(原題:Across the Universe)
----これってビートルズの曲だけを使って作られたミュージカルなんだよね。
大胆というより、難しそうな気がするけど。
先に曲ありきってわけだし…。
「ぼくもそこが心配だったんだけどね。
だって、歌うのは本人たちとは別の人。
結局はカバーということになってしまう。
途中からとはいえ、
ビートルズを同時代で見聞きしている者からすると、
それだけで、なんだかなあという気になってしまう」
----でも、思ったより気にいっているみたいじゃニャい。
「そうなんだよね。
最初『Girl』から始まって『Helter Skelter』と続いていったときには、
ビートルズのいろんな時代の曲がないまぜになっていて、
正直、なんだかなあと思ったんだけどね」
----それってどういうこと?
「じゃあ、分かりやすく説明するために、
まずは簡単なプロットから…。
1960年代、リバプールから父を探しに
アメリカにやってきたジュード(ジム・スタージェス)。
自由な大学生マックス(ジョー・アンダーソン)に出会い、
2人はグリニッジ・ビレッジへ。
ミュージシャン仲間との新しい生活の中、
ジュードはマックスの妹ルーシー(エヴァン・レイチェル・ウッド)と恋に落ちる。
しかしベトナム戦争が激化する中、
戦場、反戦活動、プロのミュージシャンと、
仲間たちはバラバラになっていく…。
このストーリー自体はありふれていて、
しかもルーシーが政治活動に身を投じて、
そこにジュード言うところの『女たらし』が登場するところなんかは、
日本映画『祭りの準備』を思い出したりもしたね」
----ちょっと、トーンがダウンしてニャい?
「あっ、ごめんごめん。
話を先に進めると------
この映画の時代背景は、
キング牧師の暗殺が起こるところから
どうやら1968年ということが分かる。
ところがそこにビートルズのオールタイム・ヒット・ソングがかぶさる。
激動の60年代。ビートルズの曲は
アルバム一枚一枚ごとに変化を遂げていったわけで、
それをこの短い間に詰め込むというのは、
ちょっと違うんじゃないか…と、
そう思いながら観ていたわけだ。
でも、途中からあることに気づいて
一気にこの映画が好きになっちゃった」
----へぇ~っ。ニャにに気づいたわけ?
「この映画は、
監督ジュリー・テイモアによる
“ビートルズ解釈ムービー”ということ。
その音楽の使い方は実に巧い。
オリジナルの曲の特徴を見事にシーンの中に取り入れている。
たとえば『Hey Jude』。
この曲の途中で『Jude、Jude、Jude』と盛り上がるところは
フォーンも知っているよね。
それがマックスのセリフとして見事に生かされているんだ。
なかでもぼくが感心したのは
『I Want You(She′s So Heavy)』における“She”の正体。
それが何かはさすがにここは言えないけどね。
あとは『A Day In The Life』。
ここで使われるのは曲だけで歌はない。
でもそのオリジナルの歌詞と同じく
ジュードが新聞を読んでいて、
そしてクライマックスの爆発音で映像と音楽がシンクロする」
----ふうん。もっといろいろありそうだね。
「うん。でもこれについては
公式サイトに詳しく載っているらしいから、
そっちを読んだ方がいいと思う。
あと、特筆すべきはやはりその映像だね。
『ピンク・フロイド/ザ・ウォール』ほどダークではないポップなシュールさ。
そうそう『マジカル・ミステリー・ツアー』そっくりのシーンもある。
ここではU2のボノが『I Am The Walrus』を聞かせてくれる。
さらには『Being For The Benefit Of Mr.Kite』のカーニバル感もあれば、
日本の山海塾のような白塗の奇妙な人たちも出てくる。
そのイメージの豊富なことといったら
とても紹介しきれないな」
----でも、それをビジュアルにしちゃうんだからスゴいよね。
「うん。ぼくも少し気になって調べてみたんだけど、
プロダクション・デザインがマーク・フリードバーグという人。
彼は 『ダージリン急行』も手がけているんだって。納得だな」
----ところで、この映画は
最終的に何を言おうとしているの?
「それはビートルズだもの。
決まっているじゃないか。
答はここでは言わないけど、
ラストの曲を聴いたらだれもが納得。
不覚にもここでは涙がにじんでしまった。
これは単にノスタルジーからだけじゃないと思うな。
最近になくハッピーなエンディングに胸がいっぱいになったよ」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「それって愛かニャ平和かニャ?」
※『Oh!Darling』『Dont Let′s Me Down』を対にして使うところもいい度
人気blogランキングもよろしく
☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)
※画像はアメリカ・オフィシャル/ダウンロードサイトより。
----これってビートルズの曲だけを使って作られたミュージカルなんだよね。
大胆というより、難しそうな気がするけど。
先に曲ありきってわけだし…。
「ぼくもそこが心配だったんだけどね。
だって、歌うのは本人たちとは別の人。
結局はカバーということになってしまう。
途中からとはいえ、
ビートルズを同時代で見聞きしている者からすると、
それだけで、なんだかなあという気になってしまう」
----でも、思ったより気にいっているみたいじゃニャい。
「そうなんだよね。
最初『Girl』から始まって『Helter Skelter』と続いていったときには、
ビートルズのいろんな時代の曲がないまぜになっていて、
正直、なんだかなあと思ったんだけどね」
----それってどういうこと?
「じゃあ、分かりやすく説明するために、
まずは簡単なプロットから…。
1960年代、リバプールから父を探しに
アメリカにやってきたジュード(ジム・スタージェス)。
自由な大学生マックス(ジョー・アンダーソン)に出会い、
2人はグリニッジ・ビレッジへ。
ミュージシャン仲間との新しい生活の中、
ジュードはマックスの妹ルーシー(エヴァン・レイチェル・ウッド)と恋に落ちる。
しかしベトナム戦争が激化する中、
戦場、反戦活動、プロのミュージシャンと、
仲間たちはバラバラになっていく…。
このストーリー自体はありふれていて、
しかもルーシーが政治活動に身を投じて、
そこにジュード言うところの『女たらし』が登場するところなんかは、
日本映画『祭りの準備』を思い出したりもしたね」
----ちょっと、トーンがダウンしてニャい?
「あっ、ごめんごめん。
話を先に進めると------
この映画の時代背景は、
キング牧師の暗殺が起こるところから
どうやら1968年ということが分かる。
ところがそこにビートルズのオールタイム・ヒット・ソングがかぶさる。
激動の60年代。ビートルズの曲は
アルバム一枚一枚ごとに変化を遂げていったわけで、
それをこの短い間に詰め込むというのは、
ちょっと違うんじゃないか…と、
そう思いながら観ていたわけだ。
でも、途中からあることに気づいて
一気にこの映画が好きになっちゃった」
----へぇ~っ。ニャにに気づいたわけ?
「この映画は、
監督ジュリー・テイモアによる
“ビートルズ解釈ムービー”ということ。
その音楽の使い方は実に巧い。
オリジナルの曲の特徴を見事にシーンの中に取り入れている。
たとえば『Hey Jude』。
この曲の途中で『Jude、Jude、Jude』と盛り上がるところは
フォーンも知っているよね。
それがマックスのセリフとして見事に生かされているんだ。
なかでもぼくが感心したのは
『I Want You(She′s So Heavy)』における“She”の正体。
それが何かはさすがにここは言えないけどね。
あとは『A Day In The Life』。
ここで使われるのは曲だけで歌はない。
でもそのオリジナルの歌詞と同じく
ジュードが新聞を読んでいて、
そしてクライマックスの爆発音で映像と音楽がシンクロする」
----ふうん。もっといろいろありそうだね。
「うん。でもこれについては
公式サイトに詳しく載っているらしいから、
そっちを読んだ方がいいと思う。
あと、特筆すべきはやはりその映像だね。
『ピンク・フロイド/ザ・ウォール』ほどダークではないポップなシュールさ。
そうそう『マジカル・ミステリー・ツアー』そっくりのシーンもある。
ここではU2のボノが『I Am The Walrus』を聞かせてくれる。
さらには『Being For The Benefit Of Mr.Kite』のカーニバル感もあれば、
日本の山海塾のような白塗の奇妙な人たちも出てくる。
そのイメージの豊富なことといったら
とても紹介しきれないな」
----でも、それをビジュアルにしちゃうんだからスゴいよね。
「うん。ぼくも少し気になって調べてみたんだけど、
プロダクション・デザインがマーク・フリードバーグという人。
彼は 『ダージリン急行』も手がけているんだって。納得だな」
----ところで、この映画は
最終的に何を言おうとしているの?
「それはビートルズだもの。
決まっているじゃないか。
答はここでは言わないけど、
ラストの曲を聴いたらだれもが納得。
不覚にもここでは涙がにじんでしまった。
これは単にノスタルジーからだけじゃないと思うな。
最近になくハッピーなエンディングに胸がいっぱいになったよ」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「それって愛かニャ平和かニャ?」
※『Oh!Darling』『Dont Let′s Me Down』を対にして使うところもいい度
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※画像はアメリカ・オフィシャル/ダウンロードサイトより。
で、戦車っぽいのがアップになったら、実はアメリカを意識させるあんなのだったなんて。。。。やはり、アメリカは自由のために、戦うって?
あれと戦争を意識させる戦車をかさねるなんて。。。皮肉だろうニャ!!
おおっ。これご覧になってられましたか!?
亜蘭真 主美士さんとしては
あまり評価が高くない感じですね。
プロモーションビデオと言われてみると、
確かにその通りで、
『マジカルミステリー・ツアー』を
その後の映像技術で繰り返しやっているような感も
なきにしもあらずだったのですが、
自分の記憶しているあの時代の空気が
『ファクトリー・ガール』あたりよりも
好意的に描かれている気がしたので
嬉しかったです。
わたしこれ気に入ってしまいました。
サントラもすぐ買ってしまうほどに
映像も楽しかったです。
おおっ。サントラ買われましたか!?
カバー集なんで、迷うところですが
改めてビートルズはいいなと
あたりまえのことを再確認した映画でした。
こういう映画は、1年に1回は見返したいですね。
時々、拝見してました。会話調のレビューは私も、たま~に書いたりします。
ビートルズ好きの弊害で、この映画のサントラを聴いても、どうしてもビートルズの曲は超えられないな、とは思うのですが、でも、よくできた映画でした。
また、よろしくお願いします。
とても詳しく書かれたレビューに、
映画を観たときの感動が鮮やかに甦ってきました。
ビートルズは、やはり特別。
もし、こんな感じでほかのバンド、グループの曲を使っても、
時代を象徴するところまではいかないだろうなと思いました。
失礼します。
ご連絡ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。
ビートルズを使ってミュージカルなんて、
ヘタするとハードル高すぎて大変なんじゃないかと
思ってましたが、サラっと作ってあって気に入りました。(内容は結構ヘヴィーでしたが)
こういうカバー曲満載の映画を見ると、オリジナルが
聞きたくなるんですけど、不思議なくらいそれは
無かったです。
歌詞はシンプルなほどいいなぁと改めて思った
作品でした。
ビートルズについて思いを馳せるとき、
いつも思うのが、
彼らの存在は音楽史上の奇跡ということです。
あれだけオリジナリティがある曲を次々と生み出した
アーチストはほかにいないような気がします。
しかもこんなにも詩が素晴らしい。
今回の映画はそんなことを改めて教えてくれました。