗に見える夜でした
そして地球に接近するアポロ型小惑星の最接近2日前の写真も狙おうとしたのですが
我が家からはまだ低空のため電柱と生垣の葉っぱで遮られてダメでした
とても良い天気でしたが夜中にみぞれが降ったのか朝には薄っすらと車のフロンガラス
に積もっていました
望遠鏡 タカハシ FSQ106 D:106㎜ fl:530㎜ F5
カメラ ZWO ASI462MC
Astro Capure Software SharpCap4.0
Stacking Software AutoStakkert!3
wavelet Software Registax6.0
画像処理Software StellaImage9
2022/1/17 21h05m58s
Gain=50
露出時間 Exposure=0.5330ms
6フレームをImage Composite Editorでモザイク合成
1月14日の月です
強烈な寒波で路面が凍結してタイヤや足が滑ってケガをしたりしたと聞いた日の夕方の
空スッキリと冬らしい寒々とした透明感のある月が輝いていました、自分としては一番
好きな月齢の月です。なぜかというとフィルム時代に月を撮影するに確かに三日月は
奇麗ですが低空まで澄み切った日はなかなか無いのと月の光量も弱く露出時間が掛かり
ピタッと写しとめるには高感度フィルムを使ったり赤道儀で追尾したりと苦労していました
でもこの半月と満月の間の月齢は光量もしっかりとあり見どころのクレーターも多くあって
写しやすく仕上がりの良い写真が撮りやすかったからです
冬型の気圧配置で上空の気流が乱れていそうでシーイングが気になりましたが冬にしては
なかなか落ち着いていたようです
望遠鏡 タカハシ FSQ106 D:106㎜ fl:530㎜ F5
カメラ ZWO ASI462MC
Astro Capure Software SharpCap4.0
Stacking Software AutoStakkert!3
wavelet Software Registax6.0
画像処理Software StellaImage9
2022/1/14 19h32m04s
Gain=0
露出時間 Exposure=1.1270ms
FrameCount=659
3フレームをImage Composite Editorでモザイク合成
それぞれの拡大イメージです
笠井トレーディング FMC3枚玉5倍ショートバロー使用
虹の入り江
暗い海と呼ばれるネメッとした滑らかな場所とユラ山脈の対比が奇麗です
コペルニクス
大きなクレーターで目立ちます
冬の海と呼ばれるところです
ガッサンディと湿りの海
クラディウス
よく天文雑誌の投稿写真で取り上げられます
月の南縁のクレーターです
ティコ
このクレーターからの光条が特徴で小さなながら月で一番目立つクレータかもしれません
今日のニュース記事で1月19日に地球に接近するアポロ級小惑星のことが出ていました
その小惑星は (7482) 1994PC1
直径約1.1kmの中型小惑星だそうで日本時間19日の午前6時51分に最接近します
接近距離は約190万kmということで月までの距離38万kmに比べると断然遠いです
月と同程度まで接近して衝突するかもと大騒ぎした接近に比べると遠いでしょうが小惑星
の接近では比較的近い部類だと思われます
早速ステラナビゲータでデータをダウンロードしていつどのあたりを通過するかシミュレ
ーションしてみました
非常に観測しやすく移動するのですが1月18日が満月なのが気になりそうです、でも
彗星と違って小惑星は点像なので10等級程度の明るさでその気になれば標準レンズでの
撮影でも簡単に見つけることは出来そうです時間をおいて撮影で大きく移動する姿が見ら
れるでしょう
1月16日から22日までの21時の位置(星図は18日21時の夜空)