ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『るろうに剣心 京都大火編』

2014-07-13 23:44:27 | 新作映画

----うわあ、ほんと久しぶりだニャ。
もう、止めちゃったのかと…。
「まったくそう思われても仕方ないくらい、
こっちはご無沙汰だったよね」

----えっ、こっちって?
まさかツイッターを<あっち>と言っているワケじゃ…。
「いや、
ほんとそうなんだ。
あれやこれやと、なんだか妙に忙しくて、
特にここしばらくは父の葬儀のための帰省という
プライベートなこともあって、
ツイッターで呟くのが、もう精いっぱい」

----ニャるほど。
いまやっと時間ができたってワケだ。
で、その最初の作品は?
「おいおい、父の話は素通りかよ…。
あ、そうかフォーンも…。
ヤバいヤバい。
さて、その映画は『るろうに剣心 京都大火編』
他にも『マザー』だの『喰女 クイメ』だの
『海を感じる時』だの、
いくつもあったんだけど、
まずはこれかな」

----日本映画ばっかり。
ん?『るろうに剣心』って
一作目は、それほど推していなかったような?
「うん。
あれは、ワーナー・ブラザース映画が
このところよく作る時代劇、その一本くらいにしか見えなかったんだ。
力作とは思ったけど、
そんなに印象には残っていなく手…」

----ところがこれは違うと…。
「そういうこと。
もう、オープニングから息を飲む映像が現れる。
今回の物語は、
原作中のクライマックスに当たる『京都編』、その前編。
さて、その前にフォーンは
緋村剣心(佐藤健)がどういう男かは知っているよね」

----うん。前作を観ているからね。
彼は、幕末に“人斬り抜刀斎”として恐れられた男。
新時代の訪れとともに
二度と人を斬らないと誓い
斬れない刀“逆刃刀”に持ちかえるんだよね。
「ご名刀、じゃなかったご名答。
ところが、剣心の後継者として
“影の人斬り役”を務めた
志々雄真実が日本征服を狙って暗躍」

----シシオ?
「うん。
彼は新政府に裏切られ
焼き殺されようとしたところを奇跡的に助かる。
しかし、全身が包帯だらけで
わずかに目と鼻と口が覗くだけ。
で、この役を、あの藤原竜也が演じているんだ。
役者のウリ、その一つでもある顔を隠し、
それでもなお凄まじいオーラを発する。
この映画、他にも超強烈な個性を持った<悪>が
何人も登場するけど、
やはりその白眉は彼、志々雄真実だね。
その最初の登場シーンがまた素晴らしい。
燃え盛る炎の中、
天井には彼を追って返り討ちにあった警官たちが
幾人も吊るされている。
このシーンを見たとき、僕はある感慨に襲われた。
日本映画のスケール、美術もここまで来たかと…。
はっきり言ってこれは
ハリウッド映画が描く地獄よりも
遥かにイマジネーションに富んでいる」

----それが、さっき言っていたオープニングだニャ。
「そう。
ここに代表されるように
プロダクション・デザイン、
いわゆる美術は申し分なし。
そしてその中に、
かつて人を殺めたことを悔い、
決して刀を抜こうとはしない剣心と、
それぞれの理由で彼を狙う
さまざまな<悪>が登場する。
ヒーローものの最低必要条件は、
悪役に魅力があること。
ところがここでは
不意藁竜也は言うまでもなく、
伊勢谷友介、神木隆之介、滝藤賢一、三浦涼介らが、
それぞれに異なる狂気と殺意を見せてくれる

ぼくはこうツイッターで呟いた。
『なんと贅沢な映画だろう』と…」

----ニャるほど、そういうことか。
「それともう一つ。
ぼくはもとより
アクションのためのアクションは好きではない。
アクションがオモシロくなるのは
その中にエモーションがあればこそ。

不殺を誓い、流浪人として全国を旅する剣心。
その彼が大切なものを守るべく、
ついに誓いを破るのかどうか…」

----そのギリギリの苦悩が
観る者に伝播するってことだニャ。
「おろ。
難しい言葉知っているでござるよ」」

----ふざけた言葉喋らないでほしいニャ。
「おっ、
それって劇中で
志々雄真実が剣心に向けて放つ言葉。
これ、藤原竜也のアドリブのような気がするんだけど…」

----う~む。意外と原作にあるかもよ。
緊張を和らげるために…ニャ。




フォーンの一言「ラストは触れてはならないらしいのニャ」身を乗り出す

※三部作は、真ん中がいつも盛り上がる度
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4 コメント

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Unknown (Ageha)
2014-09-18 09:01:50
劇場ではまだ、この京都大火編が上映されてるんで
オイシイひとたちは前編後編一挙に見れるわけです。
1ヶ月しかないインターバルっていいですね~。
・・・セット割引とかすればいいのにね~(ボソ)

GyaOでアニメるろ剣の「京都編」が配信されてるんで
見ようと思ってるんですが30分1本として70だか80だか
話があったようで
これを2本にまとめるのはそりゃ無理だったろうなと
シロウト目にもわかりましたが
「原作を知らないもんには」ハイスピードアクションで
ねじ伏せた感がありました。
不満を超えるもんを残せたらええやんって感じで。

前編はそうでもなかったんですが
後編の藤原竜也はすごかったです。
あれもこれもはしょってどうするってぼやいてる人たちでさえもそこはみな絶賛しておりました。(^-^)
■Agehaさん (えい)
2014-09-25 22:28:14
こんばんは。
観ましたよ。後編も…。
ぼくは『京都大火編』の方が少しだけ上かな。
でも、『伝説の最期編』もよかったですね。
とにかく藤原竜也。
4対1とは、そうかこういうことだったのか!?
こんばんは (ノラネコ)
2014-09-30 23:24:31
私も「京都大火編」が一番面白かったです。
思いっきり剣で語らせた「伝説の最期編」も良かったですけどね。
昨年の「許されざる者」や「柘榴坂の仇討」もそうですけど、明治初頭を舞台に、時代に取り残された侍というモチーフはどれも共通ですよね。
今の時代に響くものがあるんでしょうか。
■ノラネコさん (えい)
2014-11-22 19:32:02
明治初頭と江戸時代の武士を繋いだのは、
『武士の家計簿』あたりからでしょうか?
これまで明治維新はその「明」ばかりにスポットが当てられていましたが、
実は「暗」の部分ももあったのではないか?
本作のシリーズには、
その観点が窺えて興味深かったです。
これも今の時代だからこその作者たちの実感じゃないかという気がします。
ん?でも、原作もそうなのかな?

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