※少し見どころにも触れてます。
ネタバレにもなりますので、先に映画をご覧になった方がいいかも。
(英題:True Grit)
----やっと、この映画のお話だね。
観たときは、気に入っていたようだけど、
喋るまで、ずいぶんとかかっていない?
『ウォール・ストリート』『ヒアアフター』のように、
もう、やんないままなのかと…。
「いや。アカデミー作品賞の有力候補。
さすがに、これをスルーするわけはいかない。
フォーンも知っていると思うけど、
これはジョン・ウェインがアカデミー主演男優賞を受賞した
『勇気ある追跡』のリメイク。
実は、観る前に、
まずここがぼくのもっとも引っ掛かったところ。
大御所ジョン・ウェインと
今回、彼が演じた役をやるジェフ・ブリッジスとじゃ、
あまりにもキャラが違いすぎる…。
片や、アメリカがそうありたいと強く願っている“強い西部男”。
一方、こちらは、カウンター・カルチャー、
アメリカン・ニュー・シネマあがり。
歳月を経てからも
『ビッグ・リボウスキ』だの『クレイジー・ハート』だの、
落ちぶれた男というか、アメリカの影というか、
一言で言えば、しゃきっとはしない役が多かった。
でも、さすがだね。
観ているうちに、そんなことはどこかに吹き飛んで、
彼ならのアプローチでこの役を演じ切っていた」
----そういえば、ヒロインの少女を演じた
ヘイリー・スタンフェルドも話題になっているよね。
「うん。そうだね。
でも、その前に物語から。
この映画は一言で言えば、
父親を雇い人のトム・チェイニー(ジョシュ・ブローリン)に殺された少女マティ・ロスの復讐譚。
彼女は、大酒飲みのアイパッチをした連邦保安官ルースター・コグバーグ(ジェフ・ブリッジス)に彼の追跡を依頼。
そこに、別の容疑でチェイニーを追っていた
若きテキサス・レンジャーのラビーフ(マット・デイモン)も加わること…
という、まあシンプルなお話だ。
3人それぞれの思惑が入り乱れながら、犯人を追っての旅。
言うまでもなく、映画は、ロードムービーの形を取る。
まだ年端もいかないマティ・ロス。
最初は、適当にやり過ごそうとするコグバーグが、
いかにして彼女に協力するようになるか?
その心の変容が映画を牽引していく」
----ニャるほど。
そこに西部劇ならではの見どころを入れているわけだね。
「そういうことだね。
たとえば、こんなシーンがある。
コグバーグとマティが小高いところから小屋を見張る。
と、そこに、ラビーフが現れる。
いったん小屋に入り、再び出てきたところに、
今度は敵の一味が!
この一部始終を、ふたりの視線だけで見せきる。
つまり、画としては大俯瞰。
迫力あるシーンなのに人間は豆粒のよう。
しかも、すべてワンショットの中に描かれ、
カメラの切り返しなどはまったくない。
でも、それがスリルを盛り上げるんだ。
ぼくらも、マティたちの視線になるからね。
そして、そして、ここが声を大にして言いたい、
最後の馬上の銃撃戦。
複数の敵を相手に、コグバーグが一人で立ち向かう」
----いくら彼が強くてもそれは無理なのでは?。
「いや。だからこれが西部劇。
ヒーロー伝説ってヤツだね。
ところが、この後、映画は急に現代的な視線を獲得するんだ。
すべてのカタがついた後、
コグバーグとマティが乗った馬が死体累々の平原を駆け抜けていく。
それを彼女の目線で見せるんだ。
こういう映像は、初めて見たね。
深くは明かせないけど、この後の廃馬を撃つシーンも含め、
マティは、復讐には代償がつきものだということを実感するわけだ。
ヘイリー・スタンフェルドの演技は、
ここの意味を十分に理解してのモノ。
そこが、役に深みをもたらしている。
ここで映画は
9.11以降のアメリカの傷にもしっかり触れているんだ。
そんな悲惨な地にもかかわらず、
空には無数の星がまたたいている。
美しい大自然の夜。
映画としての興奮も最高潮。
これぞリメイクのお手本」
----めちゃくちゃ誉めちぎってニャい。
「う~ん。ただね。
この後の、
後日談のシーンが惜しい。
成長したマティが登場するんだけど、
ここは、あの『殺し屋判事/ロイ・ビーン』のように、
ジャクリーン・ビセット並の大物女優を使って
伝説の人への憧憬のまなざしで締めくくってほしかったな」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「“トゥルー・グリット”とは“真の勇気”なのニャ」
※この映画をリメイクする意味は十分あった度
こちらのお花屋さんもよろしく。
こちらは噂のtwitter。
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☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)
※画像はオフィシャル(壁紙ダウンロードサイト)より。
ネタバレにもなりますので、先に映画をご覧になった方がいいかも。
(英題:True Grit)
----やっと、この映画のお話だね。
観たときは、気に入っていたようだけど、
喋るまで、ずいぶんとかかっていない?
『ウォール・ストリート』『ヒアアフター』のように、
もう、やんないままなのかと…。
「いや。アカデミー作品賞の有力候補。
さすがに、これをスルーするわけはいかない。
フォーンも知っていると思うけど、
これはジョン・ウェインがアカデミー主演男優賞を受賞した
『勇気ある追跡』のリメイク。
実は、観る前に、
まずここがぼくのもっとも引っ掛かったところ。
大御所ジョン・ウェインと
今回、彼が演じた役をやるジェフ・ブリッジスとじゃ、
あまりにもキャラが違いすぎる…。
片や、アメリカがそうありたいと強く願っている“強い西部男”。
一方、こちらは、カウンター・カルチャー、
アメリカン・ニュー・シネマあがり。
歳月を経てからも
『ビッグ・リボウスキ』だの『クレイジー・ハート』だの、
落ちぶれた男というか、アメリカの影というか、
一言で言えば、しゃきっとはしない役が多かった。
でも、さすがだね。
観ているうちに、そんなことはどこかに吹き飛んで、
彼ならのアプローチでこの役を演じ切っていた」
----そういえば、ヒロインの少女を演じた
ヘイリー・スタンフェルドも話題になっているよね。
「うん。そうだね。
でも、その前に物語から。
この映画は一言で言えば、
父親を雇い人のトム・チェイニー(ジョシュ・ブローリン)に殺された少女マティ・ロスの復讐譚。
彼女は、大酒飲みのアイパッチをした連邦保安官ルースター・コグバーグ(ジェフ・ブリッジス)に彼の追跡を依頼。
そこに、別の容疑でチェイニーを追っていた
若きテキサス・レンジャーのラビーフ(マット・デイモン)も加わること…
という、まあシンプルなお話だ。
3人それぞれの思惑が入り乱れながら、犯人を追っての旅。
言うまでもなく、映画は、ロードムービーの形を取る。
まだ年端もいかないマティ・ロス。
最初は、適当にやり過ごそうとするコグバーグが、
いかにして彼女に協力するようになるか?
その心の変容が映画を牽引していく」
----ニャるほど。
そこに西部劇ならではの見どころを入れているわけだね。
「そういうことだね。
たとえば、こんなシーンがある。
コグバーグとマティが小高いところから小屋を見張る。
と、そこに、ラビーフが現れる。
いったん小屋に入り、再び出てきたところに、
今度は敵の一味が!
この一部始終を、ふたりの視線だけで見せきる。
つまり、画としては大俯瞰。
迫力あるシーンなのに人間は豆粒のよう。
しかも、すべてワンショットの中に描かれ、
カメラの切り返しなどはまったくない。
でも、それがスリルを盛り上げるんだ。
ぼくらも、マティたちの視線になるからね。
そして、そして、ここが声を大にして言いたい、
最後の馬上の銃撃戦。
複数の敵を相手に、コグバーグが一人で立ち向かう」
----いくら彼が強くてもそれは無理なのでは?。
「いや。だからこれが西部劇。
ヒーロー伝説ってヤツだね。
ところが、この後、映画は急に現代的な視線を獲得するんだ。
すべてのカタがついた後、
コグバーグとマティが乗った馬が死体累々の平原を駆け抜けていく。
それを彼女の目線で見せるんだ。
こういう映像は、初めて見たね。
深くは明かせないけど、この後の廃馬を撃つシーンも含め、
マティは、復讐には代償がつきものだということを実感するわけだ。
ヘイリー・スタンフェルドの演技は、
ここの意味を十分に理解してのモノ。
そこが、役に深みをもたらしている。
ここで映画は
9.11以降のアメリカの傷にもしっかり触れているんだ。
そんな悲惨な地にもかかわらず、
空には無数の星がまたたいている。
美しい大自然の夜。
映画としての興奮も最高潮。
これぞリメイクのお手本」
----めちゃくちゃ誉めちぎってニャい。
「う~ん。ただね。
この後の、
後日談のシーンが惜しい。
成長したマティが登場するんだけど、
ここは、あの『殺し屋判事/ロイ・ビーン』のように、
ジャクリーン・ビセット並の大物女優を使って
伝説の人への憧憬のまなざしで締めくくってほしかったな」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「“トゥルー・グリット”とは“真の勇気”なのニャ」
※この映画をリメイクする意味は十分あった度
こちらのお花屋さんもよろしく。
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※画像はオフィシャル(壁紙ダウンロードサイト)より。
確かに、ラストの締めくくりはもうちょっと欲しかったですねぇ。
それにしてもヘイリーのすべてをしっかり理解した演技に驚きでした。
そもそも何故助演になるのか、未だに納得いきませーん。
恋愛の絡まない三角関係が非常によかったです。ラストの星空の下は本当に感動的だったし、マティが珍しく感情を見せるシーンでもありましたよね。
私はそもそもリメイクだなんてことも知らずに見に行っちゃったのですが、これはこれとして素晴らしく、機会があったら是非オリジナルも見てみたいです。
ところで、英語のみの鑑賞になるので私としてはあの英語がイマイチ馴染めず(何しろオーストラリアとは全然違うし)うーん、ってカンジだったんですが、特にマットですね、わざと「アディオス」じゃなくて「エイディオス」と言ってましたが、あれ、字幕ってどうなっていましたか???あのキャラもなかなか深いと思うんですよね。
長々と失礼いたしました。
またお邪魔します。
ヘイリー・スタンフェルドは、恐ろしい役者になりそうですね。
あの役の深い部分を理解している。
ぼくも、助演ではなく、主演だと思います。
英語の発音、アクセントは…
ごめんなさい。
ぼくには分からないです。
前作でマティを演じたキム・ダービーも、あの作品でブレイクしましたね。「いちご白書」懐かしい。
ところで、主人公の役名、私の記憶ではコグバーグじゃなくて“コグバーン”だったように思うのですが。
キム・ダービーのことは
ぼくも考えていました。
『傷だらけの挽歌』なんてのもありましたよね。
ほんとだ。コグバーンだ。
ありがとうございます。
修正しておきます。
migさん、この映画ダメでしたか?
ぼくは、コーエン兄弟って、
それほど好きではないのですが、
見たら、けっこう引き込まれていたってことが多いです。
この映画も、その一例です。
歴史的な流れでいっても、これには何かオスカーあげたかったなあ。
私的には作品賞でも良かった。
しかし確かに言われてみれば、ラストのマティを大女優が演じていれば、更に映画力が高まった気はしますね。
オリジナルでマティを演じたキム・ダービーとかは・・・さすがに歳をとりすぎているか。
でもまぁ正統派な面白さは十分ありましたので、結構楽しめました。
こういう瞬間に出会うため、
映画を観ているような気がします。
予定調和だったら、自己完結。
何も映画である必要はない。
キム・ダービーがラストに出てきたら、
みんな感涙だったでしょうね。
あの『インテルビスタ』のアニタ・エクバーグのように。
正統派ですか…。
そういえば、こういう興奮、
しばらく味わってないなあ。