----テリー・ギリアム、精力的だね。
この前、『ブラザーズ・グリム』が公開されたばかりじゃなかった?
「うん。あの呪われた『The Man Who Killed Don Quixote』の不幸以来、
すっかり表舞台から姿を消していたと思ったら、最近またまた大活躍。
やはりただ者じゃなかったね。
この『ローズ・イン・タイドランド』は2004年秋、
『ブラザーズ・グリム』の編集が中断されている時に撮影されたらしい」
----映画ってそんな短期間で撮れちゃうものニャの?
「物語がほとんど一ヶ所で展開。
<ローズの幻想的な脳内冒険>という
その内容が内容だけにポストプロダクションには
けっこう時間がかかったと思うけど、
限定された場所での物語は
こういうときにはいいかもね」
----脳内冒険?それってどんなお話ニャの?
キャロル・ルイスの『アリス』にタイトルが似ているけど?
「主人公はジェライザ=ローズという名の女の子。
彼女には元ロックスターでジャンキーのパパと、
自分勝手なママがいる。
ところがそんなある日、ママが急死。
ローズはパパと一緒に今は亡きおばあちゃんの家へ。
しかし、そこでもパパはドラッグで“バケーション”へ。
見知らぬ土地でひとりぼっちになったローズは、
4体のバービー人形の “頭”と一緒に 冒険を始める」
----えっ、いま“頭”って言った?
「言ったよ(笑)。
ローズは、このバービー人形の頭を
指の先にはめて頭の中で会話している。
このブラックな感覚がテリー・ギリアムらしい部分。
この他にもローズがパパにドラッグ注射を討ったり、
人形の頭の中に脳みそが入ってきたり、
ミイラになった死体の顔がひしゃげたりと、
インモラルな映像が洪水のように溢れ出す」
----いわゆるダークファンタジーってわけ?
「いや、その言葉
ダークファンタジーが持つ湿った感触は
この映画にはまったくと言っていいほどないね。
実際にそう言う言葉があるかどうかは知らないけど、
ぼくはこれを<ブラックファンタジー>と呼びたい。
昔からそうだけど、
テリー・ギリアムの映画って、とにかくけたたましい。
たとえそれがファンタジーであっても狂騒に満ちている。
それでも『未来世紀ブラジル』や『12モンキーズ』のように、
ペシミスティックな要素が絡んで物語にタメが作れたときには、
とんでもない傑作となるんだけど……」
----これはどうだったの?
「どことなく『ラスベガスにやっつけろ』を思い出してしまった。
最初から最後までハイテンションで突っ走るんだ。
後で調べたら
脚本もギリアム&トニー・クリゾーニ。
この『ラスベガスをやっつけろ』コンビだったね。
あっ、それでも巧いなと思ったのはシルエットの使い方。
ローズばかりではなく観客の視覚をも錯誤させるその映像は
彼の才気の片鱗を見せてくれたよ」
(byえいwithフォーン)
未来世紀ブラジル スペシャル・エディション PIBF-61544
※テリー・ギリアムはやっぱこれでしょ。
※ブラックだ度
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※画像はアメリカ・オフィシャルサイトの壁紙です。
この前、『ブラザーズ・グリム』が公開されたばかりじゃなかった?
「うん。あの呪われた『The Man Who Killed Don Quixote』の不幸以来、
すっかり表舞台から姿を消していたと思ったら、最近またまた大活躍。
やはりただ者じゃなかったね。
この『ローズ・イン・タイドランド』は2004年秋、
『ブラザーズ・グリム』の編集が中断されている時に撮影されたらしい」
----映画ってそんな短期間で撮れちゃうものニャの?
「物語がほとんど一ヶ所で展開。
<ローズの幻想的な脳内冒険>という
その内容が内容だけにポストプロダクションには
けっこう時間がかかったと思うけど、
限定された場所での物語は
こういうときにはいいかもね」
----脳内冒険?それってどんなお話ニャの?
キャロル・ルイスの『アリス』にタイトルが似ているけど?
「主人公はジェライザ=ローズという名の女の子。
彼女には元ロックスターでジャンキーのパパと、
自分勝手なママがいる。
ところがそんなある日、ママが急死。
ローズはパパと一緒に今は亡きおばあちゃんの家へ。
しかし、そこでもパパはドラッグで“バケーション”へ。
見知らぬ土地でひとりぼっちになったローズは、
4体のバービー人形の “頭”と一緒に 冒険を始める」
----えっ、いま“頭”って言った?
「言ったよ(笑)。
ローズは、このバービー人形の頭を
指の先にはめて頭の中で会話している。
このブラックな感覚がテリー・ギリアムらしい部分。
この他にもローズがパパにドラッグ注射を討ったり、
人形の頭の中に脳みそが入ってきたり、
ミイラになった死体の顔がひしゃげたりと、
インモラルな映像が洪水のように溢れ出す」
----いわゆるダークファンタジーってわけ?
「いや、その言葉
ダークファンタジーが持つ湿った感触は
この映画にはまったくと言っていいほどないね。
実際にそう言う言葉があるかどうかは知らないけど、
ぼくはこれを<ブラックファンタジー>と呼びたい。
昔からそうだけど、
テリー・ギリアムの映画って、とにかくけたたましい。
たとえそれがファンタジーであっても狂騒に満ちている。
それでも『未来世紀ブラジル』や『12モンキーズ』のように、
ペシミスティックな要素が絡んで物語にタメが作れたときには、
とんでもない傑作となるんだけど……」
----これはどうだったの?
「どことなく『ラスベガスにやっつけろ』を思い出してしまった。
最初から最後までハイテンションで突っ走るんだ。
後で調べたら
脚本もギリアム&トニー・クリゾーニ。
この『ラスベガスをやっつけろ』コンビだったね。
あっ、それでも巧いなと思ったのはシルエットの使い方。
ローズばかりではなく観客の視覚をも錯誤させるその映像は
彼の才気の片鱗を見せてくれたよ」
(byえいwithフォーン)


※テリー・ギリアムはやっぱこれでしょ。
※ブラックだ度

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※画像はアメリカ・オフィシャルサイトの壁紙です。
予告編で見てからかなり気になってます。
バービーの頭だけってちょっと不気味。
その「ブラックファンタジー」なる映像と、かわいらしいローズのギャップがまた面白そうです。
不気味なシーンは、まだまだあります。
ホルマリン漬けの×××とか----。
この監督の<毒>はかなりのもの。
確かにロースがかわいいだけに
それがよけいに浮き上がりますよね。
早く公開が待ち遠しいです!
「未来世紀ブラジル」ああ、また見たいです・・・。
私は、「フィッシャー・キング」がすごく好きです
そうなんです。
キャストが『フィッシャー・キング』と同じジェフ・ブリッジス。
それだけでもドキドキしてしまいますよね。
予算不足もあったんでしょうが、やりたい事に表現がついていってない様に見えて、今ひとつ何がやりたかったのか判りませんでした。
ただジョデル・フェルランドは凄い。
彼女を見い出して、存分に生かしたのは流石です。
笑えるけどブラックでキツイなぁ~と思いましたよ。
映像として、その世界感はブラザーズ・グリムと違ってギリアムらしいと思いましたが、ちょっと後半は・・あとで悩まされました。
こんばんは。
ノラネコさんがご自分のところに書かれていた
「ローズの想像力が生み出す不思議な世界の描写が、殆んどシークエンスでなくカットでしか描かれない」は、
まさにこの映画の本質をついた言葉だと思います。
『未来世紀ブラジル』にはシークエンスがあったなあ。
■kaoritalyさん
こんばんは。
ブラック、そしてシニカルでしたね。
ジェフ・ブリッジスのおなかがふくらんでいるのは、
あまり見たくない絵です。
好きですね、こういう妄想系。笑
子供に返り楽しんできました。
ここまで想像力豊かな子供が今どの位日本にいるのか・・・こういう想像力なくして未来の映画界はありえません。笑
と、大袈裟ですが。豊かな心こそ子供たちには必要かなって思ったりもしました。
とても気に入られたようですね。
なるほど<妄想系>ですか。
これはいい言葉ですね。
これから使わせてもらおうっと(笑)。
ジェライザ=ローズは何度も読み返している
「不思議の国のアリス」をお手本にして厳しい
現実に対処しようとし、その結果、空想の迷路に
迷い込んでいたのだとラストシーンで思いました。