----これと同じタイトルの映画って、以前にもなかった?
確か、そのときは実写だったような…。
「うん。中原俊監督版だね。
それを、その年のぼくのベストワンでもある『河童のクゥと夏休み』を監督した原恵一が
手掛けるというんだから、
これは期待するなという方が無理」
----でも、期待しすぎてがっかりというのもよくあるよね。
「いやあ、そこを言うなら、
この監督ほど期待を裏切らない監督もいない。
ぼくの原恵一至上主義は、しばらく続きそうだね」
----どういうところがいいの?
「物語について語るのは野暮。
だって、これは最初に森絵都の原作ありきだからね。
でも、簡単に…。
天国と外界のはざま。
死んだ<ぼく>の魂が漂っている。
そこに現れた“プラプラ”という天使(?)。
彼が言うには
『あなたは大きな過ちを犯して死んだ罪な魂ですが、
もう一度外科医に戻って再挑戦するチャンスが与えられました。
そして、自分の犯した罪を思い出さなければいけません』。
こうして、<ぼく>の魂は、
自殺をして息を引き取った“小林真”という名の中学三年生の体に入り込み、
“小林真”として生きることになる…」
----それは、オモシロそうだ。
「でしょ。
でも物語は、まあ、ここまででいいかな。
かくして、<ぼく>の目を通して、
小林真の家族、かつての同級生が描かれてゆく。
ぼくが、この映画でまず感心したのは、
青春ファンタジーからはほど遠い、よどんだ空気。
色もくすんでいて、もやがかかったよう。
死んだ魂の目を通しているとはいえ、これはあまりにも大胆」
----その中を、微かな光を求めて<ぼく>はさまようわけだニャ。
「そう!そういうことなんだ。
やがて、小林真にとっての初めての親友・早乙女が出現。
彼は真を、かつて存在した“多摩川電気鉄道砧線(東急砧線)”を訪ねる旅に誘う。
そこで挿入される過去の点描。
そこだけが、このもやが晴れている。
これは『河童のクゥと夏休み』でいえば、
遠野に旅するシーンに当たるかな。
ただ、あそこまでのぎらぎらした輝きはないけどね。
♪そこにはただ風が吹いているだけ~」
----ニャンダ。それ?
「あっ、ちょっと言いすぎたかな。
しかし、原恵一は音楽の使い方も巧いね。
ラストに流れるTHE BLUE HEARTS『青空』のカヴァーも含めて、
涙腺を刺激する選曲ばかり。
観ている間は、映画の中の世界に没頭して現世を忘れ、
終わってからは、原監督がこの原作に共鳴したわけ、
そう、原作が内包するテーマが鋭いメッセージとなって心に住み着く。
ぼくはテーマ主義ではないけど、
これぞ映画の王道。
あたりまえのはずだけど、
最近は、そんな映画が少なくなってしまった。
だからこそ、余計にうれしかったね」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「で、そのメッセージはなんなのニャ?」
※そんなの、これから観る人のためにも言えるわけない度
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お花屋さんもよろしく。
確か、そのときは実写だったような…。
「うん。中原俊監督版だね。
それを、その年のぼくのベストワンでもある『河童のクゥと夏休み』を監督した原恵一が
手掛けるというんだから、
これは期待するなという方が無理」
----でも、期待しすぎてがっかりというのもよくあるよね。
「いやあ、そこを言うなら、
この監督ほど期待を裏切らない監督もいない。
ぼくの原恵一至上主義は、しばらく続きそうだね」
----どういうところがいいの?
「物語について語るのは野暮。
だって、これは最初に森絵都の原作ありきだからね。
でも、簡単に…。
天国と外界のはざま。
死んだ<ぼく>の魂が漂っている。
そこに現れた“プラプラ”という天使(?)。
彼が言うには
『あなたは大きな過ちを犯して死んだ罪な魂ですが、
もう一度外科医に戻って再挑戦するチャンスが与えられました。
そして、自分の犯した罪を思い出さなければいけません』。
こうして、<ぼく>の魂は、
自殺をして息を引き取った“小林真”という名の中学三年生の体に入り込み、
“小林真”として生きることになる…」
----それは、オモシロそうだ。
「でしょ。
でも物語は、まあ、ここまででいいかな。
かくして、<ぼく>の目を通して、
小林真の家族、かつての同級生が描かれてゆく。
ぼくが、この映画でまず感心したのは、
青春ファンタジーからはほど遠い、よどんだ空気。
色もくすんでいて、もやがかかったよう。
死んだ魂の目を通しているとはいえ、これはあまりにも大胆」
----その中を、微かな光を求めて<ぼく>はさまようわけだニャ。
「そう!そういうことなんだ。
やがて、小林真にとっての初めての親友・早乙女が出現。
彼は真を、かつて存在した“多摩川電気鉄道砧線(東急砧線)”を訪ねる旅に誘う。
そこで挿入される過去の点描。
そこだけが、このもやが晴れている。
これは『河童のクゥと夏休み』でいえば、
遠野に旅するシーンに当たるかな。
ただ、あそこまでのぎらぎらした輝きはないけどね。
♪そこにはただ風が吹いているだけ~」
----ニャンダ。それ?
「あっ、ちょっと言いすぎたかな。
しかし、原恵一は音楽の使い方も巧いね。
ラストに流れるTHE BLUE HEARTS『青空』のカヴァーも含めて、
涙腺を刺激する選曲ばかり。
観ている間は、映画の中の世界に没頭して現世を忘れ、
終わってからは、原監督がこの原作に共鳴したわけ、
そう、原作が内包するテーマが鋭いメッセージとなって心に住み着く。
ぼくはテーマ主義ではないけど、
これぞ映画の王道。
あたりまえのはずだけど、
最近は、そんな映画が少なくなってしまった。
だからこそ、余計にうれしかったね」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「で、そのメッセージはなんなのニャ?」
※そんなの、これから観る人のためにも言えるわけない度
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お花屋さんもよろしく。
工夫がほしいと思いましたが、映画の世界観としてはありだと思いました。
原作を読んでなかったので、予告でまさしく「オモシロそうだなー」って思っていたのだけど、「え?ええーっ」ってなっちゃって前半は唖然でしたよ。
一応原監督ですしね、スルメのようにジワジワくる作品なのだろうなぁとは思っていたけれど、ちょっぴり心構えが足りなかったようです。
正直なところ、真の家庭のようなヘビーな状況に陥ったことがないので、誰かに自分を投影することも、共感することもなかったのだけど、アルアルという思いでは見つめていました。
またしても名作の誕生ですかねー(^^)
お返事が遅くなりました。
実は、使われている曲の中には、
それまであまり好きではなかったものもあって、
それだけに、自分が感動したことが
ちょっとビックリでした。
ぼくは、観ているうちに
実写の記憶が蘇ってきました。
実写の方は、もっとファンタジー色が強かった感じ。
今回は、生きる意味を強く感じさせる作りになっていたと思います。
これは名作だとぼくは思います。
えいさん、夏バテされてませんか?
いつまで続くのでしょうかこの暑さ(^_^;)
で、この作品なのですが・・・
えいさんの評価4って久しぶりに見た様な
気がします(笑)
私も今の所、原監督には裏切られて
いません(*^o^*)
大感動作品と言うより、心に響いた作品と言う感じかな。
当たり前のことを、大切なことを押し付けがましくなく伝えてくれる原監督が好きです♪
>♪そこにはただ風が吹いているだけ~」
きゃ~~。えいさん、ふる~い(笑)
ところで、鍋のシーンはえいさんも泣きましたか?(笑)
いやあ、よかったですね。
原監督のテーマのひとつに家族があるということが、
この作品で見えてきました。鍋のシーンもそうですが、
「休み時間に一緒に移動すること」
この言葉にやられました。
なんていう事は無い内容なのに、最後にはハラハラと泣けてしまいましたよ。
今の日本には優れたアニメ監督は沢山いますし、それぞれに素晴らしい作品を作ってますが、私も原恵一の作品が一番心に馴染む気がします。
良い意味で“邦画”の味がするんですよね。
今回はずっとぐずぐず涙に暮れながら観ていたワタシでした。
「約束」って、1人じゃあできないんだと当たり前のことに改めて気づいては、ぐずぐず…
メールを読んではぐずぐず…
今、思い返してもまだまだぐずぐず…です。
>良い意味で“邦画”の味がするんですよね。
まさにそのとおりですね。
この人の映画は、松竹の香りがします。
人間を見つめる目線が
いい意味で昭和的だと思います。