(英題:Hugo)
----これ、マーティン・スコセッシ監督の新作だよね。
しかも3D。
よく「映画への愛」を描いているって、言われているけど、
それってどういうこと?
「ぼくも、どういうことかなと、
もしかしたら、原作に“映画愛”の要素を加えたのではないかと、
監督が、映画生誕10年を祝ったドキュメンタリー
『A Personal Journey with Martin Scorises Through American Movies』や
『マーティン・スコセッシ 私のイタリア映画旅行』などを手掛けた
あのスコセッシだけにね…。
ところが、なんとこれって原作自体が
映画史上、もっとも重要な、
あるひとりの作家を取り扱ったものだったんだ
まさに彼のためにあるような原作」
----へぇ~っ。
てっきり、パリの時計台に住む少年の物語とばかり…。
「それには間違いないんだけどね。
主人公は、時計職人で、博物館の所蔵品の修繕もしていた父親(ジュード・ロウ)を亡くし、
冷酷な叔父に引き取られた少年ヒューゴ(エイサ・バターフィ-ルド)。
ある日、駅構内のオモチャ屋に忍び込み、
ネズミのオモチャを盗もうした彼は、
店主のジョルジュ(ベン・キングズレー)に捕まってしまう。
ポケットの中身全部を調べ上げられるヒューゴ。
彼は、その中でも最も大切にしていた
父の遺したノートを取り上げられてしまう。
そのノートには、
父が亡くなる直前まで心奪われていた“機械人形”の修理方法が描かれていた。
ジョルジュは、決してノートをあきらめないヒューゴに、
盗んだ分を働いたら返してやると譲歩する。
かくしてジョルジュの店に通うことになったヒューゴは、
そこでジョルジュの養子イザベル(クロエ・グレース・モレッツ)と出会い、
心を開くようになっていく…」
----ふむ。その著名人はジョルジュという名なのだニャ。
ジョルジュ、ジョルジュ、ジョルジュ…。
誰だろう?
「う~ん。
これは映画史に興味を持っていないと出会わない名前かも。
その手の本には必ず出てくるんだけどね。
答は、特撮の父ジョルジュ・メリエス。
ほんとうは、この答を明かすべきかどうか迷ったんだけど、
プレスの裏に、彼の代表作、
最初のSFとも言われる『月世界旅行』のワンシーンが載っているから、
まあ、いいのかな?って。
とは、言いつつも、
ぼくはこの映画がメリエスを扱っているとは知らなかっただけに
ほんとうに嬉しい驚きだったんだけど。
それこそ学生時代にアテネフランセで観て以来だもの」
----ニャるほど、メリエスだったらオモシロそうだ。
「でしょ。
さて、この映画、
父を失ってこっそり隠れ住んでいたヒューゴが希望を取り戻すまでを、
“映画”そしてジョルジュ・メリエスとの関わりの中で描いていく。
それだけに全篇が見逃せないシーンの連続。
おそらく、人によっていろんな楽しみ方ができると思うけど、
ぼくはこれをスコセッシの“3D支持宣言”と取ったね。
冒頭の、パリに降る雪、光にきらめく綿ぼこりなど、
この映画それ自体もスペクタクルではないディテールにおける3Dの魅力を謳っているけど、
いちばん注目してほしいのが
メリエスが特撮を駆使した『A Thousand and One Nights』を撮影シーンもろとも見せていること。
この『ヒューゴの不思議な発明』が3Dであるだけに、
撮影シーンの向こうに描かれた撮影中の『A Thousand and One Nights』も3Dとなる。
特殊効果の萌芽的な撮影がいかにしてなされていたかが、いまの最新の3Dで楽しめるわけだ。
実は、ジョルジュ・メリエスはマジシャン上がり。
リュミエール兄弟の『シネマトグラフ』を観て、
そこに新たな可能性を感じ取り、
映画にストーリー性を持たせたり、カット割りなどを使用。
もし、そんな彼が現代にまだ生きていたら…」
----それは3Dに手を出すに違いないニャ。
「そういうこと。
ここにスコセッシがこの映画を撮ったわけ、
しかも3Dで…という理由が見えてくる。
そう言う意味でも興味深い作品だったね」
(byえいwithフォーン)
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----これ、マーティン・スコセッシ監督の新作だよね。
しかも3D。
よく「映画への愛」を描いているって、言われているけど、
それってどういうこと?
「ぼくも、どういうことかなと、
もしかしたら、原作に“映画愛”の要素を加えたのではないかと、
監督が、映画生誕10年を祝ったドキュメンタリー
『A Personal Journey with Martin Scorises Through American Movies』や
『マーティン・スコセッシ 私のイタリア映画旅行』などを手掛けた
あのスコセッシだけにね…。
ところが、なんとこれって原作自体が
映画史上、もっとも重要な、
あるひとりの作家を取り扱ったものだったんだ
まさに彼のためにあるような原作」
----へぇ~っ。
てっきり、パリの時計台に住む少年の物語とばかり…。
「それには間違いないんだけどね。
主人公は、時計職人で、博物館の所蔵品の修繕もしていた父親(ジュード・ロウ)を亡くし、
冷酷な叔父に引き取られた少年ヒューゴ(エイサ・バターフィ-ルド)。
ある日、駅構内のオモチャ屋に忍び込み、
ネズミのオモチャを盗もうした彼は、
店主のジョルジュ(ベン・キングズレー)に捕まってしまう。
ポケットの中身全部を調べ上げられるヒューゴ。
彼は、その中でも最も大切にしていた
父の遺したノートを取り上げられてしまう。
そのノートには、
父が亡くなる直前まで心奪われていた“機械人形”の修理方法が描かれていた。
ジョルジュは、決してノートをあきらめないヒューゴに、
盗んだ分を働いたら返してやると譲歩する。
かくしてジョルジュの店に通うことになったヒューゴは、
そこでジョルジュの養子イザベル(クロエ・グレース・モレッツ)と出会い、
心を開くようになっていく…」
----ふむ。その著名人はジョルジュという名なのだニャ。
ジョルジュ、ジョルジュ、ジョルジュ…。
誰だろう?
「う~ん。
これは映画史に興味を持っていないと出会わない名前かも。
その手の本には必ず出てくるんだけどね。
答は、特撮の父ジョルジュ・メリエス。
ほんとうは、この答を明かすべきかどうか迷ったんだけど、
プレスの裏に、彼の代表作、
最初のSFとも言われる『月世界旅行』のワンシーンが載っているから、
まあ、いいのかな?って。
とは、言いつつも、
ぼくはこの映画がメリエスを扱っているとは知らなかっただけに
ほんとうに嬉しい驚きだったんだけど。
それこそ学生時代にアテネフランセで観て以来だもの」
----ニャるほど、メリエスだったらオモシロそうだ。
「でしょ。
さて、この映画、
父を失ってこっそり隠れ住んでいたヒューゴが希望を取り戻すまでを、
“映画”そしてジョルジュ・メリエスとの関わりの中で描いていく。
それだけに全篇が見逃せないシーンの連続。
おそらく、人によっていろんな楽しみ方ができると思うけど、
ぼくはこれをスコセッシの“3D支持宣言”と取ったね。
冒頭の、パリに降る雪、光にきらめく綿ぼこりなど、
この映画それ自体もスペクタクルではないディテールにおける3Dの魅力を謳っているけど、
いちばん注目してほしいのが
メリエスが特撮を駆使した『A Thousand and One Nights』を撮影シーンもろとも見せていること。
この『ヒューゴの不思議な発明』が3Dであるだけに、
撮影シーンの向こうに描かれた撮影中の『A Thousand and One Nights』も3Dとなる。
特殊効果の萌芽的な撮影がいかにしてなされていたかが、いまの最新の3Dで楽しめるわけだ。
実は、ジョルジュ・メリエスはマジシャン上がり。
リュミエール兄弟の『シネマトグラフ』を観て、
そこに新たな可能性を感じ取り、
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もし、そんな彼が現代にまだ生きていたら…」
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この間観た『マリリン 7日間の恋』もそうだったし、まだ未見だけど『アーティスト』といい、映画人が古き良き映画撮影を懐かしむ時期に来ているのかな…と感じました。
つまりは映画が新しい時代に突入しているってことなんでしょうねぇ。
でも撮影方法は変わっても、人々を楽しませたいという根底にあるものは色あせることが無い。
そんな映画愛を感じるいい作品でした♪
フランスがアメリカ映画について語る。
本作と『アーティスト』は
互いにクロスしているところがいいですよね。
ぼくは、映画撮影のバックステージを描いた映画は大好き。
それだけで、本作は高得点です。
「アーティスト」も良い映画なのでしょうが、
いまさら無声白黒映画が3Dをさしおいて受賞したら考え込んでしまいそうです。
いや、子どもだけじゃなく、
大人でも「あれ、なんだったの?」と言っている方が多いそうですよ。
う~ん。『アーティスト』と、
どちらが好きかと言うと、
これはこれで悩ましい問題ではありますが…。
やはり全てにおいて愛は偉大なり!
そうか、わたし自身が、いつかどこかでチラっと観た『月世界旅行』(の1シーン)を
「そうそう、これ観たことある~」と楽しんでしまったから、そうだと思い込んでしまいましたが・・・
それに加えて、アメリカ人が語るフランス映画を英国人で演じていることや、
個性的な登場人物や、可愛いお花屋さんや、女性たちの衣装や・・・と
観るところがたくさんあって、楽しかったです。
これは困りました。
スコセッシが3D宣言をしたことによって、周囲が引きずられないことを祈るばかりです。
幸い「アーティスト」が作品賞を取った事で、反対派もしくは慎重派がまだ多いと受け止めていいのかも。
2Dで観て充分3Dを感じましたが、きっと3Dで観たらもっと凄いだろうな~と憧れつつも体質にどうも合わなかったみたいです。
ジョルジュ・メリエスの映画は、
それこそ20代の頃に観たきりなのですが、
『月世界旅行』は
「よく、そんな昔にこんなものが作れたな」と、
ビックリした記憶があります。
映画という新しい表現手段ーー。
それを使って、
「あれもやりたいこれもやりたい」という
意欲が漲っていたのでしょうね。
言われてみると、ジョルジュ・メリエス役はイギリスの俳優。
そういうところもオモシロいですね。
うちの「コトリ花店」は
パりスタイルの花屋を目指していることもあり、
あの花屋のシーンは、
それだけでも嬉しいプレゼントでした。
大丈夫だと思い安すよ。
ぼくも3Dは苦手な方。
この映画は逆に、
「3Dをやるなら、
ここまで徹底して、
意味を持って…」と言っている気がしました。
逆に、これ以後、
安易に3Dをやることは恥ずかしいという、
そんな風潮が出てくるのではないかと、
ぼくは期待しています。