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ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ダークナイト ライジング』

2012-07-24 11:31:39 | 新作映画
(原題:The Dark Knight Rises)

※映画の核に触れる
部分もあります。
ネタバレには注意したつもりですが、
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。






----アメリカの映画館でとんでもない事件が起こったよね。
この映画『ダークナイト ライジング』のお話が遅れたのはそのせい?
「あっ、それはたまたま。
この事件についてもだけど、
それ以前に、この映画『ダークナイト ライジング』については
映画というものを語るときの注意点など、
いろいろと考えさせられていたんだ」

----たとえば?
「その前に、
この映画のシノプシスを説明すると…。
前作『ダークナイト』
ダークナイト=バットマン(クリスチャン・ベール)は、殺人者のレッテルを貼られ、
汚名を着たまま夜の闇に消えていく。
彼が殺したとされるのは地方刑事ハービ・デント(アーロン・エッカート)。
彼は実は復讐心に燃えるトゥー・フェイスとして死んだのだが、
究極の犠牲を払い犯罪と戦ったヒーローということにされてしまう。
ゴードン市警本部長(ゲイリー・オールドマン)の言葉を借りれば、
『バットマンはゴッサムに必要な人だ。
ただし今は“時”が違う』
…と。
さて、この物語は、それから8年後。
偽りを全体に犯罪防止のためのデント法が作られ、
ゴッサム・シティーにおける犯罪はことごとくつぶされる。
まさに、バットマンの出番なし。
と同時に、平和の中ではゴードンさえ必要なくなってくる。
だが、そんな中、
ひとりの狡猾な女泥棒=キャットウーマン(アン・ハサウェイ)が現われ、
こともあろうにブルース・ウェインの金庫からネックレス、
そして彼の指紋をまで盗み取る。
この指紋は大富豪で会ったブルース・ウェインを破産に追い込んだばかりか、
その裏にいる覆面テロリスト、ペイン(トム・ハーディ―)の野望へと使われていく。
ここに、ブルース・ウェインは
再びケープとマスクをまとうのだが…というお話」




----あいかわらず、よくできているニャあ。
「よくできているのは
何も“ストーリー”ばかりじゃない。
CIA機を巨大なC―130ハーキュリーズ輸送機が追い、
ハイジャックするという、
『スター・ウォーズ』を思わせるオープニングから、
スタジアムの地下爆破、地下の洞窟からの脱出、薄い氷の上の逃走…
矢継ぎ早に、観たこともない
スリリングな悪書シーンが連続してゆく。
バットマンの“乗り物”では、
いま話題のオスプレイの要素を取り入れた
“バット”が登場。
ゴッサムの上を追尾ミサイルを交わしながら飛び回る」




----ちょっと見どころ喋りすぎじゃニャい?
「そうなんだ。
こういう大ヒットが約束されている
ブロックバスター・ムービーは
ちょっと喋っただけで“ネタバレ”となってしまう。
だから喋りにくいんだ。
たとえば、ツイッターで喋ったこのことはどうだろう。
『バットマン ビギンズ』のあの人が出てくる…と
そう言っちゃうだけで、“驚きの楽しみ”を奪っちゃうし、
実は、この映画、その『バットマン ビギンズ』と似たような構図なんだけど、
これ言っていいのかどうかも迷ってしまう。
となると、この映画は封切られるまで喋っちゃいけないのでは?…とね。
でも、この一作だけ観ようとすると、
戸惑ってしまう人もかなり出てくることは間違いない。
そのため、ぼくはあえて
『バットマン ビギンズ』を観てない人には、
まず目を通すように…と言いたいんだ」

----ふうん。
この映画に対してはでも意外と冷静だね。
『ダークナイト』のときほど興奮していないみたい。
「それには、
ふたつの理由がある。
この映画で重要な位置を占めるものの一つに
平和利用のための核エネルギーがあること、
その最終的な処理のされ方…。
もうひとつは、民衆の描き方だね。
実は、これは前作『ダークナイト』でも感じたことだけど、
一般人をあまりにも愚かな者、弱い者として描きすぎている気がする。
今回は、さらにそれは進んで
民衆による問答無用の恐怖裁判が描かれる。
ぼくはここに『キリング・フィールド』を感じたけど、
実はフランス革命後の世界がダブらされているらしい。
そしてもう一つは、
その愚かな描き方をされる民衆に対して
警察があまりにも無垢な善として描かれていること。
その両者の戦いは、肉弾相打つで、
鉄拳と鉄拳の殴り合い。
迫力は凄まじいけど、
その分、善悪がくっきりしすぎていた。
ツイッターに流れてきたタイムラインでも
そういうのが出てきた。
監督のクリストファー・ノーランによると、
『ディケンズの『二都物語』を基にしており、
『ウォール街を占拠せよ運動』よりも前に粗筋はできていた』とのことらしいけど、
一方では
『『ダークナイト ライジング』の右派メッセージ
(億万長者バットマンが反資本主義運動を暴力で潰し、
富裕層のトリクルダウンを推奨)を考察』(英ガーディアン紙)という動きもあるようだ。
やはり、ボク同様に
この映画に違和感を感じる人もいるのかもしれないね」




                    (byえいwithフォーン)


フォーンの一言「でも観ている分には興奮間違いなしのようだニャ」身を乗り出す

※モノが違うのは確かだ度…

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8 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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こんばんわ (にゃむばなな)
2012-07-27 21:16:55
なるほど、私が物語が壮大すぎて中盤がしんどいと感じた理由はこういうことなのかも知れないと思いましたよ。
毎度勉強させてもらってます。
返信する
市民 (ノラネコ)
2012-07-30 23:15:44
私もこの映画の唯一気になったのが市民が前に出てこないこと。
バットマンが目指していた物を考えたら、最後は市民が先に動いて、警官はそれに触発されるという形のほうが良かった気がします。
まあそれ以外はただただ圧倒されてひれ伏してしまいそうになりましたが(笑
脚本力もすごいけど、演出力もすごいですねえ。
返信する
なるほど・・・ (maru♪)
2012-07-31 20:22:56
こんばんわ♪
アメコミ映画って"核"をわりとぞんざいに扱いますよね・・・
『スパイダーマン2』ではNew Yorkの真ん中で核融合実験してましたし(笑)

確かに今作の市民は完全に脇役でしたね・・・
『ダークナイト』では、市民と囚人が重要な役割をしていましたが、
今作は守られるべきものであり、暴徒でもあり・・・

ブルース・ウェインとしては、体力と気力の限界もあったのでしょうが、
父の遺志を継いでゴッサムを守るということにも限界を感じたのかもしれません。
限界というか矛盾というか・・・ 上手く言えませんが・・・

ともあれ、壮絶に終わったシリーズ、やっぱり大好きです♪
返信する
なるほどー (ノルウェーまだ~む)
2012-08-05 23:10:18
えいさん☆
確かに富豪のヒーローがダークヒーローっていうのもちょっと違和感だったのですが、確かに富裕層が貧困層を暴力で潰しているといえばその通りですね。
富裕層には破壊兵器を開発する前に、街を安全な社会に変える別の方法を(つまり潤沢な資金による社会奉仕)考えてほしいですね。
返信する
■にゃむばななさん (えい)
2012-08-08 23:25:09
でもやはり、巧いというか
モノが違いますよね。
その時間の間、どっぷり映画に浸っていたという
ほんとうに嬉しい体験をさせてもらいました。
返信する
■ノラネコさん (えい)
2012-08-08 23:28:37
>最後は市民が先に動いて、
警官はそれに触発されるという形のほうが良かった気がします。

なるほど、そういう持っていき方がありますね。
もし、そのラインで描いたとしたら、
さらに感動は膨らんだでしょう。
と、いろいろ思うところはありますが、
あのラスト、
多分、そう来るだろうとは思いつつも、
ひとつのサーガの大団円を観た気がして
もう、唸るほかありませんでした。
返信する
■maru♪さん (えい)
2012-08-08 23:35:39
こんばんは。

この終わり方に「壮絶」と名付けた人、
凄いなと思いました。
このコピーの印象から、観る前は
これは悲劇的な結末を迎えるなと…。
ところが、あのエンディングは壮絶のさらに先を描いていて…、
なんか巧くやられた…そんな感じがしました。
返信する
■ノルウェーまだ~むさん (えい)
2012-08-08 23:40:47
こんばんは。
最近、日本でも富裕層VS貧困層がマスコミなどで大きく取り扱われ、
また、それぞれの利益を代表するかのような
政治的衝突が観られるようになりました。
おそらく、そのあたりが
この映画を観る時、
自然と自分の中に生じていたのかもしれません。
純粋に映画を楽しめない自分が少し哀しくもあります。
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