(原題:Wall-E)
----これはフォーンも観たいニャあ。
人間たちが見捨てた地球で、
たったひとり700年間も働き続けてきた
ゴミ処理ロボットのお話ニャンでしょ。
「ほほ~っ。
さすがによく知っているね」
----あれだけ予告が流れていたらね。
でも、このウォーリーってロボット、
どこかで観たことがあるような……。
あっ、分かった『ショート・サーキット』だ。
「うん。そっくりだよね。
でも、『ファインディング・ニモ』も監督している
このアンドリュー・スタントンが最初にイメージしたのは、
ゴミの山でも乗り越えられるようにキャタビラのついた“立方体のゴミ圧縮機”。
その顔については、
ある日、野球の試合を観てひらめいたらしい」
----ん?どういうこと。
「双眼鏡を何気なく上下に動かすと、
まるでそれが感情を表現しているように見えたんだって」
---ニャるほど。
ところでこの映画、もう一体ロボットが出てくるよね。
そちらはウォーリーとは対照的な感じだけど…。
「イヴのことだね。
彼女はピカピカに輝くボディに、
滑らかな曲線を持つ流線型。
本作のキャラクター・アート・ディレクターいわく
『i podがロボットになったような』美しさ。
なんと、ウォーリーの充電完了音は、
マックの起動音を使用しているんだ」
----えっ?このロボット、女性ニャの?
「ロボットに男性、女性があるかどうかはクエスチョンだけど、
声も愛らしいし、ぼくはそんな感じがしたね。
物語は、見かけによらず攻撃的な
このイヴが地球上に降りてきたことから
大きく動き始める。
それまでゴミの中から見つけたミュージカル映画
『ハロー・ドーリー!』のビデオで、
映画の主人公たちのように“手をつなぐ”ことを夢見ていたウォーリーは、
イヴを見てたちまち恋してしまうんだ。
最初は、自分の任務以外は眼中になかった危険なイヴも、
身を呈して自分を守るウォーリー、
その彼が次々と見せてくれる“宝物”に興味を示し、
次第に打ち解け始める----」
----危険ってどういうこと?
「イヴはスゴい破壊力のキャノン砲を装備。
あたりかまわずぶっ飛ばしてしまうんだ。
最初は、スゴく気が短いなと思ったほど…。
この映画の一番のオモシロさは、
そんなイヴに気に入られようと、
ウォーリーが
あれこれ手を尽くすところだね。
その気持ち、分かる分かるって感じ」
----たとえば、どんなことするの?
「う~ん。
これは観てのお楽しみということに。
でも、一つだけ言っちゃおうかな。
“エアパッキンでプチプチ”。
これには笑えたね」
----それは楽しそう。(笑)
「ところが、とっておきの宝物、
小さな“植物”をウォーリーがイヴに見せた瞬間、
その植物が身体に取り込まれ、
イヴはまったく動かなくなってしまう。
そこに巨大な宇宙船が現れ、彼女を船内へ。
『イヴを救わなくては!』------
かくしてウォーリーの大冒険が始まる」
----そうか、これってそういうお話だったんだ。
けっこう、ミステリアスなんだね。
「そういうこと。
イヴは、誰が作り、何のために地球に送り込まれたのか?-----
ただ、正直言うと、ここからの冒険は
同じディズニー/ピクサーでも、
『モンスターズ・インク』には遠く及ばない気がしたね。
それよりも見どころは
やはり荒廃した地球の風景。
ズームやステディカム風の映像など、
それを写し出す実写的な映像テクニックと相まって、
一瞬アニメであることを忘れてしまう。
なかには手ぶれ風の映像まであるんだ」
----それはスゴい発想の転換だニャ。
「内容の方も
ウォーリーの孤独感がたまらない。
スピルバーグの『A.I.』もそうだったけど、
いくら命があったって、
永遠のひとりぼっちは耐えられないよね。
これは手塚治虫の『火の鳥』のモチーフとしても
繰り返し出てきていたけど、
やはり、自分の存在を認めてくれる相手がいなくては、
長く生きていても、それはただ辛いだけだ」
----そうか。
だからこそ、ウォーリーは
一人になるのはもう耐えられない---と、
イヴを追いかけるわけだ。
いったい、宇宙で何が彼らを待ち受けるんだろう?
ニャンだか、スゴく気になるニャあ。
「さあ、何でしょ。
あっ、一つ言い忘れていた。
永遠の孤独と言いながらも
『ピノキオ』のコオロギじゃないけど、
とんでもない生きものが
いつもウォーリーに寄り添っている。
おそらくアニメで、いや実写も含めて
この生きものをこんなにキュートに描いたのは初めて」
----ニャにニャに、それ?
「ヒントは、大昔から生きている生きもの。
この映画でも、ちょっとやそっとじゃ死なないんだ。
普段は人間に嫌われているけどね」
----大昔から----。人間に嫌われている----。
ん。ニャンだか分かった気がするニャあ。
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「フォーンも一人のお留守番はいやニャ」
※フィギュアが欲しくなる度
お花屋さん
人気blogランキングもよろしく
☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)
※画像はアメリカ・オフィシャル(ダウンロードサイト)より。
----これはフォーンも観たいニャあ。
人間たちが見捨てた地球で、
たったひとり700年間も働き続けてきた
ゴミ処理ロボットのお話ニャンでしょ。
「ほほ~っ。
さすがによく知っているね」
----あれだけ予告が流れていたらね。
でも、このウォーリーってロボット、
どこかで観たことがあるような……。
あっ、分かった『ショート・サーキット』だ。
「うん。そっくりだよね。
でも、『ファインディング・ニモ』も監督している
このアンドリュー・スタントンが最初にイメージしたのは、
ゴミの山でも乗り越えられるようにキャタビラのついた“立方体のゴミ圧縮機”。
その顔については、
ある日、野球の試合を観てひらめいたらしい」
----ん?どういうこと。
「双眼鏡を何気なく上下に動かすと、
まるでそれが感情を表現しているように見えたんだって」
---ニャるほど。
ところでこの映画、もう一体ロボットが出てくるよね。
そちらはウォーリーとは対照的な感じだけど…。
「イヴのことだね。
彼女はピカピカに輝くボディに、
滑らかな曲線を持つ流線型。
本作のキャラクター・アート・ディレクターいわく
『i podがロボットになったような』美しさ。
なんと、ウォーリーの充電完了音は、
マックの起動音を使用しているんだ」
----えっ?このロボット、女性ニャの?
「ロボットに男性、女性があるかどうかはクエスチョンだけど、
声も愛らしいし、ぼくはそんな感じがしたね。
物語は、見かけによらず攻撃的な
このイヴが地球上に降りてきたことから
大きく動き始める。
それまでゴミの中から見つけたミュージカル映画
『ハロー・ドーリー!』のビデオで、
映画の主人公たちのように“手をつなぐ”ことを夢見ていたウォーリーは、
イヴを見てたちまち恋してしまうんだ。
最初は、自分の任務以外は眼中になかった危険なイヴも、
身を呈して自分を守るウォーリー、
その彼が次々と見せてくれる“宝物”に興味を示し、
次第に打ち解け始める----」
----危険ってどういうこと?
「イヴはスゴい破壊力のキャノン砲を装備。
あたりかまわずぶっ飛ばしてしまうんだ。
最初は、スゴく気が短いなと思ったほど…。
この映画の一番のオモシロさは、
そんなイヴに気に入られようと、
ウォーリーが
あれこれ手を尽くすところだね。
その気持ち、分かる分かるって感じ」
----たとえば、どんなことするの?
「う~ん。
これは観てのお楽しみということに。
でも、一つだけ言っちゃおうかな。
“エアパッキンでプチプチ”。
これには笑えたね」
----それは楽しそう。(笑)
「ところが、とっておきの宝物、
小さな“植物”をウォーリーがイヴに見せた瞬間、
その植物が身体に取り込まれ、
イヴはまったく動かなくなってしまう。
そこに巨大な宇宙船が現れ、彼女を船内へ。
『イヴを救わなくては!』------
かくしてウォーリーの大冒険が始まる」
----そうか、これってそういうお話だったんだ。
けっこう、ミステリアスなんだね。
「そういうこと。
イヴは、誰が作り、何のために地球に送り込まれたのか?-----
ただ、正直言うと、ここからの冒険は
同じディズニー/ピクサーでも、
『モンスターズ・インク』には遠く及ばない気がしたね。
それよりも見どころは
やはり荒廃した地球の風景。
ズームやステディカム風の映像など、
それを写し出す実写的な映像テクニックと相まって、
一瞬アニメであることを忘れてしまう。
なかには手ぶれ風の映像まであるんだ」
----それはスゴい発想の転換だニャ。
「内容の方も
ウォーリーの孤独感がたまらない。
スピルバーグの『A.I.』もそうだったけど、
いくら命があったって、
永遠のひとりぼっちは耐えられないよね。
これは手塚治虫の『火の鳥』のモチーフとしても
繰り返し出てきていたけど、
やはり、自分の存在を認めてくれる相手がいなくては、
長く生きていても、それはただ辛いだけだ」
----そうか。
だからこそ、ウォーリーは
一人になるのはもう耐えられない---と、
イヴを追いかけるわけだ。
いったい、宇宙で何が彼らを待ち受けるんだろう?
ニャンだか、スゴく気になるニャあ。
「さあ、何でしょ。
あっ、一つ言い忘れていた。
永遠の孤独と言いながらも
『ピノキオ』のコオロギじゃないけど、
とんでもない生きものが
いつもウォーリーに寄り添っている。
おそらくアニメで、いや実写も含めて
この生きものをこんなにキュートに描いたのは初めて」
----ニャにニャに、それ?
「ヒントは、大昔から生きている生きもの。
この映画でも、ちょっとやそっとじゃ死なないんだ。
普段は人間に嫌われているけどね」
----大昔から----。人間に嫌われている----。
ん。ニャンだか分かった気がするニャあ。
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「フォーンも一人のお留守番はいやニャ」
※フィギュアが欲しくなる度
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※画像はアメリカ・オフィシャル(ダウンロードサイト)より。
ある意味、あの後半があるからピクサーらしいのかな、とも思えます。あのシチュエーションでなら、いくらでもシビアでハードなSFに仕立てられたのに、あえてファミリー向けというか、一篇の童話のように作ってしまえるのもすごい才能だなあ、と。
ところで、アニメにおける手持ちカメラのブレやピンボケの表現は私の試聴経験では2004年の『鋼の錬金術師』が最初だと思います。そして今ではもうジャパニメーションでは使い古された感さえあるテクですので、私は「ああ、ピクサーのスタッフも日本のアニメをよく観てるな」と思ったくらいです。
今の日本のアニメのカメラワークのダイナミックさと、対してキャラの微妙な動きの描写はものすごいですよ。
ハリウッドのモーションピクチャーなんてとっくに時代遅れに感じます。
私個人は“ジブリの子供たち”だからこそできる芸当だとも思ってますが。
そうなんですよ。
後半、宇宙に飛び出してからは
スペースオペラ風に展開するのかと思いきや、
あの宇宙船の内部は、
(少なくとも人間は)いたってのどか。
予告から受けた印象とはかなり違い、
ビックリしました。
なるほど。これら実写的手法は
日本のアニメが先駆者なんですね。
『鋼の錬金術師』も観てますが、
不覚にも気づきませんでした。
よろ川長TOMさんのチャップリンとの比較、
興味深かったです。
ぼくは本文では書きませんでしたが、
やはりスピルバーグの影響を感じました。
『未知との遭遇』以来、「手」は最大のコミュニケート手段。
もっともスピルバーグの中では「手」はそれ以前からの重要なモチーフ。
『激突!』『JAWS・ジョーズ』などに思いをめぐらせるとき、
ぼくの脳裏にまず浮かぶのは
この「手」の登場シーンです。
こちらでは一ヶ月以上も前に上映になったこの映画、早く語りたくてうずうずしていましたよー。ホントWall-Eの動きが愛らしくて、プチプチも魚のおもちゃもなんだかとってもツボでした。ロボットなのに、小学生の男の子が好きな子に接するみたいな姿がたまらずいじらしく、あっという間にこの映画、好きになりました。確かに後半は全然ジャンルの違うような映画になってしまいましたがそれでも私、この映画好きですよー。
別のブログでショート・サーキットについてもコメントしたので今日は二つのブログからTB送ってしまいました。失礼いたしましたー。またお邪魔しますね♪
いま、ハリウッドの話題作は
そのほとんどが日米同時公開なのに、
なぜかウォルト・ディズニー系は
日本で遅れて公開されることが多いです。
今回はクリスマス・シーズンにあわせたということでしょう。
『ショート・サーキット』も
ご覧になったのですか!?
あの映画も公開当時は、
けっこう人気がありましたが、
今回ほどのブームは
さすがに起こりませんでした。
(なんて、ブームが起こることを
すでに確信しています)
個人的には、後半はマーケットの要求かなあと思いました。
想像するに、スタントンとしては前半の世界観で全体を構成したかったのではないでしょうか。
実際それは可能だと思いますし、もしそうなっていればこれは映画史上のエポックになっていたかもしれません。
ただ、だからと言ってつまらない訳ではないのが凄いところで、トータルで観るときちんと筋が通っていて、十分以上に面白いんですよね。
色々な映画から引用を感じましたが、私が一番意識したのが、「サイレントランニング」です。
あの映画のラストシーンの切なさが、前半のウォーリーの姿にかぶりました。
>私も「モンスターズ・インク」は大好きで、ピクサーの最高傑作だと思っています。
うわあ。嬉しいです。
あの映画は驚きでした。
後半になるにつれて、映画がエモーショナルになっていく。
ところがこれは逆なんですよね。
前半の方が、ふたり芝居でじっくり見せてくれる。
後半は、あの宙に浮いた
メタボな人たちまではよかったのですが、
その後がお決まりのパターンという感じ。
『サイレントランニング』、
あれはラストが秀逸でしたね。
えいさんが前半すきなのも分かります。前半のほうが、極め細やかなつくりで、宇宙船についてからは、クォリティーが少し落ちる(人間があまりにもアニメアニメしたデフォルメキャラなせいもあるけど)なんかいつもの新鮮味のないピクサー作品になってしまったから?でも、そんなの差し引いても、おもしろいです。後半では宇宙でのランデヴーシーン(これで使われるもので、DVD/BDでは特典でゲームもついていましたそのモノについては、ゴミ置き場でのシーンで複線をひいています)はすごくステキデ、ホラー作品のなかでの、一服の清涼剤になっています。
で、ウォーリーじつに日本人的で、(靴{この場合キャタピラ}を脱いでおウチに入るところなんて、それに奥ゆかしい所も?イヴ(英語)の発音がうまく言えないところも含めて(ひょっとしたらMade injapanかも)イヴはアメリカ的なニオイがします。
作者の意図とはちがうかもしれませんがそう感じました。どうでしょ?まあ、作者がそういう意図で日本人をあらわしたなら、さしずめ、M-o(働き者の)かもしれませんが、彼にかんしていえば、サブストーリーが特典としてあります。
http://www.traileraddict.com/trailer/wall-e/dvd-bonus-burne
ここでみることができそうです。ただ、本編を見たかただけ見た方がいいでしょう!
がそのキャラだとかんがえられますが?
それからハルにかんしていえば、ウチでもコイツは飼っていますが、ハルほど可愛くありません!!(しかも、多頭飼い)
ハルでは変わらないことへの凄さをあらわしたキャラなんだとおもいました。
とにかくヒットしそうです!おすすめです!!
本当にホラー映画なんだろうか?ホラ映画かも!
ヒントRの部分!!
いつもながらの情報たっぷり。
ありがとうございます。
そうなんですよね。
あの“動かない人間”の発想は面白いのですが、
急にデフォルメされて、
観ている方のテンションも落ちてしまいました。
ぼくもイヴの方が好きかも。
だって、ウォーリーは、あまりに人間臭くって、
少し切ないです。
キャタピラの履きかえ----
なるほど確かに日本人っぽいですね。
わたしもスピルバーグの感じしました。
>『モンスターズ・インク』には遠く及ばない気がした
わたしも同感です。
やっぱり昔のピクサー作品の方が断然良かったなぁと思ってしまったのでした、、、、。
前半が好きだったけど途中からがちょっと退屈になってしまいました。