ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ラストスタンド』

2013-02-21 22:30:50 | 新作映画

(原題:The Last Stand)

----この映画、シュワルツェネーッガ-の復活作。
“10年ぶり”というと、
その前は『ターミネーター3』になるんだっけ?
「そうだね。
以後、『』『エクスペンダブルズ』
『エクスペンダブルズ2』
もあったけど、
まあ、特別出演だったり、せいぜい肩慣らしの顔見せだったり…」

----そう言えばそうだね。
でもそれだったら、
もう少し話題になってもよさそうだけど…。
「うん。
この間、ある打合せの席で耳にしたんだけど、
これ、アメリカではヒットしなかったらしい。
ぼく個人としては多いに楽しめたんだけどね」

----どういうところが受けなかったんだろう?
「これは観てみるとすぐ分かることなんだけど、
映画が今っぽくない。
たとえば、ジェイソン・ステイサムのアクションみたいに
いわゆる、エッジの利いた映像じゃないんだ。
ただ、ぼくはそこに
逆にこの映画の魅力を感じたんだけどね。
最近のアクション映画ときたら、
青みがかったざらついた画を
ぶんぶん振り回すキャメラで捉える。
しかもそれをめまぐるしい編集で繋ぎ、
さらには耳をつんざく効果音を付け加える。
どうも、シャープという言葉を勘違いしているかのよう」

----それって、映画が
お芝居で勝負していないってことだよね?
「おっ、分かっているね。
実は僕もそう思うんだ。
もし、物語や役者で見せることができたら、
こんな小手先の技術は使わないでもいいはず。
この映画は、
シュワルツェネッガーという
いまや伝説の域に入ろうとしているビッグスターを主人公に持ってくることによって
技術周りのことに頼らなくていいようなっている。
カ―アクションにしても、
ここぞというときに使うだけ。
延々と繰り広げるような愚は犯さない。
その分、数少ないそのシーンでは、
趣向を凝らしたユニークなスタントを見せてくれる。
ガンアクションにしてもそう。
やたら、撃ち合いを続けるのではなく、
レトロな重火器を次々と使うことにより、
敵側のハイテク装備と対抗する」

----えっ、ハイテク装備?
どういう敵ニャんだろう?
ストーリーを説明してよ。
「では簡単に。
事件の引き金を引くのは、
まやく王のコルテス(エドゥアルド・ノリエガ)。
移送中にバニスター捜査官(フォレスト・ウィテカー)らFBIの警備を出し抜いた彼は、
時速400キロで走るコルベットZR1を駆り、
メキシコ国境に向けて逃走を開始。
彼が目指すのは
元ロス市警のオ-ウェンズ(アーノルド・シュワルツェネッガー)が保安官を務める辺境の街。
FBIからの通報で上京を知ったオーウェンズは
コルテスをみすみすメキシコへ逃すか、
最後の砦(ラストスタンド)となって
阻止するかの選択を迫られる。
結果、後者の道を選んだオーウェンズの下には、
戦闘体験はないが気持ちだけは熱い4人の仲間が集結する」

----ニャんだか、漫画チック!
「確かに。
迎え撃つ彼らの武器が
スクールバスに、
第二次世界大戦の骨とう品なんだから。
ただ、これも突き詰めて言うなら西部劇だね。
メキシコの国境、保安官ときたら
『リオ・ブラボー』
もちろん、あの名作と比べてしまったら
身も蓋もないかもしれないけど、
こういうシンプルな男のドラマで
映画を観始めた過去を持つ身にとっては
このジョン・ウェイン的な強い主人公とその仲間の構図は
ほんとうに懐かしい。
スクリーンで映画を観る楽しさ、
その原点を思い起こさせてくれた。
そういう意味でも、この映画はいとおしいね」



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「監督は『悪魔を見た』キム・ジウンなのニャ」身を乗り出す

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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
意外です! (ノルウェーまだ~む)
2013-03-03 16:50:36
えいさん☆
これアメリカではウケなかったのですかー?
最高に私は大好きです!
今っぽくないのに、ありきたりじゃないところ、本当にいいですよね。
楽しめました。
■ノルウェーまだ~むさん (えい)
2013-03-11 18:44:13
こんばんは。

どうやら、そのようです。
でも、日本ではすでに観た人の評判も上々で、
後悔が楽しみです。
こんばんわ (にゃむばなな)
2013-04-30 22:08:11
アメリカ人はもっと銃弾が飛び交う銃撃戦を見たかったのでしょうかね。それとも最後にFBIが保安官に敬礼をしないところに愛国心を感じなかったからでしょうかね。

まぁ理由はともあれ、ビッグスターの復帰作としては十分だったのではないでしょうか。個人的にもそこそこ満足できるものでしたから。
こんばんは (ノラネコ)
2013-05-01 00:34:05
良い意味で古臭く、枯れた味わいが実に愛しくなる映画。
圧倒的な存在感を持つスターと、古典的ながら良く出来た物語があれば、後は小手先の技巧は必要ない事を見事に証明しましたね。
アメリカでコケたのは残念ですが、キム・ジウンはこれからもハリウッドでやってほしいなあ。
なんだか水を得た魚の様でした。
■にゃむばななさん (えい)
2013-05-06 22:50:06
う~ん。
本国でなぜ受けなかったのか?
一言で言えば今の映画っぽくないからじゃないでしょうか?
こういうオールドファッションな映画の楽しみが
忘れられていっているようで
少し寂しいです。
■ノラネコさん (えい)
2013-05-06 22:52:08
さすがノラネコさん。
この映画の魅力をズバリ言い当てていますね。
そう、これはスター・ムービー。
ただ、そこに出ているだけでなく
その魅力をいかすだけのストーリーを用意し、
小細工を使わない。
真っ向勝負の映画という気がしました。
面白い! (Kei)
2013-05-06 23:53:22
まさしく、「リオ・ブラボー」オマージュでしたね。
多少カー・チェイスで色を付けてるものの、基本は“街を守る保安官”が主人公の正統西部劇パターンをきちんと踏まえていて、西部劇ファンには嬉しくなる出来でした。
アメリカでヒットしなかったのは、そのオーソドックスな作りが、今の若い人にはウケなかったのでしょうかね。
ラストの殴り合いも、ジョン・ウェインとランドルフ・スコットが壮絶に殴り合う「スポイラース」を思わせてニンマリしました。
シュワちゃんは、次は本物の西部劇に出て欲しいですね。監督は引続きキム・ジウンで…。
私としては (ナドレック)
2013-05-10 03:21:45
『リオ・ブラボー』より面白かったように思います:-)
アクション映画では寝てしまう私ですが、これは全然眠気を感じませんでした。
痛快作ですね!
■Keiさん (えい)
2013-05-12 18:56:42
こんにちは。

結局、昔の映画はよく考えられていたってことかな…
なんて、少し寂しくもなりますが、
やはり、オモシロいものはオモシロい。
でも、それがヒットしなかったということを考えると、
さらに複雑。
映画というモノ自体が変わってきているんでしょうか?
■ナドレックさん (えい)
2013-05-12 18:58:05
同感。まさに痛快作!
アクション映画で眠くならないというのは、
重要なポイント。
最近では、韓国映画の
『殺人の告白』がそうでした。

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