ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『フィッシュストーリー』

2009-01-24 22:04:05 | 新作映画
「いやあ、これは涙が出るほどオモシロかったね。
中村義洋監督、
『ルート225』の頃からただ者じゃないと思っていたけど、
やってくれるね」

----えっ。泣ける映画ニャの?
原作の伊坂幸太郎ってあまりそんな感じしないけど。
「いや、そうじゃないよ。
ここが説明しづらいんだけど、
観ている間、現実世界のアレやコレやを全部忘れることができる、
それほどにオモシロい映画ってこと。
まったく先を読むことができない、
そのストーリー展開と構成の妙。
いくつもの時代を描き、
最後はそれらが見事に繋がっていく。
しかもこの“繋がる”というのが
映画のテーマともなっているんだから、
もう感服するしかない」

----いくつもの時代って?
「最初は2012年のとあるレコード屋から始まる。
どうやら彗星衝突が迫っていて
地球はその日、終わりを迎えるらしい。
ところがそこの店長はそんな日でも音楽を聴いている。
その曲というのが
早すぎたパンクバンド、逆鱗の
『FISH STORY』」

----ははあ。分かった。
そこから時代は彼らが音楽を作った頃に飛ぶんだ。
「そう思うでしょ。
ところが彼らが登場する1975年は、ずっと後。
次の時代は1982年。
車の中で、その『FISH STORY』が
“呪いのレコードマニア”の間で評判の曲として
ドライブ中のカセットテープから流れてくる。
そして、次なる時代は1999年。
ノストラダムスの大予言により地球が滅びる日、
そして続いて2009年に起こったシージャック事件」

----ニャに、それ。
まったく分かんないよ。
でも話だけ聞いていると、
オムニバスみたいだニャあ。
「そうだね。
一種のオムニバス。
と言っても、スタイルがそんなにまで異なるわけではなく、
一つひとつのエピソードが
それぞれ少しずつ作風を変えながらも、
それでも明らかに
同じ監督の手によるものというのが分かるというのが、
この映画の特徴かな」

----でも、タイトルがタイトルだし、
それらのエピソードはすべて
『FISH STORY』という曲に絡んでくるんだよね。
それ、誰が作ったの?
斉藤和義
これがまたいいんだ。
歌詞の中身を少し紹介。
『ぼくの孤独が魚だったら、
巨大さと獰猛さにクジラだって逃げ出す』というような内容」

----よく分かんニャい詩だニャあ。
「いいの、いいの。
ネタバレになるからあまり詳しくは言えないけど、
意味がないのにも意味があることが最後に分かる」

----いよいよ分かんニャい。
主演は誰ニャの?
「う~ん。誰だろう。
伊藤敦史、高良健吾、多部未華子、濱田岳、森山未来、大森南朗
あげ出したらキリがない。
でもぼくの今回のオススメは濱田岳。
彼を気にかけてくれている女の子が
自分をパシリにしているる男にホテルに連れられていくのを
だまって見過ごすシーンは、
ほんと辛かったな」


           (byえいwithフォーン)


フォーンの一言「ありゃりゃ、そんな話で終わり?経験ありそうだニャ」ご不満

※いや。さすがにそれはだ度

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10 コメント

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ボクの孤独が~~~♪ (Ageha)
2009-03-21 19:26:01
「絆のはなし」という本のなかで
斉藤和義さんと伊坂幸太郎さんが対談してるんですが
伊坂さんは相当斉藤さんのファンらしく。
CDに小説をよせる、伊坂さんの書いた小説をもとに歌つくるなんてこともすでにやってて
今回は見事映画でも共演。
音が聞こえてくる作品といってた斉藤さんが
この映画のキモになる歌を書き下ろしてくれて
それがまたえらいかっこよかったんで
この歌OPに聞いたときに
スゲ~と思っちゃいました。
この歌でしっかり
ツカミはOKにしてくれたんで
安心して見れたし、面白かった。
・・・原作から想像してるのとは違う
キャスティングだったんですが
それさえもむしろいいほうへ作用した気がします。
(今回はそうとうハマりました。ほめすぎ?
中村監督って海堂作品よりも伊坂さんのほうが
相性ええんとちゃいますか?・・・笑)
返信する
■Agehaさん (えい)
2009-03-24 09:45:00
こんにちは。

実は僕も斉藤和義を知ったのは遅く、
ほんの数年前なのですが、
それでも、あのメロディラインとその歌詞が作り出す世界に
たっぷりとハマッてしまい、
けっこうCDレンタルしています。
それだけに、
この歌が彼の手によるものだと知った時には、
なるほどと納得。
(斉藤和義が作ったことは観た後で知りました)。


キャスティングはなかなかよかったと思います。
原作は未読ですが、すべてしっくりきました。
この映画は、今年観た日本映画では一番楽しめました。
まだ3月ですが…(笑)。
返信する
最終的にはそこに落ちつく心地よさ(笑) (にゃんこ)
2009-03-24 22:12:38
こんばんは
えいさんの、お勧め、確かに確認させていただきました。
大風呂敷広げて、胡散臭いようで、あちこちエピソードは
飛びまくりでどうなるの?っていういくつかのストーリーが
見事にまとまる気持ちよさ(笑)
フィッシュストーリーは、まだ頭の中に残っていて
ときおりいきなり、僕の孤独が~♪なんてフレーズが渦巻きます。
そしてちょっとお腹が空いた今、なんとなくペヤング食べようかな~
なんて思ったりして(笑)
フェリーのフルーツタルトやアップルパイにも心惹かれてるんですが(爆)
返信する
■にゃんこさん (えい)
2009-03-25 10:46:17
おはようございます。
さっそく観ていただき、
もうほんとうに感激です。
にゃんこさんなら、絶対に楽しんでいただけると
自信を持っていました。
それがピタリ当たったときは、
この上ない喜びです。
これからもオススメ作品、
紹介させていただきます。
よろしく〓。
返信する
世界を救う (にゃむばなな)
2009-04-01 19:05:00
「音楽が世界を救う」なんて今まで散々言われてきたことですが、この映画こそまさに「音楽が世界を救っちゃった」って感じでしたね。

本当に最後の5分でやられましたよ。
返信する
■にゃむばななさん (えい)
2009-04-01 22:44:32
こんばんは。

「音楽が世界を救う」をここまで
ストレートに描いた映画は
おそらく初めて。

小ネタも含め、キュートで
愛すべき作品でした。
返信する
爽快感 (未来)
2009-04-19 00:50:23
>意味がないのにも意味があることが最後に分かる~
まさしくそうですよね。
ありえない話なんだけど、すごく面白いんです。
そう、この繋がり方がハンパ無く素晴らしい!
斎藤さんの曲もカッコイイし♪
返信する
■未来さん (えい)
2009-04-19 23:03:02
こんばんは。

最近、この原作者の映画化が相次いでいますが、
それだけ、映画にしてみたくなる構造になったいるんでしょうね。
とりわけ、この物語は、
時空を行ったり来たり。
エピソードがバラバラに見えて、
最後につながっていく。
これって、映画向きの気がします。
返信する
遅いかな? (うめ)
2009-06-15 20:54:07
こんばんわっ!
先日は「うまいなぁ」なんて失礼な言い方でしたね(汗)。つい思ったままを・・・。

さて、この作品ずっと観たくて、やっと!!
ほんとスッキリ感に満たされて終わるこの感じ、よかったです。
楽曲もきっちりしてて言うこと無しでした。
『フィッシュストーリー』→『重力ピエロ』でハシゴ鑑賞だったのですが、逆の順だったらもっと爽快だっただろうなぁ・・・。
なんちゃって。(←さて、誰の真似でしょう?笑)
返信する
■うめさん (えい)
2009-06-15 21:52:16
こんばんは。

いえいえ、失礼だなんて少しも思っていませんよ。

そうですね。
観る順番は逆のほうがよかったかも。

「なんちゃって」は「フィッシュストーリー」?
時代から言って濱田君のエピソードかな?
いや違う。
「重力ピエロ」。
「ファンタグレイプ」のときだ。
ぼくも80年代に使っていて
「なんちゃっておじさん」呼ばわりされていたので
一瞬ドキッとしました。
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